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猫の雑記帳  作者: 猫の人
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なろうとか⑦ 主人公最強

 主人公最強と言えど、扱いは様々です。

 私の好みで言えば「無双」というタグも追加しますが、主人公が最も強いというだけで対抗手段がいくらでも思いつくとか、主人公(プレイヤー)サイドでは最強というだけ(主にVRMMO系)とか、中には前に「状況を限定すれば」などと付くこともあります。

 あまり広範囲に意味を捉えると収拾がつかなくなるので、私の好みに合わせて「主人公最強」は「無双」という解釈で話をします。



 まず、主人公最強の弊害について。


 主人公が最も強いというのは、戦闘における緊張感の喪失を意味します。

 「どうやって勝つんだろう?」「今回は厳しいかも?」などと言った感想を読者が持つことは無く、基本的には主人公の圧勝以外有り得ません。そこで下手に動いてピンチになるというのは、読者にとってストレス以外の何物でもありません。

 もし主人公最強ものでそれをやりたければ、別キャラ視点で話を進める事をお勧めします。主人公が最強なんだから、脇役が最強じゃない、そうである必要が無いのは当然ですよね。ですから、視点変更などを上手く使って「他の誰かに取っての」ピンチを演出すればよいでしょう。

 間違っても、主人公をピンチにしない方がいいです。

 あ、戦闘以外でしたら全く問題ありませんがね。金銭や恋愛、政治的駆け引きでは逆に足りないぐらいでちょうどいいかと。


 主人公の成長速度も考えておくべきです。出来るだけ早く「主人公最強」タグを回収しましょう。

 緩やかに成長していき、最終的に最強になるのは「成り上がり」タグが正解です。主人公最強タグを使うのでしたら、序盤、章で言うなら序章か1章の間に最強にした方がいいです。

 もしも緩やかに成長し、中盤で最強になったとします。そうすると、今度は話のテンポが大きく変わることになるのですね。そうして「~~までは面白かったですが」という感想を読者様から頂くのです。そのような作品は多くありますし、話の展開というのは基本的に繰り返しのごとく、雰囲気を変えない方が成功しやすいというのが私の見解です。変わったとしても着いて来てくれる読者はいますが、作者サイドも多少は意識すべき問題だと思います。


 他に注意すべき点としては敵の質です。

 敵がバカだったり雑魚だったり、脅威であると読者が認識できなければ、主人公のやっていることは弱い者いじめでしかなく、「イジメ、カッコ悪い」の精神に則り、主人公や作品への悪印象につながります。

 特に「この方は名将~~」などと天才とか高名だとか持ち上げたキャラが大したことが無いと、相対的に主人公も大したことの無い印象となるのです。

 ですから、敵は強く強大で。数万の大軍などもいいですね。貴族や王族といった立場的な意味でもいいので「強者である」事を前面に押し出しましょう。


 あとは、主人公以外の影が薄くなりがちという事でしょうか。

 主人公が目立つのは当然なのですが、主人公しか覚えてもらえないというのもあまり良くないと思います。

 戦闘で主人公が活躍するのは当然ですが、周囲を固めるキャラたちにも、何らかの活躍の場を与えるべきでしょう。

 主人公が一番活躍するのは構成上何ら問題ありませんが、主人公しかいないお話は寂しいです。他のキャラが活躍したっていいんです。たまにはスポットライトを動かすことを考えましょう。



 では、主人公最強の魅力について。


 我々一般人というのは、大きな流れというものには逆らえません。

 例えば政治の話ですと、ここ何年かは中韓と領土問題でもめていますよね? これに関わるのは不可能だし、ましてや解決するなんて言うのは夢物語以外の何でもありません。

 ですが、創作の場であればそれを覆すことができるのですね。武力や政治力で無双するキャラが、我々ではどうしようもない問題を解決する。例に挙げた領土問題も、それをスカッとする方法で解決する人がいたとしたら、私たちはその人を「英雄」と祭り上げ、喜ぶでしょう。


 このように、主人公最強とは「英雄を求める意思の表れ」じゃないかと思うのですよ。

 「俺達にはできない事を軽々とやってのける。そこに痺れる憧れる」ワケです。

 数百万の軍勢にも臆することなく独りで突撃し、敵将を打ち取り勝利へと導くような英雄。戦記物でしたら非難轟々でしょうが、ただの冒険系ファンタジーであれば問題ないのです。

 弱い私たちとは一線を画すような存在にこそ、主人公最強は相応しいのです。


 ですから、思いっきりやりましょう。

 頭をからっぽにして読める、読み終えて爽快な気分になるような話を目指してほしいです。


 たまーに、主人公がダークサイドの悪漢(ピカレスク)小説もありますが、それでも倒すべきものは「悪」であるべきです。

 そして悪を喰らうような大悪党の主人公でも、守るべき一線を持っていれば光を失わず、読み終えて爽快感を得る作品になるのではないかと思います。

 個人的な意見で申し訳ないのですが、弱者を虐げて当然という最強主人公は見たくないですね。



 主人公最強は、あまり深く考えずに読めるのが魅力だと思っています。

 悩まないわけでもない、チートを得ただけの一般人でしかない主人公であっても構わないし、「小説家になろう」の最強主人公って、異世界転生トリップからのチートでその位置を確保していることがほとんどだと思います。

 ですが、主人公に対する共感は大事ですけど、それすらスパイスにして話を盛り上げ、得られる「読了後の爽快感」はもっと大事だと思うのです。


 私見を本質のごとく言っていますが、それなりに一般的意見でもあると思うのですよ。

 ご意見ご感想、お待ちしています。



 次は「それなりチート」の主人公についてです。

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