三番
「さあ誰を選ぶの? 金緑さあ! さあ! さあ!」
「だもう! ムード台無しじゃねーか次はお前なのに……」
「やったホント! じゃあ来なさい!」
「何で構えてるんだよ!」
何故が構えをとる屏風にツッコむ。
「何って金緑、を落とすのよ! それなりの心構えでやらないと!」
『だってギャグっぽくしないと恥ずかしいんだもの私だって女の子よ』
全くこいつもこいつで困った奴だ。
「わかった! 分かった! いいからそのあほうけ咥えろ。どうせお前も俺とキスする気なんだろ?」
「もっちろん! 木下さんとのあれを見せつけられて我慢できる女の子じゃないもの!」
『むふふふ、ついに金緑との念願のベロチューが!』
全くノリがめんどくさい。
まあそういう奴だけども。
ため息を一つついて屏風の咥えたあほうけを齧る。
もう少し大人しければ十分美少女だというのに。
そんな残念感を抱きつつそのまま屏風の咥えたあほうけを食べ進める。
そうなると木下や豊穣と同じく視線が合う。
ほんおり紅がさした頬はさらに赤くなり、肌のきめ細やかさまで見て取れる。
木下の時には気づかなかったが女性の肌って綺麗なんだなと改めて気付いた。
女性は肌に特に気を使うというけど。
屏風も年頃の女の子なんだな。
ふざけてさえいなければこんなに可愛くて魅力的だというのに。
でもそんなことを言ったモノなら調子に乗るのは目に見えているのでいえないがな。
気付けばもうあほうけはほとんどない。
ゆっくり齧ったつもりなんだけどな。
もう少しで唇にふれる所で屏風が動いた。
「えい!」
屏風が俺の口に自身の口を押し付けた。
想定していないわけではない。
でも予想外に柔らかい屏風の唇の感触に驚いて、思考は一瞬停止する。
次に屏風の暖かい舌が口内に侵入してくる。
その刺激で我に返ると屏風と目があった。
俺と目があったことを確認すると、目を笑みの形に取り目をつぶった。
つられて俺も瞳を閉じる。
屏風は俺の舌に自身の舌を絡まらめ口を吸ってくる。
俺の口内の唾液は湧き出した端から屏風の口内へ。
屏風はそれにご満悦なのか、うっとりとしたような恍惚な心の声が伝わってくる。
屏風の舌は木下より少し硬いが、舌を絡めていると木下の時とは違う気持ちよさがある。
屏風は俺の舌を回転するように絡め、時に逆回転。
絡める舌の力も緩急をつけて俺を飽きさせない。
木下がマーキングなら屏風は求愛。
必死になって俺を自身のものにしようとしていると感じた。
屏風は木下より舌使いが上手くて、唾液は木下と同じく無味だが屏風の唾液が潤滑液となって、舌同士の滑りを良くしているのがぬるぬるして、舌全体で屏風の少し熱い舌の熱を感じられるのが気持ちいい。
「ぷは! もう限界……」
屏風が唐突に唇を離した。
俺は目を開けて屏風の唇を名残惜しく見つめた。
次に屏風に目を合わせるとろとんとした表情で。
「ちょっと金緑! 貴方の唾液凄く甘くて美味しいわよ! どうなってるの? それに凄く気持ちいいし……全く最初にキスしたとき舌を入れとけばよかったわ!」
「そう……なん……で……す……金緑……君……の……唾液……甘くて……美味し……です」
「凄かった……あと少しキスしていたらエロエロ展開に突入するところだったわ」
「ゲロ! 口汁が甘いなんて流石虫ね!」
『うううう、羨ましいよ! 私だって浅井君の甘い唾液味わいたい!』
「増々興味がわきました後二人です! 私ですか? 先生ですか? 今度はしっかり味わいますから!」
「当然大人の魅力で僕だよね!」




