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俺の毒舌幼なじみの心の声が甘々の件について  作者: 師失人 
その三~フルフェイスの転校生~
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ネクタイイン

「でっなんの話だったのかしら糞虫!」


 「全く豊穣お前……まぁいつものことか」


 教室に帰るなり浴びせられた豊穣の毒を噛み締めため息一つ。

 いくら浴び慣れたモノとは言え、毒を浴びるというモノはしんどい物だ。

 心の声の甘々スイーツ状態が救いだが、今はない残念! 後続に期待である。

 次に口を開いたのは木下だ。


 「私……も……知り……たい……です」


 「よくわからんしきりに謝って、俺を幸せにするとかなんとか」


 「なによそれ! 金緑を幸せにするのは私よ! 私を幸せでも可!」


 「それ……は……私……です! ……です……よね……浅井君?」


 『全く屏風の野郎! 俺の辿る道はイチャコララブラブ新婚ルートだつーの! 言ってやれ金緑!』


 普通に言えるか! 無茶ぶりだっつーの! とつー心で返すが俺にしかわからないため僅かな虚無感、一人相撲とはこの事だ。


 「ゲロ! 盛りがついているわね! さすが雌ブタ!」


 『こういう時正直になれたらな……浅井君に向かって大好きって言ったらどんな顔するんだろ? こんなめんどくさい子でごめんね……』


 全く豊穣の気持ちはわかっているが、その気づかい表に反映させてもらえませんかね?

 と俺も豊穣に言えないわけだからお相子だな。


 「まぁ九条院さんの悩みは、根深いみたいだからじっくりいく」


 「ゲロ! そう!」


 『うんそうだね! 浅井君ならきっとできるよ! 浅井君すっごく優しくてカッコいいもん!』


 「お人よしすぎない金緑? 九条院さんは悪い子じゃないけど、いろいろと抱えてそうよ?」


 「その……とうり……です……危険……な……臭い……が……しま……す……これを」


 制服のポケットをまさぐり木下は何かを取り出した。

 差し出した手にのるそれをまじまじと見つめる。


 「これって……」


 「特製……ネクタイ……ピン……です……学校……の……物……に……限り……なく……似せて……あり……ます」


 特製ということは、何か機能があるのかもしれないな。

 つまんでじっくり見てみたがどこをどうみても学校の物と同じに見える。

 ネクタイにつけている本物と見比べてみたが違いが分からない。


 「木下これってどんな機能がついているんだ?」


 「それ……は……秘密……です……とりあえず……つけて……くだ……さい……できれ……ば……毎日……万が一……の……用心……の……ため……です」


 『つべこべいわずつけりゃいいんだよ! 男だろ!』


 強引だが、木下先生の事だなにか考えがあるのだろう。

 俺は黙ってつけるのみ。

 ささっとネクタイピンを交換する。


 「木下さん、そのネクタイピンのこと後で、私たちにも教えてね!」


 「ゲロ! そうね!」


 「もち……ろん……です」


 「それに俺は含まれないのか?」


 「最悪……の……ケース……を……考え……た……上……です……浅井君……は……知ら……ない……方……が……いい……と……判断……します」


 「そういうものか?」


 「私……の……予感……が……正しい……なら……相手……は……その……道……の……プロ……の……可能性……が……高い……です……プロ……相手……なら……向う……が……知れる……情報……は……少ない……方……が……いいか……と」


 大げさすぎる気はするが、木下の前髪隠された視線は痛い程真剣に感じ得る。

 こいつって前髪で目を隠しているけど目力? が凄い強いんだよな。

 だからついつい木下の意見はすんなり受け入れてしまう。


 「まあ問題なんて滅多に起こらないから、気にしすぎじゃないのか?」

 

 「「「…………」」」


 「な……何だお前らその目は?」


 じっととした湿り気を帯びた視線に思わず口が開くが三人の意見は同じだった。


 「フラグね」


 「ゲロ! もろ出しフラグね」


 『浅井君……物凄く何か起きそうな気がするよ……』


 「フラグ……です……ね」


 『おめぇ……これ確定で何か起こるぞ絶対』

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