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愛されてる

「何だよやりすぎって?」


 「あらら本当に気づいてないの」


 「わざ……とでは……ないの……です……か? ……金緑……君」


 「ここにて鏡があるので」


 そういって九条院さんが差し出した手鏡を覗くと。


 「なんだこりゃ!?」


 「ゲロ! なにって雌ブタ一号に貰ったリップクリームの跡よ!」


 「だからってなお前これは流石に……」


 鏡に映るキスマークだらけの首元を見て、ため息。

 なんかいつもより視線を感じると思った理由はこれか。

 愛されているのは正直嬉しいがこれは目立ちすぎだ。


 「仕方ないちょっくら家に帰って落としてくる」


 「ゲロ駄目よ! 糞虫にはミドリムシから私を護衛する任務があるのよ!」


 豊穣は繋がった手の力を強める。


 「だからってなこれは流石に……」


 『私のキスマークは見られると恥ずかしいの?』


 くっこれで上目遣いでねだられたら落ちていたかもしれん。


 「と……なれば……これ……です……どうぞ……金緑……君」


 「なんだよ魚……これか仕方ない豊穣の事が心配だからな、これは後で休み時間にでも消すか」


 そうして木下の差し出した絆創膏をぺたぺたとはった鏡に映る首元は絆創膏で埋め尽くされ大けがを絆創膏で隠している気分だ。


 「まるで大けがね」


 「確か……に……そう……です」


 『まぁある意味大けがだからな』


 「となると、金緑さんを労わるナースが必要ですね! ナース服の用意しておかないと駄目ですね!」


 「何それ面白そう! さすがの金緑でもスーパー美少女屏風風花ちゃんのナース姿でメロメロね!」


 「私……も……参戦……します」


 『当然セクシーでエロエロな奴でだぜ!』


 「む、木下さん大胆です! でも負けません金緑さんの子供を産むのは私です!」


 「ゲロ! 当然私もよ!」


 『皆には負けないんだから!』


 「俺の意見は?」


 一様聞いてみた無論悪い意味ではない。


 「「「「嫌なの」」」」


 見事にハモった。

 さいですかいつもながら尻にひかれている感が半端ない。

 俺はこいつらには頭が上がりそうにはないな。

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