表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/56

7件目 このよろず屋にお嬢目当ての野郎共が訪ねてきた件 1/9


 8月下旬。

 お盆が明けて、慌ただしい日常が帰ってきた。

 俺、お嬢、茜の3人で、日々の業務をこなしていく。


 お嬢は相変わらずハイスペックPCで色々とやっている。

 茜は書類整理が終わったようで、お茶を飲みながら休憩しているようだ。


「仁、今から配達をお願い」

「あぁ、分かった」


 お嬢がPCでの作業を止め、リビング隅にある物品置き場に歩いて行った。


「……これを商店街の会長さんに渡してきて。今回の物は取り扱いに十分注意してね」


 そして、よろず屋の物品置き場の棚に保管された荷物の一つを取ると、俺に渡してくる。

 物はそこまで大きくない。片手で掴める大きさだ。

 だが、天地無用の割れ物注意……貴重品の配達である。


「商店街の爺さんか。今回の品物は確か……了解だ」


 俺はお嬢に与えられた雑用業務をこなしながら、唐突に発生するミッションを処理していく。そして今回のミッション―――それは”商店街の会長に荷物を届けろ"であった。


 俺は緩衝材に包まれた品物を、手提げ袋へ丁寧にしまい腕で抱える。この貴重品はお嬢が独自ルートで仕入れた高級品だ。無くしたり壊したりする事はあってはならない。


「それじゃ、届けてくる」

「はい。仁さん、いってらっしゃ~い」

「仁、明日の朝ごはんの買い物も忘れちゃダメよ。……気をつけてね」

「あぁ」


―――バタン


 俺はよろず屋の外に出る。だが商店街にはすぐに向かわず、その場で少しだけ立ち止まり深呼吸をした。


 空を見上げると太陽が北西方角で輝いており、青い空に白い雲が流れていた。

 実に気分が良い。天気もそうだが、気持ちが晴れ晴れとしている。

 

 最近、なんだか気分良く配達業務に従事できている。それは恐らく、よろず屋から出かける時にお嬢と茜が声をかけてくれるようになったからだろう。


 無愛想ながら気を使った言葉をかけてくれるお嬢。

 いつも通りのほんわかした笑顔で見送ってくれる茜。

 何気ない日常となってきたやり取り。たった一言だけの気遣いで、心に安らぎが生まれている。


 つか、最近のよろず屋……意外と環境良くないか?

 

 ちょっと前までは仲良くしていても、どこか一定の距離感があるように感じた。なので俺は、若干だが肩身の狭い思いをしていた。

 だが、お盆が終わってみるとどうだ?前よりもお互いの距離感が無くなっているではないか。


 カワイイ女子達と仲良くお仕事。

 無駄に背伸びをして張り切ってしまいそうだ。


「おっと、いけね。…そろそろ行くか」


 夏なので外は明るい。だが、配達や買出しを行っていると、日が沈みかけてしまう。

 今日は夕方からお嬢とパーティーがある。なのであまり悠長にはできないのだ。


 よし!とりあえず、商店街まで張り切って行くとしよう!


 俺は軽い足取りで、近くの商店街へ歩いて行った。



◇◇



 商店街には多くの店が建ち並んでいる。

 呉服屋、電気屋、八百屋、魚屋、肉屋などなどなど、昔から営業している様々な専門店が軒を連ねているのだ。

 最近はデパートなどの総合店が進出してきており、各々の店舗でお客の争奪が激化してきている。だが一方、お店が密集することでの相乗効果があるようで、前より人が増え、活気が出てきたように感じる。

 いつも元気な商店街である。


 それにしても再開発エリアに近い商店街は、繁盛してるなぁ。


 隣町は今再開発がかなり進んでいる。所謂ベッドタウン化だ。それによりだんだんと人が多くなってきている。

 そして人が多くなってくると、様々な企業やお店が進出してくる。今後はもっと活気が出てくるだろう。


 俺はそんな活気のある商店街のメイン通りを数百メートルほど歩いていき、白っぽい大きな建屋の前で歩みを止めた。3階建てのよく見る事務所。商店街の会長が住んでいる建物だ。


