第1話
処女作になります。
偏見で書いている部分もあったりします。
誤字脱字を見つけた時はご連絡頂ければ幸いです。
うん、どうしてこうなった?
ここ…どこ?
少なくとも俺の家の近所じゃあない…よな?
だって俺の家の近所にはこんな草原なんてないもんな…
確か俺は深夜にコンビニから帰宅途中だった…はずだ。
オーケー、ちょっと思い出してみようか?
俺は小笠原 陸、昨日二度目の成人式を終えたばかりの40歳。
仕事は地元の零細企業のしがない総務事務。
彼女いない歴はかれこれ10年。
身長170cm、体重65kg、今日の健康診断でメタボ気味と診断された。
なんか言ってて空しくなった…
とにかく小腹が空いたのでコンビニに行って酒とつまみを買ってその帰宅途中だった…
よし、ここまではオーケーだな。
帰りながらスマホで最近ハマってるネット小説サイトの異世界転生モノを読みながら帰ってたんだよな…
確かカラーコーンに囲まれてるマンホールがあって、行きはそれを避けたんだよ。
帰りは…その…歩きスマホやってて…カラーコーンに引っかかって…
マンホールの蓋が開いてて、そこに落ちて気がついたらこの状況だった…
よし回想終わり…
ってなんなの?なんなの?この状況…
訳が分からないよっ!
教えてよイン○ュベーター!
しかも持ってたスマホもコンビニで買ったモノも手元にない…
どうやら落としてしまってるっぽかった…
俺の今の服装はTシャツとGパンと運動靴…
まぁ近所のコンビニに行くのにそこまでお洒落して行く人って滅多にいないだろ?
時計なんてスマホで十分って人も多いだろう。俺もそのクチで時計は持っていない…
ズボンのポケットに入ってたのは、酒とつまみの買った時のお釣りの254円とレシート…
1000円握りしめて買い物に行ったんだもん…
すぐに帰ろうとしたからそこまでお金いらないって思ってたんだもん…
それにしても…ここ…もしかして異世界?
明らかに地球じゃないよな?少なくとも俺の知ってる日本じゃない…はず…
空を見上げると太陽が2つあって、所謂西洋ドラゴンっぽい影も見える…
食べられない…よな?
そして左右を見まわすと果てしない地平線…じゃなかった。
よく見るとデカい樹が見える…
よしあそこまで行ってみよう。
何か分かるかもしれないしな、うん!
3時間くらい歩いただろうか?
陽が落ちてきてようやく樹の根元まで来る事が出来た…
幸い?歩いてる途中、誰にも合わなかったし、魔物に襲われる事もなかった。
とりあえず無事に樹の根元に辿りついた俺がまずする事と言えば…
火の確保だな!
樹の周りを回って木の枝をいくつか拾い集めて木を擦り合わせて火種を作りGパンのポケットから
綿ゴミを使って火を起こした…
ネットでかじった知識と昔入ってたボーイスカウトで培った知識!
どこで役に立つか分からないな。
安定した焚き火に安心した俺はウトウトし始めててた。
そしていつの間にか、寝入ってしまった…
『陸さん?小笠原陸さん?』
綺麗な声に呼ばれた気がして俺は目を覚ました。
「誰?」
『ああ、良かった!すみません、本当にすみません!』
ゆるふわなプラチナブロンドの髪が揺れてながらペコペコしてる。
もしかしてこの人…
『はい、神です…』
顔を上げたその顔は芸能人の真っ青な綺麗な顔をしていた…
「・・・・・・・・・」
『陸さん?』
おっとイケないイケない、見惚れてた。
「はい…」
『えっと、小笠原陸さん、貴方に起きたこの状況の説明をしても良いでしょうか?』
「はい、お願いします!」
俺は即答する。そりゃ説明してもらいたいよ…
『実はここは貴方の暮らしていた地球ではありません』
それは分かります。どう見ても地球じゃないですモン、ここ…
『ここは私が管理している世界で名前を-カリノーアル-と言います』
ほぉ…
『貴方の住んでいた地球とは下位互換の世界となります。』
下位互換?って事は地球より文明レベルが低いってことかな?
