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俺の毒舌幼なじみの心の声が甘々の件について  作者: 師失人 
その三~フルフェイスの転校生~
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予告エプロン

花さんの自宅から俺の家に移動した俺たち。

 ちなみに九条院さんは迎えにきた黒の高級車に乗って帰っていった。

 また習い事なのだろう。

 大変だな九条院さんも、そんな九条院さんと引き換えこいつらは。


 「先生……裸……エプロン……で……した……ね」


 「ゲロ……そうね」


 「確かに……」


 「どうしたんだお前ら一体?」


 何故かはわからないが延々と裸エプロンについて反芻(はんすう)する三人。

 いつもと違い静かな三人に声をかけた。


 「何って裸エプロンよ! ファースト裸エプロンは屏風風花ちゃんが貰うつもりだったに! 先生に先越された!」


 「なんだよ! ファースト裸エプロンって!」


 「何っては初めては何でもかんでもファーストつける物よ! よく言うじゃないファ――スト結婚式! ファーストウエディングドレス! ファースト出産ってね!」


 「全部聞いた事ねーよ! ただのお前のしたい事じゃねーか!」


 「そりゃそうよ! 乙女は出来れば一人の異性と末永く幸せによ! そっちの方が幸せでいい話だからね!」


 「分かり……ます……私……も……同意見……です」


 『そりゃそうだ誰だって体験するならハッピーエンドだぜ! お前もだろ金緑!』


 「ゲロ! ゲロ!」


 チラリと俺を見る豊穣。


 『そうだね私も同じ意見だよ! 私も浅井君と末永く一緒にいたいもん! でも口では言えないんだよね……この気持ちを浅井君ぶつけたいのに……』


 「そんなわけだからやるわよ! 裸エプロン!」


 「屏風よ……そういうものはサプライズ的にやる物じゃないのか?」


 「た……確かにサプライズという手あったわ! まあいいわ! 今じゃないけどやるわよ裸エプロン! まだお料理に自信がないから保留していたけど満開先生には負けられないわ!」


 実際の所花さんの料理は壊滅的だけど。

 あえて言わなかった。

 ご馳走してくれるなら旨い方が断然いい。

 花さんの料理苦くて酸っぱくて臭いんだような……。


 「私……も……参戦……しま……す!」


 『当然俺もだぜ! 金緑! 胃袋がっちりアームロックだぜ!』


 それ物理的じゃないのか?

 まぁ木下の料理も旨いから期待できるが。

 そういや豊穣がさっきから静かなような気が、豊穣を見つめた。

 

 「……………………」


 「どうした豊穣?」


 「なんでもないわ」

 

 『いいな二人とも私も参戦したいけど声が出ないなんでなんだろう? こんなに浅井君が大好きなのに……』


 「豊穣ももちろん参戦するわよね?」


 屏風が助け舟を出した。

 ナイスだ屏風見直したぜ。


 「ゲロ! 仕方ないわね! そこまで言いうなら!」


 「全く素直じゃないんだから。これじゃ協定の後も苦労しそうね」


 「屏風……さん……それ……は……浅井君……のまえ……では……控える……約束……です」


 「そうだったわね! これは最後まで取っておかないといけないモノだしね!」


 「ゲロ! そうね! これは糞虫には秘密ね!」


 「そういわれると凄い気になるのだが……」


 「いいの! 金緑は私たちの中から一番を選べばいいのよ! 協定の詳細はその後よ!」


 『言っとくが金緑、心の声で俺たちの協定を探ろうとしても無駄だぜ! こいつらの考えることぐらい簡単に見抜けるからな! すぐに話題を変えるだけだぜ!』


 流石木下先生観察眼も一流のようだ。


 「分かったよ! でっお前らどうする今日泊ってくか?」


 「今日は料理の練習したいから帰るわ、豊穣フライング裸エプロンは禁止よ! コスプレは可!」


 「ゲロ! 了解よ! 雌ブタ二号!」


 フライング裸エプロンという、よくわからない単語を放つ屏風に何故か手首を側頭部につけて敬礼する豊穣。


 「あんたさっさと普通に私たちの名前言える様になりなさいよ! 全くもー」


 「私……も……仕事……が……あり……ます……の……で……失礼……しま……す」


 『裸エプロンはのちほどだ! 俺のセクシーさでお前をメロメロだぜ!』


 そうして二人は玄関を出た。

 奇妙な沈黙が訪れる。

 それも仕方ない事だ予告裸エプロンに参加を表明した直後の女性と二人残され、どう接するかなんて俺にはわからん。

 …………………………………………。

 沈黙に耐えかね俺から口を開いた。


 「夕飯でも食うか、白菜と豚肉があったから鍋だな」


 「ゲロ! そうね!」


 『うん! わかった浅井君の為にできるだけ美味しいの作るね』

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