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選びなさい

あれからいろいろあった。

 豊穣を無事家に送り届けて、テレビをつけてみれば全道の悪事ことで大騒ぎになっていた。

 木下の仕業だろうが、いい気味だ。

 軽く聞いてもドン引きしてしまうレベルで、拉致監禁、拷問、薬物投与、麻薬の使用等々でるわでるわ。

 しかも行為をスマホで大量に撮影していたようで実に下種な言葉を放つ動画が取り上げられていた。

 さきほどの黒服の男は全土お抱えの何でも屋で、警察が追っているようだがまだ捕まっていないらしい。

 木下に聞いてみると海外に逃亡したそうだ。

 それに協力するのが全道を裏切る条件だったらしい。

 まぁこれれだけ証拠があれば全道も暫くは表に出てこないだろう。

 全道が木下と九条院さんの圧力をいくら受けてもへっちゃらだったのは、全道が父親の会社と切り離された状態だったからだそうだ。

 全道の父親も全道に連絡を取ろうとしていたようだが、着信拒否をしていて。

 そしてあの顛末だ。

 それより気になるのは皆がやけに浮足立っている事だ。

 わくわくとかどきどきとかいう古臭い感じに、それに何故か皆熱っぽい。

 その日は学校という気分でもないので、皆でずる休みをしてしまう事にして解散。

 豊穣の家に俺は泊まる事にした。

 さっきまであんな目に会っていたのだ労わってやらないと。

 そして次の日。


 朝起きるとリビングにみんなが揃っていた。

 何故か正座で花さんの姿も見える。

 今日は祝日で休みだがどうしたんだろうか。


 「やっと起きたね! 浅井君」


 「豊穣か、でどうしたんだ皆正座なんかして?」


 「じつわね……浅井君……」


 豊穣は真っ赤になってうつむいてしまった。


 「全くだから言ったのに、じゃあ私屏風ちゃんから言うわ! 金緑貴方には私達に中で一番を選んでもらうのよ!」


 「まて屏風さっぱりなんだが……」


 「いいから選びなさい! 私たちは相談して決めてたの! 豊穣が素直になった日か、高校卒業の日に私達の中で一番を選んでもらうってね!」


 「そう……いう……事……です……金緑……君」


 「そういう事です! 私も一番ねらってますから!」


 「当然僕もさ!」


 なにそれ一切聞いてないんだが……いつののことか選べというなら選ぶ選択肢しか与えてくれないのは目に見えてる。


 「さあ選びなさい! 浅井金緑! 貴方にとっての一番を――豊穣? 木下さん? 私? 九条院さん? 満開先生?」


 やけに急だな。

 何を急いでいるかは知らんが。

 皆が皆不安と期待の入り混じった目で俺を見てくる。

 その視線の熱はとても暖かくてこうも純粋な好意は気恥ずかしいモノなのか。

 誰を選ぶか……豊穣の毒なしの好意は嬉しいし、木下の表と裏のギャップも捨てがたい。

 竹を割ったような裏表のない屏風も可愛いし、九条院さんの気品あふれる立ち振る舞いも魅力的。

 花さんはなんというかダメダメすぎて支えて上げないといけなく思えてしまう。

 俺はゆっくり目を瞑って考えた。


 「俺が選ぶのは――」

午後1時に最終話投稿

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