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思い立ったが〇〇

二作目です。

一作目は各話が短いので、この作品は他の先生方と同じくらいの量を目指して書きたいと思います。


2015/09/06 誤字修正

2015/09/20 細かい言い回等修正

2015/09/23 段落関係修正

2015/10/03 文の書き方修正

「そうだ 異世界へ行こう!」


 とある世界のとある城に、まだ年若い少女の声で先程の言葉が響き渡った。

 この声の主は、レーランス=コルヴィ

 この世界の......


 




 頂点(トップ)である。






 彼女、レーランス=コルヴィは生まれながらにして人類の上限を超越するほどの膨大な魔力をその身に宿し、かつ、オリジナル魔法をバンバン量産出来る程の“天才”だ。

 彼女が生を受けたこの世界、“コルナリア”には、その時その時に、最大の魔力保有量を誇る十五歳以上の人物をコルナリアの頂点(トップ)に据える、という規則ルールが存在する。


 この規則ルールには欠点がある。

 それは......


「魔力保有量だけで頂点トップが決まってしまうこと」


 当たり前のことだ。

 だが、あえて言わせてもらいたい。


 コルナリアの政治・経済に容易に口出しが出来る存在が、もしも“馬鹿”だったとしたら、と予想してみよう。

 すぐに世界は滅びの時を迎える。

 そのようなことにならない為に打ち出された新たな規則ルール、それが


「もう頂点(お前ら)政治とか出来ないんだから部下に任せとけ」


 という何とも分かりやすい規則ルールだ。

 この規則ルールを作ったのはレーランスの前の頂点トップであり、レーランスが十五歳になるまで三十七年間も頂点トップに君臨していたヴァレリア=カルターである。

 彼女には政治・経済を始めとした、他人を治める為に本来必要な知識が大量にあるため、“真の天才”だった。


 彼女はコルナリアを豊かにする為に東奔西走し、遂にコルナリアで起きていた争いを全て止めることに成功した。

 この大仕事を完遂した彼女は、争いの火種となった原因、ヴァレリア以前の頂点(馬鹿共)の様な奴が今後現れても大丈夫なように先程の規則ルールを定めた。


 この規則ルールを定めた一年後、レーランスが十五歳となり、ヴァレリアに代わってレーランスが頂点トップに立った。


 彼女が本当の意味での“天才”ならば良かったのだが…

 残念ながら彼女は“天才”でありながら“馬鹿”でもあったのだ。

 保有魔力量は高く、魔法を操るセンスもある。


 なのに......


 なのに......っ!!


 馬鹿なのだ。

 どうしようもない程に。


 勉強は出来るが、それ以外が一切出来ないという人と同じだ。


 読み・書き・計算が出来ず、常識の欠片すら持ち合わせていない。

 全て自分の思い通りに動くと信じて疑わず。

 思い通りにいかないと分かると、殴る・蹴るのは当たり前、物を投げたり建物を壊したり等は日常茶飯事。

 果てには自信最強のオリジナル広域殲滅魔法 流れ落つ星々(スターレイン)をぶっ放そうとする始末。


 彼女がこうなってしまったのは彼女の所為では無い。

 彼女の両親が彼女に膨大な魔力が潜んでいると分かった途端に、彼女を甘やかして育て始めたからだ。


 そんな訳で真の天才(ヴァレリア)が作ったルールが天才(レーランス)の為に、早速役に立ったのである。


 世界の覇権を握ってご機嫌になったレーランス…


 だが実際にはすることが何も無く、途轍もなく暇だった。

 権力を思う存分に振り回すことの出来る立場にいる彼女は、暇つぶしに各地に希少価値の高いものを集めさせ、秘薬の作成についての研究を始め、半年後、遂に、飲めば不老不死になることの出来る薬を完成させる。


 このことを彼女は全世界に向けて発表し、称賛の嵐を受けた。

 彼女にはこれを飲むつもりは無かった。

 崇められるだけで嬉しかったから。


 しかし忘れてはいけない。

 彼女はレーランスである。


 自室の机の上に置いていたことを忘れ、風呂上がりの一杯に、と飲み干してしまったのだ。

 当然、完成していた薬は効力を発揮させ、彼女の身体は不老不死となった。


 このことを知った部下、もとい臣下達は戦々恐々とした。

 一部の者は発狂すらしてしまったそうだ。


 当たり前だ。

 保有魔力量が多い為、ずっと頂点トップに居座ることは明白であり、馬鹿なのだから。

 このような化け物にこの先ずっと支配されると思うと…


 事実、することが無くなった彼女は臣下達に対して、日々のストレスをぶつけていった。

 臣下達は必死になって彼女が興味を持つような事柄を次々に提示していった。

 だが彼女は“馬鹿”であり、“天才”でもある。


 天才の彼女はどれもこれも数日以内に成果を上げてきた。

 不老不死の薬が難し過ぎたのだ。


 そんな日々が半年程続いた後、ネタが無くなった臣下達は、この場から彼女が居なくなる方法を検討をし始めた。

 そこで思いついたのが、「異世界に行って貰うこと」


 彼女に異世界に行くように誘導する為に、臣下の一人であるコーネリア=ヴァンダが


「レーランス様は異世界に行けますか?」


 と、ド直球で聞いた。


 負けず嫌いな性格でもある彼女は、見事にこの言葉に乗ってきた。


「でっ! 出来るわよ! 私が出来ないとでも思ってるの!?」


「ですよね。

 レーランス様とあろう方がこんな簡単なこと出来無い訳がないですよね!」


「当たり前じゃない!」


(((チョロイな)))


 この会話から一週間後......

 見事に異世界転移魔法を完成させたレーランスに対しコーネリアが


「レーランス様、もしよろしければ異世界に行って休暇を取っては如何でしょうか?」


「そうね......

それもいいかもしれないわね!」


 すると、レーランスは何か新しいおもちゃを見つけた子供のように、パーッと輝くような笑顔になり、こう言った。


「そうだ 異世界(侵略)へ行こう!」

一作目のユニークアクセス数千人突破記念で投稿です。

こちらの作品はたまに更新になるかもしれません。

2015/09/21 あとがき修正

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