9件目 このよろず屋に様々な秋がやってきた件 4/11
10月。第2週土曜日。
茜が来ない平日―――長い5日間が過ぎていった。
今日やっと茜が来る……。
お昼過ぎ……もうすぐだ……。
俺はここ数日、茜を待ちわびた。何故なら気付かされたからだ。
あいつの力に少しだけ……いや、正直かなり頼っていた事に。
今週初めの俺はお嬢に託された書類処理を余裕でこなし、いい気になっていた。
だがしかし、茜が来なくなって2日目から、色々と躓く部分が出てきてしまう。
チマチマとした書類への記載。
椅子に束縛されてのPC作業。
不慣れかつお嬢に聞きながらでしか進まない作業の数々に、俺は精神を磨り減らしていった。
こういう時に、他人の有り難みがよく分かる。
とりあえずお嬢が全て把握しているので聞けばなんとかなるものだったが……俺はもう茜なしでは耐えられない体にされてしまっていたらしい。
まさか茜があんな量の書類を処理をしていたなんて……。
しかも昔はお嬢が全て処理していたなんて……。
俺に任されていた分がまさか氷山の一角だったなんて……。
俺……もう書類なんて見たくないよぉ…。
―――ピンポーン
「―――あっ来たわね!」
チャイムの音に反応したお嬢が玄関まで向かい、玄関の扉を開ける。
そしてリビングに戻ってきた時、見覚えのある姿が俺の視界に入ってきた。
「お久しぶりですぅ」
「おぉ…あかね…。やっと来てくれたかぁ…」
待ちに待った援軍が遂に到着した。
一騎当千のアルバイター……茜様のご到着だ。
「あれ?仁さん…少しやつれましたかぁ?」
「そう見えたか…間違ってはいないぞ」
「”もう書類処理なんて余裕だな”っとか言ってたから、茜の仕事を半分渡したの。そうしたらこの様よ」
「あははぁ……ひたすらパソコン入力とかですからねぇ…」
「今日の作業は少ないけれど、残ってる分があるから少し打ち合わせするわよ」
「あっはいぃ。分かりましたぁ」
お嬢と茜は椅子に座ると、早速打ち合わせを始めていった。
俺の名前がチラッと聞こえる度、茜は少し苦笑いをしながらお嬢の話に耳を傾ける。
昨日俺が残した分と今日の分―――その業務に関するものの処理についてだ。
よし…あとは頼んだぞ茜よ。もう俺に残された力は皆無だ。
不甲斐なくて申し訳ない。来てくれてありがとう!そして…ごめんなさい!
「……ねぇ茜。そういえばだけど……昨日の文化祭はどうだったの?」
大まかな打ち合わせを終わらせた後、お嬢が茜に質問をした。
昨日行われていたであろう文化祭―――その内容が少し気になったようだ。
「楽しめましたよぉ。ダンスの件も”特に問題なく出来てた”って友達も言ってくれてましたしぃ」
「それは良かったじゃない!ダイエットした効果はあったのかしら?」
「体も軽く感じたのであったと思いますぅ」
「そう、それは良かったわ。………茜のダンス……見たかったけど……」
お嬢の言葉の最後―――小さな声でボヤいたのが聞こえた。
”茜のダンスを見たかった”……本音らしき言葉を漏らす。
本当だったら参加していた。だがどうしても外せない仕事の予定があった為、文化祭への参加を断念したからだ。
凄く行きたかった気持ちは分かる。昨日はいつもよりも渋い顔で仕事をしていたしな。
でもそれは仕方がないことだ。仕事なんだから。
だから先程の結果さえ聞ければ、十分じゃないかなって俺は思うぞ。
「瞳ちゃん。実はその動画なら…今ありますよ?」
「えっ!本当に!今あるの!?」
「お母さんが撮ってくれたものですぅ。ちょっと恥ずかしいですけど、持ってきちゃいましたぁ」
まッマジ!?完全に諦めてたのに…ダンス動画がここにあるだと!?
