なろうとか⑥ チート考察①
「小説家になろう」の流行が異世界物であることは誰の目にも明らかな、厳然たる事実でしょう。
一時期はVRMMOが隆盛を誇りましたが、今では「異世界転生」「異世界トリップ」ほどの人気を得られず、たまに人気作が出てきますが全体としては縮小傾向。特にSAOで爆発的な数を増やしたデスゲーム物は、最近のトレンドとはかけ離れた所に逝ってしまいました。SAOの勢いが衰えた、有名作品からイメージが抜け出せず、独自色を出せなかった。理由はいろいろあると思いますが。
まぁ、良作と言えるデスゲーム物は最初から本当に数が少ないんです。エタり難い題材のはずなんですけどねぇ? 終わらせ方がはっきりしているのになぜエタる……。最悪打ち切りエンドが使えるのに…………。愚痴ですね、すみません。
さて。人気の異世界トリップ・異世界転生モノですが、ジャンルとしてはさらに細分化されていっていると思います。
チートは前提条件で、無いものが少ないのでパスします。
得られたチートでおおよそ3つに分類します。分かりやすく「最強系」「微妙系」「最低限」と呼称します。
「最強系」はシンプルですね。一番歴史のある「俺TUEEE」です。魔力チートとスキル強奪なんかが代表的ですね。あとは異常な成長速度。
「微妙系」は最強系に飽きが出始めたころから見かけるようになった、「使い処が制限されるが、ハマると強い(もしくは便利)」といったパターンです。話の主軸に据えるなら、現代知識チートや悪役転生、アイテムボックスもここに分類していいと思います。
最期の「最低限」は、生きていくので精一杯のチートです。言語チートにステータス画面、あとはちょっとしたスキルを貰えるようですが、はっきり言ってしまえば「一歩間違えたらデッドエンド」という非常に厳しいものです。
最強系であれば、圧倒的な戦闘能力(そのほとんどが魔法系)を武器に、理不尽なまでに我を押し通す爽快さが売りになります。飽きてしまった人も多いですが、いまだに根強いジャンルで、多くのファンがいます。
このタイプの作品は、主人公は苦労する必要がありません。辛い事も少なめです。鬱展など以ての外と言えるでしょう。王侯貴族など社会的立場で強者と言える連中を、圧倒的武力などを使ってぶっ飛ばすのが正義です。下手に苦労話や鬱展を入れると読者が離れていきます。
微妙系は主人公が酷い目にあったりしながらも、知恵とチートでそれを乗り越えていくことが基本パターンになります。苦労を簡単に乗り越えることができないからこその「微妙」系であり、そこが「最強系」と違うところです。まぁ、常に苦労する必要もありません。たまには「良い思い」をしてチート持ちであることを確認させるといいでしょう。
このタイプはゆっくりとした成り上がりに向いています。小さく積み重ね、一歩一歩進んでいくタイプの作品に向いています。失敗上等、苦労しながら進む主人公を応援することになりますので、存分に酷い目に合わせてあげてください。ただ、「最後は勝利」という、逆転劇で終わらせましょうね。
チートが「最低限」だと基本的に、鬱展、バッドエンド、そういった不幸が主人公に襲い掛かるわけですね。できる事は少なく、必死になって「ようやく生きていける」生活。作者のS気質が主人公を痛めつけているとも言われかねないヘルモード。世界に翻弄されるちっぽけな一個人のお話になります。
このタイプだと、大河ドラマのような話向きでしょうか。大きな流れの中で必死に抗う主人公。苦労して、頑張って、それでも報われない。大勢の中の1人のごとき生き方、でしょうかね? 他には野外生活ではない生存競争といった展開もアリです。存分に苦労させましょう。
ただ、このタイプの話は、相当巧くないと、「小説家になろう」の読者は付いてきません。文章力に自信がある人以外にはお勧めしません。
今回は大ざっぱな傾向という事で、次回はもう少し細かく説明してみたいと思います。




