あっさり
何言ってんだこいつ?
困惑の表情を浮かべているだろう俺に全道はニヤリと口元を緩める。
「言った通りさ! さあ退室してくれ!」
「何言ってるのよ! アンタが出ていきなさいよ!」
「そう……です……貴方……だけが……邪魔……もの……です!」
「お二人の言う通りです貴方こそが邪魔ものです!」
「ははは、何を言っているのさ! そんなわけないじゃないか! ねえ豊穣さん」
「マジでいい加減にしろ! 豊穣をこれ以上怖がらせるんじゃねえ!」
腕に違和感を感じた。
どうやら豊穣が俺の腕を強く掴んでいるらしい。
「大丈夫か?」
「ゲロ! 大丈夫よ……」
『怖い怖い怖い怖い怖い怖い』
大丈夫じゃないだろ全く。
「これだけ怯えている豊穣を見てどうも思わないのか? お前は」
「そういう表情もそそるね!」
「てめぇ!」
全道の豊穣をないがしろにした言葉に胸倉を掴む。
「落ち……着いて……ください……金緑……君……手……を……出し……たら……相手……の……思う……壺……です」
「魚……」
木下の言葉で出そうとした手を引っ込める。
確かにそうだ。
こんな奴の見え透いた挑発に乗ってやる必要はない。
「ちぇ! つまらないな! ここで手を出せば即騒ぎ立てて問題にしたってのに!」
「いい加減にしなさい!」
俺が何か言おうとする前に豊穣が吠えた。
今までにない程に豊穣の声に怒気がこもる。
「貴方みたいな男は願い下げよ! さっさと出ていきなさい! カス!」
そのまま流れる様に豊穣の右手は全道の頬へ直撃。
ベッチン! といい音を立てる。
でも足はプルプル震えている。
それを見て俺は二人に割って入りそのまま全道を睨みつけた。
「むふふふ、いい刺激だよ興奮してきた! じゃあ今日は豊穣さんの顔を立てて撤退しよう! 豊穣さんを手に入れるのはいつだってできるからね! 僕との初夜は熱い夜になるからね豊穣さん!」
そのままスタスタと出て行ってしまった。
帰り際に男性教師に何か囁いているのが見えた。
表情的に弱みでも握られているのかもしれない。
「マジでアイツ何なんだ一体?」
「ただのミドリムシよ本物のね!」
「まぁただの馬鹿じゃないの?」
「最低の殿方ですよ! これは徹底的にやる必要がありますね!」
「そう……ですね……地獄……を……見せて……上げま……しょう!」
「魚後で話があるんだがいいか?」
「いい……ですが……どの……ような……内容……ですか?」
「俺も一様準備して置こうと思ってな」
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