圧倒的な文才に気づいてしまった俺-小説を書きまくって不労所得無双!?-
毎週水曜日に新しいエピソードを追加していく予定です、面白いと思った方はぜひこれからも読んでいただけると幸いです。
大学2年の夏休み、セミがバタバタと死んでいく時期になった俺は圧倒的金欠で困り果てていた.
「今月もバイトを掛け持ちに掛け持ちしたというのに、給料が8万7千円ってどうゆうことだよ!」
5万7千円...家賃5万円、食費を節約して1万円としたら残りは2万7千円、これじゃ友人と遊ぶための金も、趣味の映画巡りをする金も全く足りやしない.
「あー今月も日雇い生活か...」
実際のところ物価高の現代を生きる大学生にとって月に1万7千円しか使えないというのは正直、死活問題だ.
「なんか簡単かつ手間を取らずにできる金の稼ぎ方はないものか...」
友人から怪しい商材を買ってまで始めたパチンコは始めた月にマイナス10万以上の大赤字を叩きすぐに辞めてしまった。同じサークルの先輩に紹介してもらったバイトも日当7万円という怪しい内容が怖くなり、初日を飛んでから先輩はサークルに来ていない.
「スマホでできて簡単に稼げる仕事ってないもんなのかねー」
「webデザイナー...俺はプログラミングとか全くできないし無理だな。ポイント稼ぎ…これは稼げる金額が少なすぎて始める気が起きない。アカウント販売...こんなグレーな稼ぎ方は良くないしな...」
ホームページ制作-× データ処理-× と1時間以上スマホで調べ物をしていた時だった...
「小説投稿サイト?」
ふと目に止まったのは小説を書いて収益化という稼ぎ方だった。だが問題点があり文章には疎い方だし、小説書いて収益化とかどれぐらいかかるんだよ、そもそも見てもらえなければこんな広いネットの世界に小説を書いて流したって意味ないんじゃないかなどと考えている間に1時間が経った.
「まあスマホ一つで始められるんだし、文句言わずにやってみるか」
始めると決めたのはいいが小説に疎いどころか、今まで全く本を読んでいなかった俺にはどんな内容にすればいいかも、どんな題材にするかすら思いつかなかった.
「つっても書く本の題材なんてないし、すでにある作品をオマージュして書くのはどうだ?ソードアートオフラインとか」
「ってそりゃ流石にダメか、真面目に書く小説の内容を考えないとな」
「そういえばここ数年でなろう系ってのが増えてたよな、下火になってきたとはいえ今でも人気は衰えてないし、いい感じの小説かければ、ずっと楽して生きてけるかも」
そんな最低なことを考え、適当になろう系小説を読み漁る。小説を1時間ほど読み、あまりの文章量に吐き気と頭痛がし始めたとき、ようやく作品の方向性や題材がが決まり、タイトルを考える段階までこじつけた.
「まず最初に読み手を得るためのタイトルにはインパクトが必要だよな、やっぱり神と無双は欠かせない...」
そうして作品のタイトルを考えること15分、いとも簡単に書く小説のタイトルが決まった.
「作品名は(神に認められた俺-スキルを作るスキルを使って異世界無双)だ!」
こうして誰にも読まれることなく埋まってしまいそうな俺の第一作のタイトルが決まった。
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タイトルが決まってから3日、内容を決めるために買ったノートが半分くらい埋まり、俺はようやく作品に筆を入れ始めた.
「まあある程度伏線とかも仕込んだし、これは大バズして大人気間違い無しだな」
そんなことを考えながらこのためだけに3ヶ月分の遊びを我慢する前提で買ったパソコンを開く.
まずタイトルを入れ、次にノートを見ながらプロローグを書き込んでいく、パソコンでゲームをしているおかげでタイピングには自信があり、サクサクと作業は進んでいった.
「結構進んだな」
一章を書き終えたあたりで手が止まる、誰かにこの作品を読んでもらいその感想が欲しいところだ。でも友人に見せるのは少し恥ずかしいし、かといって家族に見せて頭がおかしくなったと思われても困る.
「叔父さんにでも読んでもらうか」
二駅先の寂れた住宅街に住んでいる叔父にこの小説を評価してもらうため、俺は重い腰をあげ家を出た.
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若者が減り少し寂れた隣町までやってきた。この小説がどんなふうに評価されるのか少し不安になりながらも叔父の家へと足を進める、不安を感じながらゆっくり歩いているとあっという間に叔父の家へと着いた.
インターホンを鳴らして叔父を呼び出す、すると2階の窓から少し太った叔父の姿が見え中に入りなと言われた.
「今日はなんの用事できたんだ?金の無心なら帰ってもらうぞ」
叔父はちょっとキツめの冗談を言い、笑って出迎えてくれた.
「実は小説を書いてみようと思って試しに一章まで書いてみたんだけど、読んでみてほしくって」
そういうと俺は書いた小説を読んでもらうためにスマホを渡した.
「小中高と本を全く読まなかったお前が小説を書いたとはな」
少し驚いた様子で俺が書いた小説を読む叔父、小中まではよく遊びにきていたが、高校生になって友人と遊ぶ時間が増え、あまり会っていなかったせいか変に緊張していた、叔父はなろう系が好きだったので、俺の書いた小説が面白くなかったらどうしようと叔父の顔色を伺いながら待っていた.
「お前にしてはいい出来じゃないか」
自信はあったが、少し不安だった俺の気持ちはその一言ですぐに消え去った.
「そうかな、初めてだったから難しくて結構不安だったんだけど」
「十分な出来栄えじゃないか、よくある題材の作品だが意外と面白そうだな」
そう言われ自分には意外と文を書く才能があったのかもしれないと思い舞い上がる.
「読んでくれてありがとう、自信ついたしこれからも書いてみるよ」
そうして俺は叔父の家を後にした、行きで感じていた不安も緊張も飛んで無くなってしまったかのように足取りは軽かった.
「まあひとまず一章が完成したし、このサイトは少しづつでも投稿できるらしいから一章だけでも投稿しておくか」
「評価とか反応が気になるけどすぐ見ちゃったら楽しくないし、1週間くらい待ってから反応を見ることにしよう」
それから1週間、俺の力作はとんでもない酷評だった。
圧倒的な文才がなかった俺-小説を書きまくっても水の泡!?-




