乱入者は誰だ
しまったこれ打つ手が……
「みな様此度はこの披露宴に起こし頂誠あとうございます」
豪華な料理が並べられた皿の置かれたテーブルと、近づけば服の品質を示す布擦れ音が聞こえてきそうな服を纏った男女がひしめく豪華で広い会場の壇上にすわる俺たち、俺たちの格好は白のスーツに同色のウエディングドレス司会役の見なれてた老紳士――田中さんというらしいの進行で俺たちの結婚披露宴が始まってしまった。
「ここにお集まり頂いた九条一族の血を受け継ぐ方々であれば当然ご存じでしょうが、ここにおられる響お嬢様は実に数十年ぶりに現れた栄発病者であり、響お嬢様のお隣の殿方が今回九条院一族に加わる事となる幸運な御仁、浅井金緑殿でざいます」
田中さんの言葉を聞きつつ、もう一度視線をを飛ばしそれを確認した。
これ詰んでんじゃ……。
同じ考えを何度も繰り返す。
「金緑殿が晴れて我が九条院一族に加わり栄が我ら一族の支配下になれば、栄えある九条院一族はさらなる発展を果たしましょう」
パチパチと拍手が沸き起こる。
「金緑さん幸せに絶対します」
「それでも俺は――」
拍手の中陰りのある笑みを浮かべ九条院さんが俺の手をぎゅっと握る。
俺たちの手には手錠が掛けてあった。
鎖の次は透明な素材で作られた手錠か。
これなら近寄らないとつけてるかわからないしないし逃げられない。
どうするよ。
これ完全に詰んでんじゃん。
本気で俺を手に入れる気がムンムンだ。
確かに心を読める力なんてあれば腐るほど使い道はあるけど。
「では主賓である響お嬢様皆様に言葉を」
「ここに集まった九条院一族のの血を持つ皆さまこのたび婚姻を遂げる九条院響です。そしてこちらが私の夫金緑。これから私は栄の力を持つ者の使命に従いさらなる九条院一族の発展に尽力していきます」
「素晴らしい言葉をありがとうございました」
パチパチと再度拍手が沸き起こる。
会場に集まっている男女の年齢は高めで多くの人は子供が一人か二人いそう年齢層だ。
若い人間がほとんどい居ない。
このツッコミどころの多い結婚披露宴を暗黙のうちに納得してくれる年齢層でまとめてきたか。
この場で俺が騒いでも猿ぐつわでもつけて黙らせても何も言いそうにない面々だ。
まぁ勝手な想像だけど光景がありあり浮かぶ。
どうする俺は手錠プラス監視付き逃亡の隙は皆無。
この会場の警備だってばっちりだろう。
俺の力じゃどうにもならない――詰んだなこれ。
「金緑さん私を愛してとは言いません……ただ貴方を幸せにします。金緑さんが私を嫌っても私は金緑さんが大好きです」
九条院さんはさらに力強く俺の手を握る。
正直不安だらけであるが、九条院さんの手が暖かくてそれが少しだけ安心できた。
「では九条院一族の繁栄を祈って乾杯とさせてもらいましょう」
次々にあがるワイングラス。
この中身もきっととんでもない高級酒なんだろうな。
そんなことを考え諦めかけ僅かばかりに現実逃避をした瞬間だった。
「その結婚待った!!!」