―――ガララッ


「こんにちは、但野です。お届け物をお持ちしました」

「あらぁ~、いらっしゃい。こちらにどうぞ」


 スライド式のドアを開けて中に入り、事務所の1階で座っていた受付のおばさんに声をかける。

 すると、受付のおばさんはすぐに立ち上がり、会長のいる2階の部屋へと案内をしてくれた。

 会長への配達を何度も行っている為、俺の顔を覚えられてしまったようだ。

 

「会長~、但野くんが荷物を運んできてくれたわよ」

「おぉ!?待ちくたびれたぞぃ」


 階段を上がり奥の部屋に入っていくと、顎に長めの白髭を蓄えたお爺さん――――商店街の会長さんが座っていた。顎のひげを撫でながら、優しい目つきでこちらに笑いかけてくる。

 雰囲気は柔和だ。それに何度も会っている為、緊張感はない。


「久しぶりだな爺さん。例の品物を届けに来たぜ」


 俺は依頼のあった品物を手提げ袋から取り出し、緩衝材を剥がしてから会長に渡そうとする。


「これが―――っと、……但野くん。立ち話もなんじゃ、とりあえず座れ座れ」

「あ、はい」


 品物を渡そうとする前に椅子に座れと促してきた。

 会長とは何度もやり取りをしている為か、かなり気楽に接してきてくれる。

 受付のおばさん曰く、孫みたいな感じで見られているらしい。……俺、もしかして可愛がられてる?


 因みに俺から見ると、商店街の会長は貫禄があり、心優しい爺さんだと思っている。

 ただ、お茶と菓子でおもてなしをされた後は、よく長い世間話に付き合わされることが多い。

 ……まぁ、話し相手になってやるのも満更ではないのだが。


「さてと…これが今回の依頼の品だ。お嬢の伝手で海外から取り寄せてくれそうだ」

「手間をかけたのぉ。…早速箱を開けてもいいかね?」

「勿論、爺さんの依頼の品だからな」

「そうじゃったな。それじゃ…」


――パコッ


 軽く空気の抜けるような音を立てながら、高級で頑丈そうな箱が開けられる。

 すると中には、金色に輝く指輪に宝石が散りばめられた逸品が入っていた。


 白く柔らかそうなリングクッションの中央に固定されたその逸品は、圧倒的な存在感を示している。


「おぉ…これじゃよこれ」

「確かに届けたぜ。確認したらこれに印を押してくれ」

「うむ」


――ポン


 俺は会長から受領印をもらい、荷物の配達ミッションを完了した。


 それにしても、会長はいつにも増して、嬉しそうに指輪を眺めている。宝石収集の趣味でもあったのだろうか?……ちょっと聞いてみるか。


「ところで爺さん、何でそんな高級そうなもん取り寄せたんだ?いつもと違ってやけにニヤついてるが…」

「これは婆さんとの金婚式祝いのプレゼントじゃて」


 婆さんの金婚式?確か50年くらいは連れ添わないとだっけか?もう御年80くらいだったか……なのにまだまだしっかりしてる。

 そして本当に良い爺さんだ。


「金婚式か。めでたいな」

「そうじゃろ?本当にありがとのぅ」


 俺もよろず屋で色々な依頼をこなしてきてはいるが、ここまで喜んでもらえるとこっちも嬉しくなってくる。例えそこまで大したことのない仕事だったとしても、誰かの幸せの一助になれている事が実感できると、やりがいもでてくるってもんだ。


