シナリオ考察① 戦記物の話
戦記物は難しい。
ですが、戦記物で気を付けるべき点について自分なりにまとめてみます。
まず、戦記というには、「戦争」を書かねばなりません。全体的な話ですね。
可能な限り、残酷に、冷徹に。ご都合主義など見当たらない、陰惨な戦いほどリアリティがあります。
……最近はそうでもないけど、異世界トリップでチート無双するのだと、命の奪い合いが「軽い」んですよね。それはそれで読みやすさになり大事な事なんですけど。あんまり「重い」とドン引きされますから。
そして戦争とは、国と国の戦いです。とっても多くの人が関わります。名前だけでセリフの無いキャラクターが量産されるぐらいに。内乱のような国内だけでも、10人以上のキャラクターを書き分ける必要が出てくるでしょう。
頑張ってください。
次に問題になりそうなのは、「戦術」です。戦争シーンですね。
戦記物は、誰かひとり英雄がチート無双だけで勝ち続けるようでは面白味がありません。どちらかというと、兵と兵のぶつけ合い、将と将の知略勝負が好まれると思います。おまけ程度に、武人と武人の一騎打ちなどもありますが。
補足ですが、「チート無双するやつが一人いても勝てない」というのでしたら、英雄キャラを出しても大丈夫です。「こいつがいれば勝てる」と「こいつだけで勝てる」は違うという話です。
最後の関門。「戦略」です。戦争以外のシーンですね。
これは戦術と違って、「内政・外交」です。戦術と戦略の違いは各自辞書で調べてください。
内政が関わる理由は、兵士の維持に必要な糧食の確保や武具を揃える購入資金の調達なども「軍事行動」だからです。
領民の生活を豊かにし、人口を増やし、たくさんの屈強な兵士を揃える。領民を富ませるための商業活動も、軍事に結び付くのです。日本人には馴染みの無い話ですが。
また、政略結婚などで他国と友誼を結び、ともに強大な敵と戦うのも血を流さない戦争です。
多くの人を書き分けねばならないのは、戦争シーンよりこちらでしょう。政治のシーンは人と人が直接やり合うのですから。会議なども1対1でやるわけなど無く、大勢が意見を言い合います。とても書き分けが難しいです。
あと、内政関係で主人公サイドが「うまくやっている」を演出するのも、難易度は高めです。知っているふりをしても、付け焼刃は簡単に見抜かれます。設定の甘さを突っ込まれます。
異世界だったら現代知識チートで楽勝、などとはほとんどの作者様が言えないのですよ。だって、それが通用する世界観をちゃんと考えないといけないのですから。絹があっても養蚕をやってないとか、特定の合金に関する知識とか、磁力とコイルで発電し、竹を蒸し焼きにしてフィラメントを作り、水蒸気の凝固を利用して真空管を作り電球を……。とても、話は長くなりますよ? そのすべてをちゃんと説明するうちに突っ込みポイントが多発します。技術知識チートはなかなか難しいのです。
短いですが今日はここまで。