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翌朝、小鳥のさえずりが窓の外から聞こえてくる。
「んん……」
まふゆはベッドの上で小さく身じろぎし、ゆっくりと目を開ける。
心地よい朝の光が部屋に差し込み、新しい一日が始まったことを告げていた。彼女は小さく欠伸をすると、ゆっくりと身体を起こした。
昨日の放課後の出来事が、夢のように思い出される。
みんなで食べた『ユキロン』の甘い味、三人の優しい笑顔、そして「また明日」という約束。
思い出すだけで、胸がぽかぽかと温かくなる。
まふゆはクローゼットから、いつもの純白のドレスのような装束を取り出す。
アルビノエルフの肌を優しく守り、魔力の流れを良くしてくれる、彼女にとって一番落ち着く服だ。丁寧に身支度を整え、真っ白な長い髪を梳かす。
「よしっ」
鏡に映る自分に小さく頷くと、まふゆは部屋を出て学園へと向かった。
昨日と同じ道。けれど、今日の足取りは昨日よりも少しだけ軽かった。
A組の教室の扉を開けると、そこには既に見慣れた顔ぶれが揃っていた。
教室の一番前の席。深い赤色の髪を揺らし、窓の外を眺めていたレオンハルトが、まふゆの入ってくる音に気づいて振り返る。
「お、来たな。おはよう、まふゆ」
彼はにっと歯を見せて、快活に笑いかけた。その笑顔は朝の光のように眩しい。
その隣の席。白銀の髪を持つセリウスも、読んでいた本から顔を上げた。
「……おはよう、まふゆ。昨日は……よく眠れた?」
少しだけ気恥ずかしそうに、しかし優しい眼差しで問いかけてくる。彼の視線からは、まふゆを気遣う気持ちが伝わってきた。
そして、まふゆの後ろの席。
教室の喧騒から切り離されたように静かに座っていたミカゲが、黒い瞳をすっと持ち上げる。
「……来たか」
いつもと変わらない、短く低い声。しかしその瞳は、教室に入ってきた瞬間から、ずっとまふゆの姿だけを捉えていた。
まふゆは三人の顔を見て、自然と笑みがこぼれる。
「ええ、みんな。おはよう!」




