表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武侠少女!絹之大陸交易路を往く!?  作者: 蟹江カニオ 改め 蟹ノ江カニオ
1章
15/156

あの技は疾駆長打というんだ

「心配したぞ小馨。もう大事はないのだな」


 老師だ、駆けて来たのだろうけど、息は全く乱れていない。

 わたしは、老師の声に深く安心したけど、可小姐は違うみたいだ。


 ?なんで可小姐の感情が分かるんだ?……まあ良いや。

 何だか、恐れ、とか、親愛、とか、申し訳無さ、とかで、一番強いのが恐怖かな。


(当たり前よ!胡姐も母上の疾駆長打をうけてみな、必殺の練歩からの突きなんだよ、あの時、母上は本気で私ごと旱導師を始末する気だった)


(ふーん、練歩って何?母さまの動きは綺麗だったね。……思い出した、あのあと瓶から何か出てきて、わたしの口に飛び込んだ)


(だから、なんでそんなに呑気なんだよ。私の方は、あの時黒靈が砕けて、必死で胡姐に飛び込んだっていうのに)


(そうだったんだ。わたしも母さまみたいに強くなれるかな?)


(会話が成立していない!)


「どうした?小馨、まだ具合が悪いのか?

 おい導師、どうなっている」


 殺気が漏れだしてきた。だが、旱導師は何処吹く風だ。


「………そうだったのか、黒靈では駄目なのか、生霊(せいりょう)か、だが?相性も有るはず。易では……」


「導師!答えろ」


 旱導師、は興奮覚めやまぬ感じで答える。


「結論から言うと、御息女は安定している。変調は起こらないだろう。……当主殿、人払いを」


 異論を唱えたのは王家宰だ。


「旱導師。ここにいる人達は、みな小馨様の身を案じているのです。口外はしませんから同席させて下さい」


「そうもいかない。道法(ダオファ)の秘奥に関する内容になる。聞かせる訳にはいかない」


 これには反論出来ない。武術も同じだからだ。


「道理だ。王と黄以外は退出しろ」


「いえ、当主殿。小馨様と当主殿以外は、退席願いたい」


「王には大体伝えてある。黄が居なくなれば、小馨が不安になる。今後を考えても、黄も聞いていた方が良いだろう」


 有無を言わせない。実際、旱導師に拒否権は無い、小馨の意識が戻った事で、ようやく首の皮が繋がった状態だ。


「……分かった。だが当主殿、臥せる部分は臥せますぞ」


「ああ、無茶を通すつもりはない。わかったら黄と王以外は下がれ」


(わたしは下がらなくて、良いのかな?)

(当事者が下がってどうする!)


 冗談だったんだけどね。


 わたしは黄姐に助け起こされた、自分でも意外だったけど、体が重い。


 導師はわたしに、いや可小姐に話しかけた。


「可馨殿、今どの様な状態なのだ?小馨様の魂に覆われていることはわかる。こちらから観察した所、安定している事も。何故に反魂に成功したのだ」


(胡姐、体を貸して、口だけで良いから)


(良いよ、どうやるの?)


(そう思うだけで良いよ、私は間借り人だから、体の主魂の許可がないと、体に干渉できない)


(返してもらいたい時は?)


(許可を取り消せば良いのよ)


 冗長に感じるが、魂同士が繋がった状態なので、意志の相互理解は瞬間だ。


 許可の意を伝えると、喉、口、舌がムズムズした。


「旱導師、こうして対話するのは初めてね。

 母上、逆縁の不幸をいたしました。申し訳ありませんでした。

 それから黄、あとで頼みがあります。

 ……久し振りの肉声は妙な感じですね」


(あれ?可小姐って普通に話せるんだ、意外)

(胡姐、少し黙って聞いていて、胡姐にも関係するから)


「おお、これは良い。直接対話できるなら、探求が進む」


「……可馨か、久しいな、本当に……


「可馨様?一体何が……」


「お久しぶりです。反魂呪法。実在するとは」


 反応は、それぞれだ。



 反魂呪法。当然そんな術など道法には無い。


 人は死して土に帰る。当たり前の事だ。


 だが、その当たり前を受け入れたくない、受け入れられない。


 そんな想いが、この呪法の根底にある。



 道法の道とは、真理の追及だ。


 だから、別に神仙に至る道のみを至上とする訳ではない。


 極拳の様に、武に至る道も有れば、

 不老不死に至る道を模索する道も有る。


 正当道法による仙人道ではなく、


 逸れた道、外れた道を選択し、不老不死に至る道を選んだ道法家を、

 左道、外道、導師と呼ぶ。


 導師と尊称で呼ばれるのは、

 手段はともかく、信念が微塵も揺るがない意志に、敬意を払っての事だ。


 左道に生きる導師は、特に道流などはなく、各自が独自に道の探求をしている。


 旱導師は、黒靈を使役する術を習得するに至り、魂の癒着性に着目した。


 結果、不完全ながらも、独自に反魂呪法を産み出した。


 反魂。という点のみの評価では、数例の成功を修めたが、


 反魂者の人格は破綻しており、数日で処分せざるを得なかった。


 反魂者の精神は、好意的に見ても、狂人に過ぎなかったのだ。


 獣のほうがまだマシならば、人として存在させる意味が無い。


 だから、処分するのだ。


 今回は、成功した実験体自身と意思の疎通が可能だ。


 上手くいけば、長年の夢が叶うかも知れない。


 そう、不死不死に至り、永遠に生きるという、誰もが夢見る、ありきたりの夢が実現するかも知れないのだ。


 曖昧模糊とし、矢鱈と不可条件や制限が有り、大前提として、仙骨の有無を問われる仙人習法など、


 旱導師には、道化習法としか思えなかったのだ。

投稿時間をずらしてみます、試行錯誤と云うことで。本日はもう一話19時頃投稿してみます。

新規に読者開拓出来たらうれしいですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=55314453&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