サイン色紙
「ありがとう木下さん! よっし! 金緑をキスマークだらけにするわよ!」
「私もです! 定番はやっぱり首ですね!」
「糞虫の飼い主として印をつけるわ!」
『私も私もキスマークか……大人の関係みたい早くやってみたいな』
はしゃぐ三人に。
「別にいいけど目立つ場所は控えてくれよ! 今朝みたいに胡散臭い奴に絡まれるのはめんどい!」
「確かにそうね! あいつ顔はそこそこだけど妙に芝居ががかっていちいちセリフがかみ合ってなかったわね。なんか一二昔前のアニメのキャラをトレースしたみたいな口調だったわ……」
「確かにそうですね。父の書斎でみた昔のアニメ作品の登場人物みたいな感じでしたね」
「ゲロ! 古臭すぎて吐き気が出たわ!」
「まぁ確かに俺から見ても明らかに演技に見えたからな」
「確かに……そう……です……現在の……漫画界……でも……やる人……が……いない……ぐらい……の……ベタな……感じで……したか……らね」
「流石木下さん漫画界にも知人がいるの?」
「まぁ……そんな……感じ……です」
まぁ木下の本職だし。
「そうなんですか? でしたらウッドフッシュ先生のサインを手に入れることができるのでしょうか?」
「ゲロ! メット野郎の権力を使えばいいんじゃないの?」
「それではダメです! やっぱりサイン色紙は私の名前を添えた特別製じゃないと! 他人のために書かれたものじゃなくて私のために書かれたサイン色紙が欲しいのです!」
「わかり……ました……誰の……絵……を……描いて……ほしい……ので……すか?」
「木下さん私も欲しい! 大丈夫かしら!」
「ゲロ! 私もよ!」
『実は私のウッドフッシュ先生のファンなの! あの映画のやつ書いてもらえるかな』
「分かり……ました……要望……を……書いて……メール……お願い……します……できる……だけ……早く……制作……するの……で」
「さすが木下さんあのウッドフッシュとマブダチなのね! 制作をせかすことができるなんて!」
「流石です木下さん! ウッドフッシュ先生は気分屋で気分が乗らないとお金や権力では動かないと一部では有名なのに……」
「ゲロ!」
『やっぱりすごいな木下さんは』
「それは……そう……です……だって……私が……」
「はーい! 皆美人教師満開花ちゃんの授業の時間ですよ!」




