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放課後は。
〝キーンコーンカーンコーン〟
特徴のないチャイム音。
一日の終わりを告げる。
窓からそとを眺める。
あぁ、空が綺麗だ。
美術部でもないのに絵をかきたくなる。
窓側の席に座って頬杖をつく。
顎の骨が可笑しくなるとか知らない。
私は夕日の沈んでいくさまを眺めていた。
グラウンドからは野球部の掛け声が聞こえる。
「青春してるなぁ」
ひとりオバサンみたいなこと呟いてみる。
その時しまっていたドアが思いっきり音を立てて開いた。
長閑な気分だった私は思いっきりずり落ちた。
そんな私の傍に寄ってくる人影。
頼むから早く帰って。
そう思うのになかなか帰らない人影。
俯いていた顔を上げるとそこにはクラス1のやんちゃ坊主、木戸結城がいた。
木戸くんはイケメンで運動神経抜群。
成績はちょっとあれだけれど。
そんな彼が目の前にいる。
しかもあろうことか私の顔を覗き込んでいるのだ。
「っ?!?!?!」
声にならない叫び声をあげて立つ。
〝ガシャン〟
椅子の倒れた音なんて気にしない。
すぐさま後ろのロッカーまで後退する。
私は羞恥で顔から湯気でも出そうなくらいだった。