締め
「って何やってるのよ! 二人共! こういう美味しい所は屏風風花ちゃんの物! と言いたいけど……まあいいわ。今回は金緑が元気そうで何よりだわ」
『全くあれだけ傷心していたくせに、だから譲ってやるわ。だからって変な事しちゃだめよ金緑って聞こえるわけないけど』
ばっちし聞こえているぞ。
まぁいいか。
「屏風お前も助けにきてくれたのか、木下は?」
「今回は締めに出てくる予定よ!」
締め? よくわからないが、木下の事だ、期待を裏切らないだろう。
「そうか、ありがとな皆!」
「そういう事で久しぶりの熱いキッスを要求するわ!」
「なんでそうなる!」
こいつのノリ変わらないな。
「えぇーお姫様を教出したらキスってのは定番じゃない!」
「それ立場逆だからな!」
確かに今回俺は教出されるお姫様ポジだけど。
最愛の旦那を教出したアマゾネスじゃないんだから。
「同じようなもんじゃない! キッス! キッス! キース! ――」
キス、キスと一人コールし始める屏風。
仕方ねえな全く。
「だーもううるさい! 後で三人ともしてやるから!」
「了解! でっそれでいつまで抱き合ってるつもり?」
「ゲロ! そうね!」
『少し残念だけど。また機会はあるよね』
豊穣が俺の腰から手を離す。
豊穣の暖かい体温が感じられなくなて少し寂しいのは内緒だ。
屏風がうるさいだろしな。
「さてどうなるらしらね! 非戦闘員ばかりだけど、この数が襲い掛かってきたら花園さんとU子さんでも私達を守り切るのは難しいかもね! そんな気概がこの面々にあったらだけど!」
花園さんとU子が守りきる?
二人ってアシスタントだろ……多分。
戦闘スキル持ちって木下お前の交友関係どうなってんだ……。
「ゲロ! 大丈夫よ! 二人が来ればこの程度の数」
「まあそうね二人共とんでもなく強いモノね!」
「二人共大丈夫?」
花園さんがいつも間にか現れ俺たちに声をかけた。
「遅かったじゃないですか花園さんU子さんもう金緑を奪還しましたよ」
「ごめんごめんU子がはしゃいで写真撮りまくってね! 引っ張ってくるのに時間が少しかかちゃった」
「最大級のデカ○○~~画像ゲット! 妄想が広まる!」
外の奴らも可哀そうに一体どんな辱めを受けたのだろうか。
そしてこれだけの規模の金持ちの警備を全滅させるってこの二人何者だよ。
木下に合ったら問い詰めねば。
「さてこの会場にお集まりの皆さん。貴方達が金緑君をそう簡単にあきらめない事は承知の上です。我らの先生から皆様にお話があります」
そう花園さんは会場中に届く声で意思を伝えると、背のリュックからノートPCを取り出し画面を開いて胸元に上げた。
PCはすでに起動していてKとでかでかと画面に書いてあった。
木下だからKか結構シンプルだ。
何か、名前を書いたら書いた人間が死ぬノートで同じようなシーン見たな。
そのPCから声する機械で変声しているせいで誰とは特定できないが、何故か木下と分かったのが不思議だが。
多分事前に用意したものだろう。
普通に話すとまどろっこしいとでもい思って入りうのだろうが、俺は結構木下の表のただたどしい口調好きなんだけど。
そしてこれが屏風の言う木下の締めの一撃なのだろうか。
【さて皆様この度は浅井金緑君を奪還させてもらいます。しかし、それでは皆さんの気が収まらないでしょから、そこでお願いという名の脅迫をさせていただきます】




