愛してるぜ
そして開票となるようだ。
まるでるつまらないうからあれからの事を割愛と言うなの省略したと気分だが、きっと気のせいだ。
つーか俺は何言ってんだ?
そんな電波はいいとしてヤバいのかもしれない。
全土の時はスマホのシャッター音がしていたが何故か俺の時は皆無だった。
それ以前に女子たちは無言完全に無言。
花さん木下、屏風、九条院さんまでだ。
そして肝心の豊穣まで俺をじっと見て無言心の声さえ聞こえてこない。
まさかと思うが俺ってアレなのか?
こんな奴に負けたというのか?
心配になって豊穣に視線を送る。
豊穣は目を反らした。
さらに木下に視線を送ると『ニヤニヤニヤ』という漫画みたいな擬音を送ってくる。
うむ意味がわからん。
他のメンバーにまでよくわからない否定的なモノをされたら流石の俺も心が折れかなないので、屏風、九条院さん、花さんに視線を飛ばすのを止めた。
「ふふ! これで豊穣さんは僕の物さ!」
全道のあまりの強気なセリフと俺の時の反応の薄さに言葉が出ない。
まさかこれで豊穣と……いやいや表の豊穣とまともに付き合えるのは俺ぐらいだ。
豊穣は俺がいないと駄目だし、それは俺も良く理解している。
豊穣が嫌いうならとっくの昔に縁を切るぐらいの毒は浴びてきた。
今はそれが本当の豊穣の言いたい言葉ではないことが分かって、豊穣へ好意という名の恋心が芽生えている。
でもあいつらも魅力的過ぎて同じぐらい好きだ。
そんな豊穣が他の男の元へ……駄目だ絶対俺の豊穣なのだから。
これが独占欲という奴のだろうか?
ずっと一緒にいたいという気持ちと豊穣に俺を愛してほしいというが合わさり、負けるわけにはいかないという気持ちがふつふつと沸き上がる。
次に言葉が自然と出た。
「俺の豊穣は渡さん! 勝負だ全道!」
「ふふふ、身の程知らずだね! さっさと運命に屈すればいいのに!」
「運命なんてどうでもいい! 俺は豊穣とずっと一緒にいたいだけだ!」
「全く豊穣さんは他の女の子に目移りしている金緑君のどこに好意を持ったのかわからないよ!」
その言葉に豊穣が立ち上がった。
その表情は無表情だが、明らかにこれは。
滅多に見ない豊穣の激昂した状態だ。
「豊穣さん! 僕の気持ちを受け入れてくれ――」
豊穣はおおきく振りかぶり。
スッパンと平手を打った。
「あなたみたいな勘違い野郎は願い下げよ! 糞虫を悪く言っていいのは私だけよ! 他人が悪くいうのは許さないんだから!」
「それでも約束は守ってくれるんだよね? 豊穣さん」
「貴方みたいな気持ち悪いだけの性格破綻者に私の浅井君が負けるわけないんだから!」
「お前俺の名前を全く素直じゃないんだから……ありがとう豊穣愛してるぜ! 勇気が出たぜ!」
「ゲロ! 糞虫! 調子に乗り過ぎ愛してるなんて――」
「ふふふこれが金緑君との別れになるんだから見逃して上げよう! 豊穣さんは今後僕だけの寵愛を享受するんだからね! さあ開票だ! 箱を開けてくれたまえ!」