これはこれは……なんたる僥倖だよ!俺の見たかったものが見れるとは…素晴らしい!
「まさか見せてもられるなんて思わなかったわ。ふふっ…ちょっと嬉しい!」
「運動会の時は瞳ちゃんが色々見せてくれたじゃないですかぁ~。お互い様ですよぉ」
「ねぇねぇ!先に見ていい?」
「いつでもいいと思いますよぉ」
茜は早速撮影された動画を手持ちの機器で再生する。
そして画面を俺とお嬢の方へ向けて見せてくれた。
俺とお嬢は画面を覗いてみた。
すると、体育館のような広い空間に作られた大きなステージが映されていた。
ステージの前には多くの観客。
等間隔に並べられたパイプ椅子はほぼ満席だ。
「結構人がいるのね」
「はいぃ。予想以上にいらっしゃって…少し緊張しましたぁ」
「お!そろそろか?茜がステージで跳ねるのは」
「ちゃんと踊ってますよぉ。飛び跳ねる振り付けはありましたけどぉ」
「あっ出てきた!この端にいるのが茜ね。赤っぽい服装が可愛い!」
「ほぅ…確かに似合ってるじゃねぇか」
衣装は秋をイメージしたのだろうか。
赤めのデザインが施された可愛らしい服装―――舞台衣装を纏った9人の女子高生が登場してきた。
各々が自分の立ち位置を調整し、片手を胸に当てるようなポーズを取る。そして音楽が流れ始めると同時に、ダンスステージが開幕した。
女性らしさを引き立てる見事な振り付けのダンス。
各々が音楽に合わせて華麗にフォーメーションを変えていく。
ひらひらした飾りとスカートが舞い、煌びやかなステージライトが少女達を輝かせていた。
ダンス終盤では、サビの盛り上がりに合わせてメンバー全員が飛び跳ねて躍動する。
最後はステージ中央へと集い、その場でくるっと一周した後の決めポーズで締められた。
湧きあがる歓声。会場内は拍手喝采。
渾身の演技を披露し終えた9人の少女達。笑顔で手を繋ぎあいお辞儀をする。
そしてお辞儀を終えると、華麗に舞台から去っていった。
「………。」
「………。」
その時、口をぽかーんと開けていた自分に気付いた。
俺は茜の跳ね具合を少しだけいじるつもりだった。
だが、想像を超えた素晴らしいダンスに言葉が全く浮かばなくなっていた。
「終わりましたねぇ」
「ば…ばかな…これが茜だと?予想以上のダンスをしやがるじゃねぇか……」
「茜!凄い!本当にッ!それにすごく可愛らしかった!」
茜のダンスを見た後、お嬢が目を輝かせて茜に詰め寄った。
お嬢のテンションが少しばかりあがっている。声を聞けばすぐに分かる。
そして俺も恐らく……お嬢と同じ気持ちになった。
とても素晴らしいステージパフォーマンス……流石の俺も興奮したと言わざるを得ない。
勿論……”ちょっと衣装が出るとこ出てるなぁ”と思って興奮したわけではない。
ステージ上でこんなのが飛び跳ねてたら、目のやり場には困るけど。
「えっへん!どうですかぁ!見直しましたかぁ?」
お嬢と俺がダンスを褒め讃えると、茜はご満悦といった表情を見せた。
ドヤっとした顔でどやどや言っている。まぁ今回だけは許してやろう……良いもの見させてもらったしな。
さてと、目の保養もできたし……少しだけやる気が湧いてきた!
もうすぐ昼休憩も終わりそうだし、そろそろ仕事に戻るとする―――
―――ピンポーン
俺が仕事を始めようとした時、よろず屋のチャイムを誰かが押した。
お嬢がチャイムの音に反応し、ゆっくりと椅子から立ち上がる。
「へい!やっほー!」
「………おい誰だよ。よろず屋の扉でやまびこやってる奴は……」
「凛花ね。綾里と一緒に向かうって連絡あったし」
―――ガチャッ
「瞳たん、久しぶり~」
「お久しぶりです。元気そうですね」
お嬢が玄関の扉を開けると、凛花と綾里が立っていた。
久しぶりの対面。お互いに挨拶を交わしていく。
それにしても2人揃っての訪問か。……何か用事でもあったのだろうか?
