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「よし、うちも!えーいっ!」
まふゆは準備運動もそこそこに、わくわくを抑えきれない様子でプールサイドに立つと、元気よく水面に向かって飛び込んだ。
ザッバーン!!
小柄な体には不似合いな、盛大な水飛沫が上がる。
「ひゃあっ!冷たくてきもちいいー!」
水の中から顔を出すと、夏の熱気を帯びた体が急に冷やされ、その心地よさに満面の笑みを浮かべた。
菫色の瞳をキラキラと輝かせ、ぱしゃぱしゃと水面を叩いてはしゃいでいる。
普段の服に隠されていた白い肌は、水に濡れて太陽の光を反射し、いっそう透明感を増していた。
そして、水着に包まれたたわわな胸は、水の浮力と動きに合わせてぷるんと大きく揺れ、その存在感を隠すことなく主張している。
その無防備で無邪気な姿は、三人の男たちの理性をさらに揺さぶった。
「ばっ……!おい、急に飛び込むな、危ないだろう!」
彼は咄嗟に注意の声を上げるが、その視線はまふゆの濡れた体、特に白と桜色の布地に包まれた豊かな胸元に釘付けになってしまっている。
慌てて顔を逸らすが、耳まで真っ赤になっていた。心臓がうるさい。
(あれは、その、あまり見てはいけないものではないのか…?)
「き、君って子は本当に……!だから、はしゃぎすぎだって言ってるのに……!」
彼もまた、顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
しかし、横目ではしっかりとまふゆの姿を捉えてしまっていた。
水に濡れて体に張り付いた水着は、彼女の柔らかな体のラインをくっきりと描き出している。
特に、水面から突き出すようにして揺れる双丘は、セリウスの知らない世界の光景で、頭がどうにかなりそうだった。
「…………」
影の中から、ミカゲはただ静かにその光景を見ていた。
他の生徒、特に男子生徒たちの視線が、一斉にまふゆに集まっていることを正確に把握している。その中に含まれる欲望の色も。
彼の周りの空気が、すっと一度冷たくなった。
(……邪魔だ)
楽しそうに笑うまふゆの顔。それを曇らせる可能性のある、全ての不純な視線を、今すぐこの場から消し去りたかった。
彼は、誰にも気づかれぬよう、ゆっくりと影の中から一歩、プールサイドへと踏み出す。
その時、プールサイドを監視していた教師、エドウィンが笛を吹いた。
「はい、そこ!まふゆ君、準備運動はしっかりしたのかい?君のような素晴らしい『果実』は、特に念入りに体をほぐさないと、筋を痛めてしまうからね……」
彼は優雅に歩み寄り、まふゆを見下ろす。
その目は、楽しそうな彼女の笑顔ではなく、水に濡れてより強調された彼女の胸元に、ねっとりと絡みついていた。




