破片×2(女王 / 夜)
*女王*
君は小さな世界の女王
その中では君が最高の存在
その小さな世界には
君が許した人しか入れないんだ
誰よりも美しく
誰よりも才能豊かで
誰よりも愛される
だから僕が
その世界の入り口でいくら君を呼んでも
君は知らんぷり
それでも君は時折近づいてきて
世界の境界線で二人おしゃべりして
もしかしたら手を触れられるかも知れない
だけど
君は僕をその世界へは入れてはくれなくて
そして
僕は君をその世界の外へ連れ出したいんだ
君は女王ではなくなるけれど
僕はずっと君のそばにいる
僕の命を懸けて誓うよ 忠実な騎士のように
それじゃだめなのかな
君は小さな世界の女王
その世界に閉じ込められてる
自分で自分を
その世界に閉じ込めている
*夜*
夜は暗いから 秘密の話が出来る
君と二人 他には誰もいない
他の誰にも見せない傷
他の誰にも見せない笑顔
秘密で交わす約束
毎晩 繰り返し下らない話をして
そっと笑い合って
頬に触れて 髪を撫でて
一緒に眠りに落ちる
このまま朝が来なければ
君の温もりだけ感じていられるのに