6-1
「はぁ……」
その瞬間、シャノンが大きくため息をついた。
「ほんと男ってバカね」
肩をすくめてから、まふゆの方にずいっと寄る。
「まふゆが誰と楽しくしてたかくらいで、そんな顔するなんて」
そのまま、にやっと挑発的に笑って、まふゆの耳元に顔を近づけた。
「ねえまふゆ。男よりもあたしの方がいいでしょ?」
「え、ええっ!?」
突然の距離に、まふゆは思わず赤くなる。
「し、シャノンさん……近い……!」
「はいはい、かわいいかわいい」
満足そうに離れるシャノン。
一方で、少し後ろに立っていたリリアは、その様子を黙って見ていた。
(……レオンハルト様……)
視線の先では、レオンハルトがまふゆを見ている。
それは、リリアが隣に座っていた時とは、どこか違う眼差しだった。
安心しているような、守るべきものを見るような。無自覚で、だからこそ余計に胸に刺さる態度。
(……だって、まふゆんは可愛いし)
自分に言い聞かせるように、心の中でつぶやく。
(みんなまふゆんのこと好きになるのは……当たり前だし……。あーしだって、まふゆんは友達だと思ってて、好きだし……だから、レオンハルト様も、まふゆんのこと……)
でも。
胸の奥が、ちくりと痛んだ。
リリアはぎゅっとパレットを抱え直し、そっと視線を伏せる。
誰にも気づかれないように、静かに。
ただ、ほんの少しだけ……嫉妬していた。
「……え、ええ……?みんな、どないしたん……?」
そんな感情の交錯に気づかないまま、まふゆは皆の中心で、きょろきょろと視線を巡らせていた。




