要求
「それ……は……いい案……です……という……わけで……お願い……します……金緑……君」
『いい案だぜ! つーわけで俺をお姫様だこだ!』
「ずるいわよ! 木下さん私も立候補するわよ!」
「ゲロ! 当然最初は私よね? 糞虫!」
『あわわわわ……大好きな浅井君にお姫様抱っこ……凄いしたいよ……でも興奮しすぎて鼻血が出ちゃうかも……それでもやってみたい!』
「駄目です! ここは最初に言いだした私に優先権があります!」
「いや待てお前ら! いくら軽い女の子だと言ってもお姫抱っこで登校は無理だ俺の腕が持たん!」
「私達が重いとでもいうの? そんな物気合でカバーしなさい!」
「そうです……金緑……君……なら……出来ま……す!」
『駄目に決まってんだろ! 覚悟を決めやがれ男だろ!』
「そうよ! 虫の底意地を見せなさい!」
『駄目! 私もお姫様抱っこしてほしいの!』
「皆さんと同じ意見です! お姫様抱っこで登校憧れていたんです!」
こいつら無茶苦茶言いやがる。
お姫様抱っこって結構力いるんだぞ。
それでもこんな嬉々としてねだられた断れないじゃないか。
誰を選んでも尻にしかれそうだ。
「というわけよ! 誰をお姫様抱っこするの? 当然私よね!」
「いえ……私……ですよ……ね!」
『俺一択だろ! 金緑!』
「ゲロ! 私よね!」
『私だと嬉しいんだけど……浅井君駄目……かな?』
「私がいいです! ご迷惑でしょうか?」
いつの間にか俺を掴んでいた木下達は九条院さんを加え俺の前方に移動していた。
そしてそれぞれが期待の眼差しで俺を見つめる。
どうするかこれ。
逃げたらもっと面倒な要求をされるのは目に見えてるし。
はぁしかたねえか。
「わかったでも俺の体力が続く間だけだぞ!」