「婆さん思いだな」

「いつも思いやりを大切にしとるよ」

「前回は貴族のグラビア雑誌だったのに…」

「それは……それじゃて」


 貴族のグラビア雑誌。一般には出回らない貴族間のニッチな情報誌だ。

 お嬢の持っている数少ない貴族のコネが奇跡的に役立ち取り寄せができてしまった一例である。


 ……つかこの爺さん、そんなニッチな情報をどこから仕入れてくるんだよ…。


「……アレにはお嬢も困惑してたぞ」

「お嬢ちゃんには悪いことをしたかのぉ……だが、アレも中々良い物じゃな。お主も気になるじゃろ?」

「……ならねぇよ」

「正直に言うてみ?」

「なるに決まってんだろ」

「うむ。人間、素直が一番じゃ」


 この爺さん、俺の心を見透かすとは対人経験豊富だな。伊達に会長やってねぇわ。

 俺も本音を言うとここで少しだけ雑誌―――ではなくここで休憩したいところだが、食材の買い出し時間を考えるとゆっくりはできない。

 ………正直悔しい。


「……それじゃ爺さん、すまないがそろそろ行くよ」

「なんじゃ?今日はゆっくりしていかんのか?」

「あぁ、これから八百屋と魚屋で買い物する予定なんだ」


 会長は残念そうな顔でこっちを見てきた。

 普段の依頼があった時は、色々と世間話の相手になっていたからな。すぐ帰ると少し寂しいのだろう。


「急ぎの用事かね?」

「あぁ、その後お嬢と貴族のパーティーだ」

「そうじゃったか。またいつでも待ってるぞぃ」

「あぁ、また寄るぜ」


―――ガララッバタンッ


 俺は事務所の一階まで向かい、会長の事務所を後にした。

 そして、隣町側の反対―――よろず屋のある西の方角へと戻っていき、八百屋や魚屋を回っていった。



◇◇



 俺は商店街で食材を買い込み、手提げ袋に入れていく。そして、ひと通りの食材を購入し終えたら、よろず屋まで戻っていった。


―――ガチャッ


「仁、やっと帰ってきたわね」

「少し遅くなった。これ受領書だ」

「受け取ったわ。…しっかり届けられて良かった」

「あぁ!会長の奥さん、きっと喜ぶだろうな」

「うん!」


 お嬢は自分事のように嬉しそうな表情を見せた。

 会長夫妻は本当に仲睦まじい為、今回の品物を無事届けられて良かったと思うのは当然であろう。


 因みに会長夫妻とは大家の婆さん繋がりで知り合いらしい。

 そして、お嬢は会長夫妻のことが好きなのだということがなんとなく分かる。


 一緒に会長の所へ伺った時、お嬢は結構可愛がられていたからな。

 

「瞳ちゃん。私はそろそろ帰宅させて頂きますねぇ」

「茜、お疲れ様」

「はいぃ。お疲れ様でしたぁ~」

「お疲れ!ってそうじゃない。……ちょっと待て」

「はいぃ?」


 俺は手提げ袋を床に置き、その中から魚の入った袋を取り出す。

 茜は首をかしげ、見下ろし、覗き込んできた。


「先日魚屋の荷物運びを手伝ったから、そのお礼に少しサービスしてくれてよ。この(いわし)なんだが、多分食べきれないから数匹持っていってくれ。……別に良いよなお嬢?」

「そうね。量が多いならその方がいいわ」

「わぁ~、ありがとうございますぅ。頂きますぅ」

「よし、ちょっと待ってろ」


 小さなビニール袋に魚を取り出して分けていく。

 そして、氷を入れたらその袋を茜に手渡した。


「ありがとうございますぅ」

「おう、それじゃまたな」

「はいぃ。それではまた明日来ますねぇ」

「うん!またね茜」


―――バタンッ


 茜が帰っていった。

 さて、冷蔵庫に食材をしまおう。


「ところで仁、今日はパーティーに行く日だけど覚えてる?」

「覚えている。今から準備するよ」


 今日はお嬢が招待されたパーティーがある。

 お嬢曰く、よくあるパーティーは小さな交流会のようなものだ。だが、今回は町の再開発に関わる関係者や周辺貴族も招待されているらしい。なので、俺の知るパーティーとは比べ物にならない程の規模との事だ。

 因みに場所は最寄り駅を超えた先―――今現在再開発が進んでいる隣町に建てられた大会場だと言っていた。


 俺は自室に戻るとすぐにスーツへと着替えて支度を整える。

 そして、お嬢が部屋から出てくるまでリビングで待つ事にする。


―――カチッカチッ


 ん?なんだ?


