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武侠少女!絹之大陸交易路を往く!?  作者: 蟹江カニオ 改め 蟹ノ江カニオ
1章
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何だかわたしの出番がない

「元々、私と胡姐…小馨と魂の相性が良かった事は、導師も承知でしょう?

 導師が自ら易を立て、浮身の呪法で確認しているのだから」


「可馨殿、何故に浮身法を存じている?かなり古い選別呪法だ、年齢的に知っている筈もない」


「導師、黒靈に包まれている間、私は意識不明でいた訳ではない。

 私は黒靈を通して周囲を見聞していた。導師の知識も吸収できた」


「馬鹿な、なぜそんな事が?上位靈の黒太郎ですら思考はできないのに?」


「多分上位だからよ導師。私にも黒靈が混ざったから理解できるけど、魂は混ざるほど()()()()()()()()


「そうか!道理だ!

余りに多い思考の合一に、逆に思考ができなくなっているのか。

 すると奴等の自我とは?」


「少なくとも、太郎のは自我じゃない。

 虫や魚みたいなものよ、存続するための条件反射の上位版?を自我と勘違いしていたみたい。

 だから、無条件に使役できる」


「……なるほど!つまり混ざって黒くなるほど、黒靈としては上位化するが、知性は劣化するのか、無垢な魂ほど自我が確立している。

 うむ、道理だ」


 旱導師は興奮の余り、秘法を垂れ流している事に気づいていない。


「これは、胡姐と会話して気がついた事だけど、導師も私も肝心な点を失念している。

 一度体から離魂したら、元には戻らない。

 当たり前だよね、だからね……私の今の状況が参考にならない?」




「……そうか

……そうだ

……儂は……馬鹿だ!

有難い!可馨殿!生霊(せいりょう)か!()()()()()()()()()!出来る!ならば出来るぞ!」


「導師には頑張ってもらわないとね、私も協力するわ」


「可馨殿の協力が得られるなら、願ってもない事だが、何を見返りに求められるかな?」


「見返りは二点。

 一つは私の体、私は自分の体が欲しい。これは、導師の目的にも合致する。

 導師の知識と技術なら反魂用の身体を作れる筈」


「その通り。一点目は了承しましょう。では、もう一点とは?」


「導師との連絡用に、黒靈が欲しい。

 出来たら、黒太郎、黒次郎、黒三の三体」


「むっ、太郎と次郎をか、黒三はまあ良いとして、彼奴らはあそこまで育てるに、八十年かかった。

 それに黒太郎が抜けるのは、痛い。

 黒三には劣るが、士と牛では駄目だろうか」


「私では、そんなに下位黒靈は使役出来ないわ。なら黒三と黒士で良いから」


「契約成立。

連絡はこの都内なら黒士でも出来るから、研究成果が出しだい連絡しよう。

 小生は北洛外の仮生観(けしょうかん)に大体居住している」



「導師、かなり饒舌だったが良いのか。俺達にどうこう出来る話では無かったが、不穏当な内容に思える。」


 そう、ここには老師を含めて、国内でも有数の武力が揃っている。


 老師の“世の為にならない”の一言で、旱導師の寿命は尽きる。


 旱導師は、口が滑った事の迂闊さを呪った。

 しかし、援護は可馨からだった。


「ごめんなさい母上、旱導師を見逃して下さい。」


「むっ……」


「母上はあの時、“あの世で詫びる”と、仰り私ごと導師を打ちました。

 それは、良いのです。母上の葛藤と私に対する愛情は感じていましたから」


「………」


「ですが、母上。

 私は人の輪廻から外れました、私に来世は無いのです。

 あのままだと、魂の霧散を避けて、手近の黒靈と同化したでしょう。

 更に遠からず黒靈同士で同化して、延命を計り、やがて自我を無くしたでしょう」


「なんと!導師!聞いておらぬぞ」


「いや、当主殿。自我の件は小生も初めて聞いた。

 まさか、上位体になるほど自我が無くなるなど、考えた事も無かった。

 だから、可馨殿のような知性宿る反魂者の存在は、奇跡に近い」


「母上、だから旱導師に、手出無用に願いたいのです。

 新たに体を得れば、人の輪廻に戻れるかも知れない」


「………分かった。元を正せば、全て俺の勝手から始まった事だ。

 導師に責任を問うのは、()()()()()。小馨に教えてもらった。

 分かった旱導師。貴様に手出しはしない。門弟にもそう通達しよう」


「そう願えれば小生としても重畳。

 小生は成すべき事があり、まだ死ねないのだから」


「導師よ、貴様は人倫を外す事に躊躇いは無いのだな、俺には三度目はできなかった。

 恐ろしい男だ。

 王、導師が帰られる。謝礼を」


 王家宰に促されて、旱導師は別室に通された。

 小馨の部屋には、老師と黄侍女、小馨と可馨が残った。


「可馨、済まなかった。まさかそんな事になっているとは、知らなかった」


「母上、良いのです。先程も言いましたが、母上の愛情は理解していますから。

 それに、ふふっ。

 姐が出来ましたから、結果には満足しています。

 面白いですね、小馨は」


「なんだ?姐とは、可馨の方が年上だろうが」


「それが、小馨はそれを条件に、私を受け入れたのですよ」


「なんだ?それは」


「母上、黄、この事は内密に。

黒靈も今は外していますので、旱導師には知られません。

生霊(しょうりょう)は自我が有るので、受け入れには、契約が必要みたいです。

魂と魂の約束事なので、結び付きが強く、そして安定すると考えられます」


「それでは?」


「はい、旱導師は失敗するでしょう。私が主導する為には、仕方ありません。

導師は簡単に人倫を破ります、約束を反古にされても困るのです」


「うむ、妥当であるな、具体的に奴が何をするのか見当もつかぬが、外道行為を働くだろう」


「はい、他にも伏せた情報も有ります。ですが情報共有はしません、私が誘導します」


「なんとも頼もしくなったな可馨。ん?それで姐というのは?」


「ふふっ、それなのです。

図らずも小馨が条件を出してくれたお陰で、魂の契約になりました。

私がこうしていられるのも、黄、貴女のお陰ですよ」


「私?ですか」


「小馨がすっかり貴女に懐いて、自分も貴女みたいに成りたかったのでしょう。

だから、私を妹とすることで、貴女の立場を真似したかった様です」


「え?それでは小馨様の条件とは」


「私を妹とすることです。ふふっ本当に愛らしい」


「か、呵呵呵呵呵、なんだそれは、俺の娘は本当に面白いな、呵呵呵呵呵か」


「小馨様。………何か創作意欲が湧いて来ました」


「それ!ねえ黄、あれから新作出してないの?私はそれで生き返ったんだから」


「ああ、二冊出版した、表で出すと発禁になるから、黄の実家の版元から千部のみの発行でな、後で俺の部屋から届けさせよう」


「有難う、母上」


……血は争えないようだ。

多分この時間帯に投稿時間をずらします、多少前後しますが。



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