3日後
「響お嬢さま早急にお耳に入れたいお話が……」
運転席の老紳士はそう語り掛ける。
「まさか期限が……」
「そのとうりでございます。決行は三日後とのこと」
「何故です? まだ時間があるはずではなかったのです!」
「九条院一族と深い繋がりのある方の要求との事です。どうやら情報がもれていたようですな」
「覆すことは……」
「おそらく無理であるかと七日という猶予も最大級の物ですが、先方の要求となれば……」
「……分かりました。ただ穏便にお願いします」
「心得ております。すでに各班に伝達済みであり違反者には罰則をもうけております」
「もう少しこの生活を――いえ止めましょう。もうきっと戻れないのですから」
響ゆっくり眼を閉じ味わうように言葉の続きを出す。
振り返れば楽しいと感じた日々はもう過ぎ去った。
響の目は決められた未来を見ていた。
それでも響は幸せにならなければいけない彼と共に、それが響のできる彼を奪ってしまった彼女からへの響ができる贖罪と信じて。
作戦決行は今日から三日後。
二月二十日くしくも響の生まれた日である。
今日からこの章が終わるまで毎日更新予定。
無口っ子のほうは二日に一度ペースやで
やっぱり受けがいいほうに集中すべきか・・・・・




