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俺の毒舌幼なじみの心の声が甘々の件について  作者: 師失人 
その三~フルフェイスの転校生~
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軟弱も優しさの一つかも

「まあいいです。私たちは運命で結ばれているですから、本当に金緑さんは紳士ですね。私にこんなに密着されて男の人として部分を一切出さないのですから、草食系とは違いちゃんと意識しているはずですが本当に素敵な方です」


 そういって俺の膝を開放する九条院さん。


 「ゲロ! だって糞虫だもの!」


 「そこ……が……浅井……君……の……いい……所……の……一つ……です」


 「当たり前じゃない! 他の男だったらとっくの昔にエロエロルートに移行済みよ! 何だかんだで一切私たちの体に手を出してないんだか! 巷の男のように血気盛な性欲の権化とは違うモノ!」


 「なるほど、金緑さんは調査どうり清い体という事ですか! 結婚初夜が楽しみです!」


 「なんでメット野郎を糞虫が選ぶ流れになているのよ!」


 「豊穣さん素直になれない自分――」


 「黙りなさい! メット野郎!」


 そういって豊穣は九条院さんの口を塞ぐ。

 しかし、普段から豊穣の心の声は筒抜けなので、心の声を聞かなくても大体分かる。

 本当に素直じゃないよな豊穣は。


 「何言ってるのよ! 金緑の初めてを貰うのはこの屏風風花ちゃんよ!」


 「私……で……す」


 「雌ブタ一号二号糞虫の飼育権は私の物よ!」


 「いえ! 運命に導かれた私のそうどりです!」


 全くこいつら九条院さんに触発されすぎだろ。

 ちゃんと約束は守るつーのに。

 九条院さんには悪いが、そう決めているそれを口にだせない俺も悪いか。 

 いずれはっきり言わないとな。

 

 「まぁそれは置いておいて帰ろうぜ皆」


 「だめ……で……す! ……浅井……君……選んで……くださ……い」


 『選べ金緑! 俺が一番だってな!』


 選ぶってこの場でか。


 「そうよ! 少し早めだけど選びなさい!

 そうしたら今後の予定が立てやすいし!」


 『三人で話しあった協定もいいけど出来れば好きな人の一番になりたいし!』


 「ゲロ! いいわよ!」


 『私が一番だといいな……こんなひどい私が願っちゃいけない事だろうけど……』


 「いいでしょう! 私たちの運命で結ばれた絆を見せてあげます!」


 何故か自信満々の九条院さん。

 そして我先にという眼差しを俺に送ってくる三人……選べというのか……。

 とりあえず考えた。

 まず豊穣、抜群の見かけと俺にベタ惚れで甘々な本心、料理が凄く旨くてさらに幼なじみの魅力がある。

 木下、小さくて可愛い、巨乳、売れっ子漫画家でお金持ち、本心が男前が魅力的。

 次に屏風、二人には劣るが可愛いい、いつも元気で裏表がない、天然で健康的魅力がある。

 最後に九条院さん。超がつくお金持ち豊穣に匹敵する美貌と金髪病的白いシミ一つない肌は異国感漂う魅力がある。

 うん皆一癖あるが魅力的だ。

 それを選べというのか……。

 考えに考えた誰を取るべきか。

 誰をとっても幸せな光景しか浮かばないというのは幸福なのだろうか。

 でもそれだと誰かが悲しむってことだよな?

 それを考えると途端思考は鈍りだす。

 いっそ四人ともいや無理だな。

 恋愛事に全て丸く収まる結果は稀有な事だそうなればいいと誰しもが願ってもそうはならない。

 世間体やらいろいろあるし、世間の目だって厳しいそれが俺だけならともかく、あいつらに向けられると思うと、俺の精神はハレームエンドを否定する。

 俺は少しばかり軟弱なんだろうか。

 だが優しさを軟弱というなら甘んじてそれを受けよう。

 これが今の俺の選択だ。


 「悪い急用だ! というわけださいなら!」


 俺は選べず鞄を抱えて脱兎のごとく逃げ出した。


 「ゲロ! 糞虫!」


 「ちょ……金緑!」


 「浅井……君」


 「金緑さん!」


 四人が何か言いたげだが、すまん! 今の俺には誰か一人を選べん!

 そうして教室を駆けだす俺だった。

主人公はハーレムエンドを否定していますが、

ヒロインは・・・・・・ラストに明かします。

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