 玄関の鍵が開いていく音に気付いた。

 ドアノブが回りはじめ、扉を開こうとしている。


―――ガチャッ


「こんばんは~。瞳たん、準備できてるぅ~?」


 凛花が玄関の鍵を開けて入ってきた。

 若干紫がかった綺麗なドレスをふわりとなびかせながら、よろず屋のリビングへと上がってくる。 


「ッ!?その恰好……お前も行くのか?」

「あ、仁くん。そうそう。ボクも呼ばれちゃったんだ~」


 どうやらお嬢と一緒に行く約束をしていたようだ。


 その外見は普段のラフな格好とは違い、綺麗なドレスを身に纏っている。

 コイツも黙って立ってさえいれば麗しきお嬢様に見えるのだが………仕草からして見せる気がない。


「つか、お前合鍵持ってたんだな」

「瞳たんからもらったんだー。だからいつでも入ってこれるのだよ!」


 このよろず屋の扉の鍵はダブルロック。

 鍵自体は高性能だが、合鍵を持つ凛花の侵入は許してしまうようだ。


「へぇそうかよ。……頼むから俺の部屋へは進入してくるなよ」


 俺の部屋もリビングを介して繋がってる為、一応聞いておくことにした。

 こいつの性格を考えると、面白がって入ってくる可能性が考えられるからな。

 ………杞憂だろうけど。


「仁くんの部屋にボクが?アハハッ進入なんてしないよぉ~」

「まぁ、そうだよな」

「”人狼(ジンロウ)”がいたら”侵入”するけど」

「お、おぅ……」


 凛花が視線を鋭くして俺の目を見返してきた。

 そして、最後の言葉だけ本気だった。


 その言葉の意味は”寝首を掻きに行きますよ”である。

 お嬢を大切に思う気持ちから溢れた出たお言葉だ。……肝に銘じておこう。


「――っとまぁ、少し冗談を言ってみたり~」

「おい、さっき目が本気だったぞ。ちょっと戦慄したわ」


 そんな冗談なのか怪しいやり取りを行っていき、お嬢が準備を終えるまでに会場へのアクセスを確認する。

 今回は凛花も一緒に行くので、タクシーだ。連絡してみたら10分くらいでよろず屋に到着するらしい。



「あ、凛花。もう居たんだ」


 暫くすると、お嬢が奥の部屋から出てきたようだ。

 綺麗なドレスを着飾っての登場……やはり外見は完璧である。


「瞳たん!今日も綺麗だね~」

「そ、そう?凛花も素敵よ」


 お嬢と凛花が楽しそうにキャッキャウフフしている。

 煌びやかなお嬢様が二人での談笑だ。素晴らしい光景……俺の目には眩しすぎる。


「さてと、準備ができたようだし行こうか。表にタクシーを呼んであるから乗ってね」

「うん!」

 

