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エンドコンテンツのボスに転生してしまうww

「くそっ…まただ…!」

画面の前で、私は拳を握りしめた。


1週間以上、同じ戦いを繰り返している。ゲーム【勇者泣かせ!ボス強すんぎRPG】のエンドコンテンツボス――カルメラ。

ゲーム内でも極めて珍しい存在で、通常のラスボスより遥かに手ごわい。


彼女は、ラスボスを倒した者だけが行ける場所『虚無の森』でひっそり暮らす禁忌の魔女――孤高の存在だ。

攻撃の一撃一撃が芸術のように完璧で、避けられない。美しさと圧倒的オーラを兼ね備え、誰もが恐れつつも心を惹かれる存在だった。


彼女の漆黒の髪、深い緋色の瞳、戦闘中に見せる冷徹で優雅な佇まい――ただ見ているだけで息を呑む美しさ。負けるたびに、心の奥底から惹かれていく。

「顔が良すぎる…力が完璧すぎる…存在そのものが罪だ…」


前世の私はただのゲームプレイヤー。カルメラの正体も、その力の本質もわからない。

でも、どうしてこんな魔法の才能を持つ存在が、ゲームの悪役キャラクターとして存在しているのだろう――?

彼女の経歴も生い立ちも、何ひとつ知らない。

倒せずに詰んでいたゲームを前に、ただ心の中で思う――

「あなたはどんな人なの…?どんな考えで、こんな力を手に入れたの?」


布団に潜り込みながら、私はぼんやり思った。

「もし…私がカルメラ様になれたら、どんなに楽しいだろう…ww」


妄想スイッチON。

勇者が必死で挑んできても、カルメラ様なら軽くあしらえて泣き叫ばせることもできるだろうし、

魔王ですら、一撃で「え、もう死んだの…ww」って死体蹴りして楽しめる――そんな圧倒的パワーの自分を想像するだけで、顔がニヤけて止まらない。


しかも、ふと思った。このまま私がカルメラ様になれば、この座の勇者に代わって魔王を討伐し、国の英雄にすらなれるんじゃないか…www

勇者の功績も、街の人々の称賛も、ぜーんぶ私のものだ。

世界の運命を握る存在として、自由に振る舞い、誰もが振り返る圧倒的カリスマ――想像するだけで胸が高鳴る。

でも、ふと疑問が浮かんだ。

もし自分がカルメラだったら、この力で世界を支配することだってできるはずなのに――。

その答えを知らないまま、私はただ憧れ、妄想の中で無双していた。


――そして目を覚ます。


光も事故もなく、ただ――圧倒的な現実が待っていた。

鏡を見る。

そこに映っていたのは――カルメラ様の顔。完璧すぎる、圧倒的すぎる、あのボスの顔だ。


「……はああああ!?な、なんで私、カルメラ様になってんの!?ちょwなにこれwww」


中身は私、でも顔はカルメラ様。

前世のゲームで何日も詰んでいたボス――カルメラ様――その姿そのものになってしまったのだ。

夢か幻か、現実か――いや、どちらでもいい。圧倒的至福すぎる。ただ一つの疑問を除いて。


「え…なんでここにいるの、私…?」


カルメラ様は虚無の森でひっそり暮らしているはずだった。

ラスボスを倒した者だけがたどり着ける、誰もいない秘境――なのに、ここはゲームの始まりの街。人も建物もいて、冒険のスタート地点そのままの場所。


さすがに混乱がピークに達した私は、まず状況を整理することにした。

目の前の街、手に宿る力、そして自分がカルメラとして生きている現実――

とりあえず、何ができるか、何が起きているのか、確認しなきゃ。


胸が高鳴り、頭の中で妄想していた勇者や魔王や街の人々のリアクションを再生するだけで笑いが止まらない。

そして私は天井を見上げ、拳を握り直して叫ぶ――


「よし……ゲームスタートだ……あああ、最高すぎるwww

……あ、でも勇者の装備とか確認しておくか?www」


カルメラ様の顔と力を手に入れた私として、物語はここから始まった。

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