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白の少女は三人の男に愛される  作者: 有氏ゆず
第六話 少女は祈る
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6-4




「攻撃力増強魔法、ストレングス!魔力増強魔法、スペルライズ!防護魔法、セイクリッドシールド!」


まふゆが詠唱を完了すると、三色の光が彼女の手から放たれる。


赤い光がレオンハルトの剣に吸い込まれ、刀身が熱を帯びたように揺らめく。

青い光がセリウスの体を包み込み、彼の中から溢れる魔力が一層強く輝きを増す。

そして、黒い光がミカゲの影に溶け込み、その輪郭をより深く、より濃く染め上げた。


アルビノエルフの白魔術。それは対象の性質に合わせて効果を変える奇跡の力。

人間であるレオンハルトには純粋な物理強化を。

ハーフエルフのセリウスには魔力の増幅を。

そして、影人であるミカゲには、その存在そのものを強化する闇の加護を。


本来、影人にとって猛毒であるはずの白魔術が、ミカゲの力を引き出している光景に、試験官の教師たちが息を呑むのが分かった。


最後に、まふゆは自分と仲間たちの周囲に淡い光の膜を展開させる。

それが防護魔法、セイクリッドシールドだ。




「────グルォォォ!!」


支援魔術によって増大した三人の強大な気配に反応し、ゴーレム改が重い足取りで動き出す。

石と魔力で出来た巨体が、地響きを立てながら迫ってくる。


「最高だ、まふゆ!全身に力がみなぎる!」


レオンハルトは獰猛な笑みを浮かべ、先陣を切ってゴーレムに向かって駆け出す。強化された身体能力で、その踏み込みは以前とは比べ物にならないほど鋭い。


「セリウス、ミカゲ!行くぞ!」

「うん!僕の魔力が……こんなに高まるなんて!」


セリウスも驚きを隠せない。彼の両手に、普段よりも遥かに大きく、密度の高い氷の矢が形成されていく。


「兄さんの死角をカバーする!行くよ!アイシクルアロー!!」


セリウスの詠唱と共に、ゴーレムに氷の矢が降り注ぐ。


「……悪くない」


ミカゲは短く呟くと、その姿をふっと床の影に沈ませた。気配が完全に消える。

ゴーレムの巨大な体躯が生み出す影の中を、彼は音もなく滑っていく。狙うはただ一点、関節の隙間だ。




三人の男たちが、まふゆの支援を受け、完璧な布陣で動き出す。


まふゆは後方で両手を胸の前で組み、仲間たちの戦況と、自身の魔力残量に意識を集中させた。


ここからが本番だ。彼女の役割は、仲間たちが最高の状態で戦い続けられるように、的確な支援を送り続けること。


(よし、このまま行けば勝てる……!!)


彼女の瞳には、仲間たちの勝利しか映っていなかった。




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