「瞳おねーちゃん!また来たですー!」
「えっと…お邪魔します……なの…」
「えっ?花音!?それに…芽衣ちゃんも!?」
お互いに挨拶を終えた後、綾里の後ろから花音と芽衣が現れた。
花音はすぐにお嬢の方へと近寄っていく。そしてお嬢の腰あたりに抱きついていった。
突然の訪問とスキンシップに驚くような反応を見せるお嬢。
どうやら訪問の約束はしていなかったようだ。……サプライズ訪問なのだろうか?
「ねぇ凛花。今日はどうしたの?」
「お土産を持ってきただけだよ」
「お土産?」
「そうです!瞳お姉ちゃんに”おみあげ”を渡すです!」
花音は凛花から大きな袋を受け取ると、それをお嬢の方に渡そうとしてきた。
袋の大きさは花音の体の横幅くらいある。手を少し震わせてちょっと重そうだ。
「ありがとう花音。これは花音から?」
「違うです!お父さんからです!」
「多分”最近よく花音の面倒をみてもらってるからね”って言ってたからだと思う」
「そうだったんだ……。ならありがたく貰っておくわね」
お嬢は大きな袋を受け取ると、微笑みながら花音の頭を撫でた。
花音はお嬢に再度抱きつき、ちょっと嬉しそうに顔をうずめる。
「でも…どうして凛花達と一緒に?」
「それはねぇ……朝方、綾里の用事で花音ちゃんのお宅にお邪魔してたからなんだ~。それで、用事が終わった後は武道館へ向かう予定だったんだけど……丁度通り道だから代わりに持ってきたってわけ」
「それでついてきたの?」
「ついてきたです~!」
お嬢は少しだけ困ったような表情を見せる。
だがすぐに”しょうがないなぁ”といった感じの表情に変わった。
優しく花音と芽衣を手招きする。そして一緒によろず屋の中へと入ってきた。
リビングまで戻ってきたお嬢は、花音から受け取った大きな袋をテーブルの上に置いた。
袋の中を覗いてみると、色んなものが沢山入っている。
「……あっ…大きい瓶と小さい瓶……白だし?」
「こっちは缶ジュース……それは調味料だな。………おっ!鍋用の出汁もある!」
中にはお中元を彷彿とさせるような豪華な品々が入っていた。
数種類の調味料やダシパック等……日常の食卓で使うものが比較的多かった。
「あっ鍋ですかぁ。最近寒くなってきましたし、いいですよねぇ」
「いいよね鍋。ボクの実家ではあまり出たことはなかったけど」
「ねぇ凛花!だったら今日の夜に一緒に鍋をやりましょうよ!私は……皆で一緒に鍋をしてみたいわ!」
凛花の言葉に反応したお嬢。一緒に鍋をしようと提案してきた。
鍋の素を手に取ってアピールしている。そして若干ソワソワしている。
お嬢のやつ……”どうかな?どうかな?”ってアピールしすぎだろ…。
無意識でやってるんだろうが……一緒に鍋をしたいって気持ちが漏れ出てるぞ。
凛花は一瞬、考えるような仕草をした。
突然の夕食のお誘い。既に予定が入っているのであればこれは難しいと考えられる。
これから落ち込むお嬢の姿―――それが目に見えるようだ。
「………夕方からなら大丈夫だよ」
だが、そんな心配は全く必要なかった。
凛花はすぐに笑顔を見せ、お嬢に対して返答をする。
今日の夜は鍋料理。夕食が決定した瞬間だった。
「やった!花音と芽衣ちゃんはどうする?」
「するです!芽衣もやるです!」
「あっなら…お父さんとお母さんに連絡だけしておくの。多分今日は大丈夫なの」
「うん!なら茜と綾里は?」
「今日でしたら大丈夫ですぅ」
「そうですね……でしたら僕も参加させて頂きます」
「仁は勿論大丈夫よね?」
「……まぁな」
お嬢が明るい声で話しかけてきた。そして嬉しそうな表情を俺に見せてくる。
皆で鍋がしたい…恐らくその言葉通りの流れになったからだろう。
まさか全員からOKをもらえるとは。…良かったじゃねぇかお嬢。
でも俺にとってはちょっと予想外だ。かなり大所帯になってしまったからな。
鍋はどでかいやつが1つあったからそれで対応するとして……とりあえず先に鍋の素の方を確認しておくことにしよう。
俺は袋の中を開いて覗いてみる。
そして鍋の素のパッケージを一つずつ確認していった。
使う量としては2パックくらいか?
