第四話・浅野はプリンス?〜信じらんない!!〜
「「えええ〜!!!!」」
今は放課後。別のクラスの愛実&真由と一緒に、下校中。
その中で私は、今日あった浅野との最悪かつ最低な出来事を二人に告げた。
「じゃあ若葉は、初対面の男子に、時間がないからっていう理由で教室まで担がれたってこと!?」
「そーいうことです!!もう、浅野って、デリカシーろくでなし男よ!!あんなやつもう大っ嫌い!!」
私が二人に愚痴ると、真由と愛実は、こう言った。
「そいつってさ、“あの”浅野拓真様?」
「はあ?なんでそいつに様付けしてんの?ってか私そいつの名前言ってないし!!」
私がそう言うと、二人はまたまた声を合わせて、とっても信じられないようなことを言った。
「だって、うちのクラスじゃ有名だもん。『麻倉中学のプリンス・浅野拓真』はさ。ライバルはうちだけで二十人ぐらい?」
「はあああああ!?」
麻倉中学のプリンス?なんであいつがプリンスなわけ?あのデリカシー無しのろくでなし男がぁ!?
ってか二十人ってほとんど女子全員じゃん!!
そう言いたいのを必死にこらえて、私は言った。
「あのデリカシーまるで無しのろくでなし男の、どこがいいんだろーねぇ?」
「そこがいいんじゃない!!鈍感で、優しいお方だからよ!!」
ちょいとそこのお二人さん。なぜにあの浅野拓真にむかって、『お方』などというんでしょうか?
ってか今は鈍感もモテるステータスなんだ。覚えとこ。
「真由、愛実、目を覚まして!!あいつはそんなやつじゃないよ!!」
「目を覚ますのは若葉のほうだよ!!あんな素敵なお方なのに、どうして嫌いになることがありましょうか!!ああ、拓真様、あなたはどうして拓真様なの・・・・・」
夢見る口調で言う二人に、私はもう呆れ顔。
ってか最後の言葉って著作権・・・・・・だいじょぶだよね、うん。
「とにかく、私はあんなやつ大っ嫌いなんだからぁ!!」
「え〜、気が変わるなら今のうちだよ〜」
なんか残念がってる二人を置いて、私は走り出した。
「若葉〜そんなに照れなくてもいいじゃん〜」
「照れてない!!」
「またまたぁ〜」
「もう、知らない!!」
――――浅野なんて大嫌い――――この気持ちが、いつか変わることになる。
そのことを、今の私はまだ、知らない。
今回はちょっぴり短めです。
浅野と若葉はどうなるんでしょうか!?
次回、乞うご期待!!・・・・されてもなあ(笑)