なろうとか① 「なろう」の批判とかに対する感想
全力で毒を吐いてみた。
後悔はしてない。が、批判はスルーします。
たまーに思考が空回りするようなイメージで、むやみやたらと考えてしまう様々なこと。
それをまとめてみたい。
なぜ「なろう」にはファンタジー作品が溢れ返っているのか。
理由を推測してみる。
一部の人は「ランキングが~~」などと見当違いのことを書いているが、私はその考えは全く違うと反論する。
なぜなら、数が少ないジャンルで勝負したほうがランキング入りしやすいからだ。
よく考えてほしい。たくさん似たような作品が並ぶ中で、自分の作品が目立つと信じられる人は何人いるだろうか。初心者、それも初めて書いた作品が他の人の作品を圧倒するなど、普通の人は想像しない。妄想するだけだ。現実は厳しいと、大体の人は考える。それならジャンル別で日間ランキングが100作品に満たないところに行くほうが、建設的だったりする。ファンタジーの壁は厚いのだ。
しかしながら、それでもファンタジー作品は溢れかえっているということは、もっと別の要因があると考えるのが妥当だ。
それは一体なにか。
私見ではあるが、私は「もっともジャンルとして言いやすい」のがファンタジーだと思う。
人気の異世界トリップやチート無双といった作品は、ファンタジー以外で勝負するには向かないのだ。他にも、冒険モノに学園モノ、恋愛モノはファンタジー成分を多分に含み、固別ジャンルが確立されているにもかかわらず、ファンタジーを名乗っている。SFのVRMMOもファンタジーRPGだからとかなりの数がこちらに流れている。
冒険も恋愛も学園も、ファンタジーを問題なく名乗れる。SFすら視点を変えればファンタジー。この包容力が数を伸ばしている一番の理由ではないだろうか。
結論としては、「名乗りやすいジャンル」だからというのが、私の意見だ。
他にも、「なろう」で作者や読者をしている人の過半数がラノベ読者ではないかという推測もある。
書き手も元は読み手である。読み手から書き手に変わるとき。私がそうだったように「面白いと思った作品」を自分の手で作ってみたいと思って書き始めたあのとき。そこにあった「名作」が多大な影響を及ぼしているというのは不思議な話ではない。
普段からラノベを読んでいた読者であれば、書き手に変わるときにラノベの作者になるのはある種当然の帰結と言える。
「ラノベ=ファンタジー」は暴論に近いが、一つの真理ではないだろうか。
そうであれば、ファンタジーを書きたがる作者が多い理由も納得できるのではないか。
これも一つの答えとして提示してみる。
さて、次に「ファンタジー以外が少ない」ということについて考えてみる。
ファンタジーに該当しない作品、それを書くユーザーの少なさについて。
まず、難易度の高さがあげられる。
恋愛については横に置く。これはかなり特殊だから。
戦記。戦争を書くのは、相当難しい。兵の配置と戦力評価、武将の指揮による修正、戦術で読者を納得させ、外交で舌戦を繰り広げる。やらねばならない、書かねばならない場面は多岐にわたり、考えることが多すぎる。もともと戦記というか戦国時代や三国志などに興味でもない限り、初心者にはハードルが高すぎる。
推理。トリックを考えるのは、初心者には難しいを通り越して、プロですら難しいというトンでもジャンル。「金田一少年の事件簿」で作者がトリックをパクって謝罪する羽目になったのは一部の人には有名な事件だ。要するに、自分で考えたにもかかわらずどこかで見たトリックを使う羽目になり、「盗作作家」扱いされかねない危険なジャンルだ。
コメディ。笑いを取りに行って滑った時の切なさは、涙なしには語れない。「どこで笑わせようとしてるの?」などと感想に書かれようものなら首吊りものである。個人的には、勇者専用ジャンルという認識だ。
文学については、単純に好きな人が少ないということではないだろうか? 馬鹿にしているわけではなく、ファンタジーなどと比較して、という意味で。あと、文学は「バッドエンド」が多発するために忌避する人が多い。私とか。時折、バッドエンドを「文学的」と勘違いする人もいるので地雷率も高いように思う。偏見だけどね。
総まとめで少し語らせてもらうが、不人気ジャンルの問題はたった一つに収束すると思う。
ラノベ上がりの読者に「面白いと思える」作品があまり提示されていない。
目につく良作の数が少なければ、そこから「こんな話を書いてみよう、こんな話を書きたい」と思う人も少ないわけで。
結果、「不人気ジャンル」が出来上がる。
この状況を危惧し、警告的なエッセイなどを書く人もいるが、あまり効果はない。だって、良作が埋もれているのに、それが知られないままにしているのだから。
今書いている人に文句を言うのはお門違い。まったく意味がありません。昨今の「なろう」は質が落ちたとか言うなら、古き良き「なろう」の良作を一つでも人目に付くよう努力してください。レビューやポイント、活動報告はそのためにあります。可能なら、自分のサイトやブログ、ツイッターなども使って下さい。自分が気に入らないからと今ランキング入りしている作品を批判しても何も意味がありません。
文章に難をつけるのであれば、その作品の感想欄にでもそれを指摘してきたほうがよっぽど建設的です。エッセイとその他のジャンルにある「書き方講座」の紹介でも構いません。
最終手段は「自分で良作を書く」ことですがね。自分のためではなく、「なろう」のためを思うのならできるのではありませんか? 皮肉のような言い方ですが、書き手は書きたいものを書くだけです。読者のためと言っても、根本には「書き手である自分のため」があります。でしたら、「なろう」の現状を憂う人自身が作者になるしかないというのは暴論ではなく、「面白い小説を書くことが可能であれば」合理的な手段の一つです。
読者という立場を利用して作者に言うな。作者は読者の意見を聞く立場ですが、意見に従う立場ではありません。対等という言葉の意味と、対等な相手にやっていい範囲を考えるようにしましょう。
でも、「頑張ったうえで批判している人」には「そのまま頑張ってください」で終わるという。
糾弾している対象は「口先だけの人」ですので、お間違えなきよう願います。
超個人的意見として「面白ければそれでよし」と考えています。
私もチーレムを書きたいのですが、根本的なところで向いていないようでして……(涙)
2014年2月23日 誤記修正