2.勘違いからの始まり
長い、かもです。前書きで宣言しておかないと、なんかの詐欺みたいなので(呆)自分で書いておいて、1話との落差に愕然としましたorz約6倍。なのに何だろう…このグダグダ感は(TpT)
誰だって、似たような経験や、過去と同じような出来事が起これば、何となくその先を予想し、見当をつけると思う。私もだった。
なにもない…本当に、何ひとつない真っ白い空間。目を開けている、少なくとも閉ざしてはいないと自覚している状態で、それを認識した場合、真っ先に考えつくのは……今、自分は寝ていて夢を見ているのだ、じゃないだろうか。私も、初めて体験した時は(夢という概念こそなかったが)寝ぼけているな…早く目を覚まさなければ、と思った。暗闇――真っ黒な空間であったなら、他の可能性もあるのだろうが、当時の経験上では現実味のない現象や物事全て、睡眠中という条件下でのみ発生している。そしてそれは決して歓迎できる事態ではない。しっかり現実を見据えなければ、総じて命が消えることに直結する。寝ぼけた草食動物など、野生の肉食動物にとって愚かにも程がある獲物でしかないのだから。自然は命あるモノに優しく平等であったが、それ故とても厳しい一面をあわせ持つ。油断は命取りだ。常に気を引き締めねばならない。
まぁ結局、むなしい努力でしかなかったけれど。
私は、前世の記憶を持っています。
…………たぶん誰も信じないだろう。へぇ〜そうなんだ、と返してくれたとしても会話は続かず、次の日からは、目が合わなくなる可能性が極めて高いのではないだろうか?中には自分も、と同意してくれる相手がいるかもしれない。そういうのを電波、と呼ぶ。三度目の人生で知った。それまでの生で、うっかり口にしなくて良かった、と心底思う。そんな機会なんて、ありはしなかったが。だから、こんな話を無理に信用してくれなくても良い。でも結論から言わせてもらえば、私は死んだのだ。確かな事実…だった。だってコレで、三回目なのだから。取り乱したのは最初の時だけ。その時だって、暫くすると、直前の出来事を思い出す事ができ、あっさりと納得して、決められたルートを辿った私がいる。今回も、そうなんだろうと自己完結させ、油断していたのかもしれない。
♪〜♪〜〜♪♪〜♪
「おッめでとォーー!」
だから前々回や前回は出会わずに済んでいた現象に驚愕し、言われるがまま流されてしまったのだ。耳に心地よいメロディを響かせながら現れた、目の前をフヨフヨと浮遊する淡い色合いの発光体、自称カミサマとやらに。そう自分を慰めても悪くはないと思う。
私に隙があった、と言わざるおえない。相手の独断場を許す結果になったのは、自分のせいだ。どんな時も己より強者と張り合わなければいけないなら、先手必勝。始めが肝心で、最も重要なのはタイミング。もう遅かった。完全に手遅れ。あとは残り僅かの希望に縋り、大人しくするか……潔く諦めるしかない。時には諦めも大切なのである。
「アナタの生前の行いは素晴らしく…――――うんっ凄いね!!こんなに立派なウサギちゃんの魂なんて初めてだよ?ダ・カ・ラ♪ご褒美をあげちゃいまーす☆」
適当だな、と思った。そもそも一体なんの事だろうか?黙って大人しく耳を澄ましてはいけない場合だったのか、対処法を間違えたかと不安になるのも、致し方無いと思う。一体いきなり何を、という心境だった。生前の素晴らしい行い、とは……そんな事をしただろうか?全然身に覚えがないというのも、それはそれで問題なのかもしれないが。今まで生きた三度の人生、思い返してみても、それらしい記憶はない。むしろ、生き物としての存在意義を全うしきれなかった私である。どちらかといえば行い…悪いのでは??
「そんなコトはナイよっ!確かに、アナタは1人……じゃない、確か1羽?も子孫を誕生させてナイけどっっ立派な…えっと――い、偉業を達成しました!!」
……さっきより話が大きくなっていると感じるのは、私の気のせいだ。なんか思考を読まれているような気がするのも気のせい気のせい気のせい(自己暗示)。
「(もーニホンゴ、メンドーだよッ)え〜誕生したばかりなのにアナタの魂は、とにかっく!ジョートー♪もーまんたいっ☆」
………………。ここで勢いに圧倒されたら、負けなのだ。後悔したくなければ…と、どこかで、もう一人の自分がぼやいている。
少し遠い目をしていた私に気付いたのか、コホンと咳払いする自称カミサマ(仮)は、姿勢を正し(たように感じるだけなのだが)
「一度目は貧しく飢えた者に……自ら命を絶ち、その肉と毛皮を与え、二度目も自ら命を絶ち…怪我で動けぬ親に代わり、子の飢えを癒した。三度目は――‥」
などと宣いだした。
……。
…………。
………………なにそれ?
勘違いも甚だしかった。私は昔から語り継がれている、ご先祖様みたいに立派な心掛けなんぞ、持ち合わせていない。自ら命を絶って誰かを助ける、なんて真似を実行に移す筈がないのだ。だってアレは―――
まさか今更、過去の恥を思い出さねばならない事態に陥るとは、予想外過ぎて声も出ない。茫然自失のまま、うろ覚えな今回の死因及び、それにまつわる結果とやらを聞かされた。
そうして最後には、『ご褒美』を強制的に受け取らさせられて、ウサギであった私が、今ここに人間として存在しているのである。
まだ本編に辿り着けていない(主人公は只今、絶賛現実逃避中www)ので、急ぎ足になってしまったのかもしれません(反省)こんな愚駄x2文を読んで下さり、有難うございました(´v人v)