『はい…そうなります』
あれ?俺、今…声出してなかったよね?
『はい、貴方の心の声くらいは聞こえます…』
おぅふ…マジか…
『説明を続けてもよろしいでしょうか?』
「はい、お願いします…」
『実はこのカリノーアルは今危機に瀕しているのです…』
危機?なんかイヤな予感しかしないんだが…
『カリノーアルは今、魔素が飽和状態なんです』
魔素?なんじゃそりゃ…
『魔素と言うのは、このカリノーアルに存在している魔法の素とも言えるもので…』
魔法!?この世界魔法があるの?
オォウイェ!イッツ、ファンタジー!
『説明を続けても?』
あ、はい…すみません…お願いします。
『で、その飽和した魔素を貴方の住む地球の神である先輩に頼んで魔素を地球に流していたんですが…』
ん?魔素を地球に流す?
『魔素を通す穴は地球中に分散して開けていました。』
またずいぶんと壮大な…
『全部合わせたら南極大陸くらいの大きさになります』
思った以上にデカかった…
『魔素は地球では全くの無害なんです。地球の環境にも何も影響はなく溶けてなくなるのです
それで先輩の許可を得て年に1回、3日間開けっ放しにして魔素を地球に送り込んでいたのです』
ほぅほぅ…って事は俺、その穴を通れば帰れるんじゃね?
『すみません、この穴…一方通行なんです…』
ですよね~?分かってたけどとりあえず聞いてみたよ。
『いつもはちゃんと誰も穴に落ちないように見張っているのですが…』
…うん。
『ネット小説の異世界転生モノを読んでたら、つい…』
アンタもかよっ!
『本当にすみません…まさかちゃんとカラーコーン囲ってる所にそのまま落ちる人がいるなんて…』
うん、そこは俺も悪かったからなんとも言えないんだけどさ…
『そして陸さんには大変申し訳ないのですが、このままカリノーアルで生きて頂く事になります…』
仕方ないよな…でもあれ?そうなると地球での俺って…
『はい、こちらに来た時点で貴方と言う存在は最初からなかった事になります』
あ、ご都合展開か…って事はこの後の展開は…
『はい、お察しの通り貴方にスキルを授けたいと思います』
キターーーーッ!
『でもその前に、カリノーアルについてお話しさせて下さい』
あ、はい…
『カリノーアルは、基本的には地球と変わりません』
「と言いますと?」
『1年は365日ですし、1日は24時間です。』
「なんかアレですね…ご都合主義と言うか…」
『まぁ、地球の下位互換の世界なのでそう言う事にしておいて下さい』
「分かりました」
『そして文明のレベルは地球で言うところの中世ヨーロッパくらいですね』
「世界史そんなに強くないんですけど…」
『ネット小説の異世界モノの良くある設定と思って下さい』
分かりやすかった…
『種族ですが基本的には、人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族、魔族、この5種族です』
エルフいるんだ~、やっぱ耳は長いのかな?
『そこら辺はご自分の目で見て確かめて下さい。』
ん?基本的?
『あと各種族のハーフがいます』
そこら辺も鉄板な感じだな…
『あ、あと世界征服を企んでいる悪の魔王とかはいないので安心して下さい』
お、安全な世界だな…
『でも戦争を仕掛けて大儲けしようとか、世界を統一しようとか考えてる国はあります』
あるんかいっ!
『あと先程も申しましたが、魔法があります』
ィエスッ!
『…続き、いいですか?』
「はい…」
そんな残念な人を見るような目で見ないでほしいな…同類だろ?神様…
『あと魔物が存在します』
ナ、ナンダッテー!
『魔物にはランクがあってこの様になってます』
SS>S>A>B>C>D>E>F
おおっ、空中に文字が浮かび上がった!これ、魔法か?
『貴方が現在居るエリアルの聖樹の辺りはEランクまでの魔物しかいないので
そこまでの危険はないはずです』
あれ?神様?さっきの俺の問いはスルーですか?
『ですが魔物と戦ったり、襲われたり、致死量の血を流したりして相応のダメージを受けたりすると
当然ですが死にますのでお気をつけ下さい』
全然安全じゃね~!
お読み頂きありがとうございました。