味の種類は……色々ありそうだな。
和風ベース。
旨辛ベース。
鶏だしベース。
味噌ベース。
そして……カレーベース。
見た限りではそれだけの種類が確認できた。
今日のベースは何がいいだろう?
これはとても悩ましいが……俺としては和風ベースから食していきたい。
でもまずはお嬢に確認だ。どんな鍋にしたいか聞いてみることにしよう。
「お嬢、一つ確認しておきたい」
「うん?何?」
「今日みんなでやる鍋なんだが……どんな鍋にしたい?」
「どんな鍋?……あっ!それなら――――」
和風こい。
和風こい。
和風こい。
和風こい!
和風こい!!
和風こい!!!
「楽しい鍋にしたい!」
「おっ…そうか」
楽しい鍋……いいねそれ。俺もそう思う。
でも俺は今、どんな味にするか聞こうとしたんだ。
鍋のベースは重要だからな。それ次第でテンションの上がり具合が全然違う。
「瞳ちゃん、でしたら"闇鍋"とかはどうですかぁ?」
「闇鍋?何それ?」
茜が”闇鍋”を提案すると、貴族連中が首を傾げた。
どうやら”闇鍋”という食べ方をしたことがないらしい。
部屋を暗くし、各々が好きな物を入れて食べる鍋。一時期、庶民の間で流行った食べ方だ。
恐らく高貴な方々には縁遠い食べ方だろう。……やってみると楽しいけどな?
「暗くした部屋の中で、自分の好きな食べ物を鍋の中へ順番に入れていくんですよぉ。そして、何が入っているか分かりにくい中で、取って食べるんですぅ。鍋は大抵の食べ物を許容してくれる究極料理の1つなので、できる食べ方だと言えますぅ」
「そんな食べ方があるの!?じゃあそれ採用で!」
「へぇ、面白そうだね」
「楽しそうです!やってみたいです!」
俺も地元で闇鍋をやったことがある。
その時は4人くらいで集まって楽しく鍋を囲んだ記憶がある。
ただその時は肉好きが多かったので色々凄いことになった。
鍋から取り出される具材が牛肉、豚肉、鶏肉のオンパレード……あれはあれで美味かったけど。
「ところでお嬢……鍋の味なんだが……」
「味?それは仁に任せるわ」
「ッ!よし分かった!下準備は俺に任せろ!」
「じゃあ時間なんだけど……18時くらいかな?」
「そうだな。各自18時までに自分の入れたいものを用意して集合してくれ。いいな?」
「「はーい!」」
凛花と綾里はよろず屋から出ていき何処かへと向かった。
花音と芽衣はどうやらお邪魔しにきたらしく、仕方がないのでよろず屋内で遊ばせる。
夜の鍋まではまだ時間がある。
だがその間に仕事は片付けなければならない。
そして俺は、全力で午後の業務に取り掛かった。
◇◇
夕方。
自身の業務を終わらせた俺はリビングで休息をとることにした。
時計を見ると16時半前。夕食の準備を始めるにはまだ早い時間だ。
お嬢と茜はまだ少しやり残しがあるようで頑張っている。
業務を終えたら花音と芽衣を連れて近場のスーパーへ買出しに行くはずだ。
「また死んだです……この面は製作者の悪意が詰まってるです!」
花音はどうやら一人用のシューティングゲームではしゃいでいるようだ。
相変わらず活発過ぎて騒がしい。集中すると静かになるけど。
「……むぅ?……くまぁ……」
一方、芽衣は自前の小説らしき本を持ってきており、それを黙々と読んでいる。
まさに文学幼女という雰囲気。”読書の秋”を体現しているようだ。
それにしても…この時間をどうしよう。
