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俺の毒舌幼なじみの心の声が甘々の件について  作者: 師失人 
その三~フルフェイスの転校生~
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お礼

それから暫くするとクッキーさんが読んだ清掃業者がきて、早急に花さんの汚部屋の清掃を開始。

 たった二人ではあるが流石クッキーさんが呼んだ業者凄い有能だった。

 機敏な動きで、ゴミといる物を分け花さんと俺はその確認、あれだけあったゴミがたった二時間で見事に綺麗になった。

 もちろんゴミは大量にでたがほとんどがお菓子の袋であったため、ゴミの量から考えれば少ないと言える形に収まった。

 折りたたんで詰めているだけに見えたがこれがプロの仕事かと驚いた。

 幸いな事に生ごみと食べ残しはお菓子ばかりであったためゴミの山の奥から異臭を放つ物体Xがこんにちわというイベントはなかった。

 花さんお菓子ばかり食べているだな。

 実家暮らしの時も、おばさんに注意されていたど。

 重度の偏食は治るどころか悪化しているようだ。

 まじでだれか貰てあげて。

 まぁそんなこと言おうものなら「君が貰うんだよ!」とでもいいだして俺の貞操が危うい。

 そんな葛藤がありつつ業者の人の提示した料金を確認すると僅か一万円ごみの処分費込み。

 驚きの安さである。

 後で調べたがあの状況から考えてかなりの破格だ。

 クッキーさんの紹介という事でかなり安くなっているようだけど。

 まじで木下の知人たちって一体何者なんだ?

 そんなわけで全てが終わって帰るだけののだが。


 「金緑君ありがとね! 流石僕の王子様だよ! お礼がしたいから明日夜七時十分前にここにきてね! なーに母さんが来るのはもう少し後さ!」


 などと言ってきた。


 「分かりましたけど変なのはいやですよ?」


 「大丈夫さ! 幸せ家族計画さ!」


 「幸せ家族計画? もの凄く心配なんですが?」


 「大丈夫さ! きっと君にも僕にも損はない事柄さ!」


 まぁいくらは花さんでもお礼に変な事はしないか。


 「分かりましたよ! あいつらを連れてきていいんですか?」


 「それは困るな! 一人で来てくれないと!」


 「まじでお礼なんですよね?」


 「もちろんさ! そろそろ僕もこの事柄に介入しないとね!」


 ◇


 「という事があってな」


 「それ……は……怪しい……です」


 あれから家に帰ると豊穣がリビングの椅子に座りながら突っ伏して寝ていた。

 テーブルには夕食らしき料理と書置きある。

 屏風は私を大事にしなさい! の一言。

 木下は連絡求む! と小さな可愛らしい字で書いてあった。

 木下に隠し事は通用しないのでそのまま包み隠さす打ちあけたわけだ。


 「満開……先生……が……浅井君……に……熱視線……を……送って……いる……のは……分かっ……て……いま……し……たが……新たな……ライバル……出現……ですね」


 「そうなのか?」


 『あそこまで露骨だったのに気づかないのかおめー、安定のラノベ主人公だなおい』


 「後それより、豊穣だけが書置きしてないんだがどうしたんだ?」


 「それ……は」


 『料理に想いを込めるって所だろ、言わなくてもバレバレだったぜ』


 想いかベタだけど嬉しいな。

 考えてみれば事あるごとに俺に料理を振るまってきたのは、豊穣なりの好意の意思表示だったのだろう。

 一言も口に出さなかったからわからなかったが、全てを知った今考えると少しこっぱずかしい。


 「だから明日はおとなしく帰れよ?」


 「分か……り……まし……た」


 「やけに素直だなおい」


 『分かってるんだろ?』


 やけに素直だと思ったがそういうことが、そりゃ木下の性格じゃな。


 「分かったついてきてもいいが、乱入は止めてくれよ……」


 「ありが……とう……ござい……ます」


 『ふふん! 俺の嫁らしく俺の事が分かってきたじゃねーか!』


 「まぁ普通に言ってもお前らついてくるだろ?」


 「は……い」


 『当然だろ!』


 「だとしても様子見だけにしてくれよ? 厄介事はごめんだからな」


 「多分……大丈夫……です」


 「ううん」と豊穣が言葉を漏らした。

 このまま放置も可哀そうか。


 「悪い木下豊穣が起きそうだから切るわ。腹も減ったし」


 「分かり……まし……た……でも……私……の……手料理……も……いつか……食べて……くださ……い」


 「ああ分かった!」


 「糞虫……?」


 電話を切る寸前豊穣が目を覚ました。


 『浅井君?』


 「ようこの料理食っちまっていいんだろ?」

 

 「勝手にしなさい糞虫」


 『もちろん! 大好きな浅井君への想いをたっぷり詰めたよ! 食べて食べて!』


 「で今日の料理はなんだ?」


 「ゲロそうね――」


 『愛情たっぷりラブラブ煮込み――』


 それはまた甘そうなことで。

 その日の豊穣の手料理も絶品だった。

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