 そして俺達は、隣町のパーティー会場までタクシーで向かった。



◇◇



 最寄駅の高架下を潜り、隣町に着いた。

 俺達はタクシーから降り、目の前の大きな建築物を視界に入れる。


「再開発してたのは知ってたが……すげぇ会場だな…」


 少し見上げるとドームのように見える大きな建築物が建っていた。

 幅の広い階段が入口付近まで続いている。一応隣にエスカレーターも設置されている為、わざわざ階段を使う人は少なそうではある。


「本当に大きいわね。それに……警備も凄い…」


 お嬢は会場の周辺を見渡しながら呟いた。

 俺も周辺を見てみると、確かに多くの警備員が配置されていた。


 パッと会場の周辺を見るだけでも200人近くはいる様に見える。

 普段お嬢と行っていたパーティーの雰囲気とは全く違う。厳重度が桁違いだ。


「なぁ凛花。お嬢も驚くくらいの警備だが……これぐらい厳重なパーティーはよくあるのか?」


 俺は今までのパーティーでは見ない程の警備人数を見て、今回のパーティーの重要性をなんとなく悟った。

 これがどれくらいのレベルなのかは分からない。なので、凛花に少し聞いてみることにした。


「滅多にないね。恐らくだけど、今回は有力者が多く出席するからかもしれない。それに、再開発の途中だから町の治安もまだ良くない。だからそれだけ警備が厳重になっているんだと思う」


 なるほど。恐らくこの町の再開発計画に深く関係している重要人物達がわんさかいるのか。それに治安の問題もあるのであれば納得だ。

 

「へぇ、確かに窃盗事件とかも起きてるようだし……他にも何か知ってるか?」

「うん?少しだけなら知ってるよ。例えば―――」


 凛花はこの町で起こった事件に関して教えてくれた。

 詐欺、強盗、殺傷事件、暴力団抗争などなどだ。


 再開発による良い影響は多い。だが一方で悪い影響も出ているようだ。

 その悪い影響の一つとしては、再開発により一部の住民との軋轢が生まれ、町の一部が廃れたこと。

 結果、その一部エリアの犯罪率が高くなってしまったそうだ。


「―――って感じかな?」

「少しって言っておいて、随分と詳しいじゃねぇか」

「それはまぁ、一種の"お手伝い"で関わっているからかも」


 うわ…”お手伝い”とかいってるけど、ニュアンスが隠語にしか聞こえねぇ!一種ってなんだよ!怖いわ!


「も、もしかして危ない仕事か?ナイフ持った輩の制圧とか……まさか銃を持ってる相手なんかいないよな?」

「ナイフを持った相手と対峙したことはあるけど、銃はないね。そもそもこの国では所持自体が犯罪だし、持ち込むにしてもセキュリティが超厳しいからまず無いと思うけど」

「――だ、だよな……って!?ナイフはあるのかよ!」


 ナイフと対峙したとかどんな体験だよ!!

 普通はしねぇぞ!普段一体何してんだよこいつ!!


「といっても、社会勉強をしていた時に遭遇しただけなんだけどね」

「社会勉強?」

「うん、社会勉強。治安維持活動の一環でもあるかな。獅童さんについていったんだ~」


 獅童さん?……あぁ、学園祭で従者二人を連れていたヤバそうな男か。

 あの時も治安維持っぽいことをしてそうだったが、学園内だけの治安維持じゃないようだな。

 それにしても……


「治安維持って一体何しに行ったんだ?」

「えっと…目立った行動を起こしてたヤクザを見せしめに…?なんだったっけ?いやぁ…正直あれは怖かったなぁ。アハハ」


 凛花は腕を組み、しみじみとした表情で昔の出来事を思い起こしている。

 良い経験したよ~って顔だ。…笑い話にならねぇよ。


「……あんまり無茶するなよ」

「心配してくれるんだ。ありがと」


 凛花が優しく微笑んだ。

 このワンシーンだけ見ると、誰が危ないことに首を突っ込んでいるお嬢様だと想像するだろうか。


「凛花。仁。いつまで立ち話してるの?そろそろ入口まで行くわよ」


 お嬢がエスカレーターの前から声をかけてきた。

 こっちを振り返って手招きしている。少し待たされて痺れを切らしたようだ。


「おっと、瞳たんが呼んでるね。それじゃあ仁くん、エスカレーターで上まで行こうか」

「そうだな」


 俺達はエスカレーターに乗り、パーティ会場の入口へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