余った時間…花音とゲームをして過ごすのもいい。だが今はそれよりも芽衣ちゃんの読書が気になってくる。
この物静かな文学少女が夢中になって読んでいるもの…それは一体何なのだろうか。
「芽衣ちゃん?それは何を読んでいるんだ?」
「……ッ!推理小説を読んでるの」
「推理小説か~。この表紙のクマが主人公か?」
「そうなの。イングマちゃんは人気シリーズなの」
「ほぅ……淫熊?」
俺がよく分からないといった雰囲気を醸し出していると、芽衣が自分の鞄を指さした。
小さな鞄にぶら下げている1つのキーホルダー。
1匹の熊らしきキャラクターを見せながら説明を始めてきた。
「この子はリーズニングマちゃんなの。この本の主人公でとっても鋭くて賢いの」
芽衣ちゃんがぶら下げているキーホルダー。それが主人公の推理専門の熊らしい。
探偵帽子を被り、パイプをくわえたTHE探偵といった佇まいのキャラクター。
容姿はかわいくデフォルメされている。この年代の女子に人気がありそうだ。
「他にも逃げる犯人へのマーキングが得意なマーキングマちゃんとか、ストーキングが得意なストーキングマちゃんがいるの」
マーキングにストーキング…とんでもねぇクマ共だ。
モラルの欠片もねぇじゃねぇか。いや、野生にモラルも何もないかもしれないけど。
「どのくまちゃんも推理や捜査を行う上でとっても役立つスキルを持ってるの」
「ほぅ…なるほど…」
俺は芽衣と一緒に少しだけストーリーを読み進めていった。
すると何となくだが、全体の構成が掴めてきたような気がした。
事件が起こると主人公の推理専門クマが登場して事件を推理していく。
この推理パートでは色々な要素から成り立ち、犯人特定までが基本らしい。
だがたまに逃げる犯人がおり、それを数匹の追跡クマ野郎が追い詰めるパートもあるそうだ。
一応モラルのないクマ共のストーリーではないらしい。
しっかりとした探偵ものストーリーで、ミステリーからサスペンスまで網羅したような小説だった。
人物でやるとエグイ感じの内容。
でもほんわかしたクマに置き換えることで子供でも読める感じにされている。
日々の糧を得られず社会で犯罪を犯す熊共と、その熊社会で真面目に働いている熊共。
普通に考えるとシュールな絵面だ。……森でハチミツでも舐めてればいいのに。
「理解できた?仁ちゃん?」
「あぁ…できた。よく分かったよ」
やっぱり読書好きってことが分かったし、熊っぽいものが好きなんだなってことも分かった。
それに推理物が好きなんだなってことも分かったから収穫としては十分だ。……勿論そのクマ達の事も理解したぞ?
「花音、芽衣ちゃん。そろそろ買出しに行きましょうか」
俺が芽衣と本を読んでいると、お嬢が声をかけてきた。どうやら仕事が終わったらしい。
これから芽衣はお嬢達と共にスーパーへ買出しだ。
なので俺はここで引き下がるとしよう。
「行くです」
「あっ今行くの~」
「じゃあ、俺は鍋の下準備をしているから、好きなの買ってこい」
「はいなの!」
―――バタンッ
お嬢達がスーパーへの買出しに向かった。
よろず屋内には俺一人。程よい喧騒から一転、静寂に包まれた。
よし、俺も自分の食材を用意するか。
それと皆が帰ってくる前に鍋とかの準備もしておかなければな。
さぁこれから始めるとしよう!
皆で一緒に楽しむ……究極の鍋TIMEを!!




