魔法雑談⑨ 火の魔法②
前回の続きです。
≪火の矢≫ですが、ダメージの与え方にはもう一つの考え方があります。
相手に当たることで爆発するという、爆弾的な方法ですね。もしくは高温で相手を焼くといったパターン。
この場合は物理防御と魔法防御に差が無いゲームなどをイメージすればいいでしょうか。「魔法的なダメージ」と言う考え方は無く、「とにかく攻撃魔法でダメージを与えた」とする場合ならこちらの方が正解でしょう。
このタイプの魔法を扱うなら、「魔法により特定の物理現象を引き起こしている」と考えることもできるのですが、今回のお題からは逸れますので、詳しくは機会があれば。
さて、これを実現するには、≪火の矢≫に一つの特性を持たせる必要があります。
それは「熱量の空間的圧縮」です。
火と言うのは、「高温である状態」です。ですがエントロピーの法則に従い高温、つまり高エネルギーは周囲へと拡散します。矢として飛ばすにはそれを維持し、拡散しないようにする必要があります。そのために「熱量の空間的圧縮」が必要とされます。
それと、ダメージを大きくするには温度の上昇が必須であり、それには二つの手段が考えられます。それは「≪火の矢≫一発で生み出せる熱量を増やす」か「≪火の矢≫を普通より圧縮する」というものです。
前者はそのままなので説明を省きます。
後者について簡単に説明すると、「全身を軽く炙るより、一点を炭化させる方がダメージが大きい」という説明で分かってもらえるでしょうか? ウォーターカッターの高圧水流と考え方は同じです。
まあ、生活用の便利魔法から戦闘用の攻撃魔法に高めるには「より多くの魔力を注ぎこみ」「それを可能な限り圧縮する」必要があるわけですね。それを実現するには「魔力の増加」と「魔法制御能力の向上」といったレベルアップがなされればいいわけです。もしくは外部補助装置(魔法の杖など)を使うのもいいですね。
こういった考え方は、どの魔法に対しても言えることでしょう。
エネルギーの増加と圧縮による高出力化は現代科学知識に馴染んだ人間にイメージしやすいので、電気工学などに置き換えるとアイディアを出しやすいかもしれません。電気にまつわる問題や進歩を魔法に置き換えるんですね。環境問題などを取り入れるのもアリだと思います。例えば魔法装置で地脈の力を引き出しすぎて周囲の土地が枯れてしまった、とか。
魔法は便利な言葉ですし、「魔法だから」で済ませた方がいいことも多いです。
ですが、科学的に考え、物理法則を部分的にでも適用することで見えてくるものもあると思います。
たまには普段と違った「目」を持ってみましょう。




