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学園生活五日目。
キーン、コーン、カーン、コーン……
昼食を知らせる鐘の音が、学園中に響き渡る。
三度目の魔物との戦闘訓練を終えた生徒たちは、ほっと息をつき、思い思いに武器や装備を片付け始めた。疲れた身体に、昼食の時間は何よりのご褒美だった。
教官が「今日から新入生も学食の利用が可能だ。好きなものを食べていけ」と告げると、あちこちから歓声が上がる。
「皆はご飯どないするん?うちは絶対食堂行きたいんやけど……!」
まふゆは目を輝かせて、三人を振り返った。
戦闘訓練を終えた達成感と、お腹の空き具合が相まって、彼女の声には自然と弾みがある。桜の国では見たこともないような、様々な種族の料理が並ぶ学食。入学してからずっと、いつか行きたいと憧れていた場所だった。
「おう、いいな。俺も腹が減った。せっかくだから、四人で行こうぜ」
レオンハルトはにっと笑い、剣を背中に担ぎ直した。彼の豪快な笑顔が、疲れた身体に活力を与えてくれる。
「……僕も、別に構わないけど。君が行きたいなら、付き合ってやってもいい」
セリウスはそっぽを向きながらも、顔がほんのり赤くなっている。まふゆの無邪気な笑顔を前にして、素直になれない自分にもどかしさを感じていた。
そして、後ろからいつの間にか近づいていたミカゲが、ぽつりと呟く。
「……あんたが行くなら、俺も行く」
その短い言葉に、まふゆははっとして振り返る。ミカゲが自分から「一緒に行く」と言ってくれた。それがどれだけ珍しいことか、彼女にも分かっていた。
こうして、自然な流れで四人揃って食堂へ向かうことになった。
学園の中庭を抜け、大きな石造りの建物が見えてくる。そこが、噂に聞く学食だった。扉を開けると、様々な種族の生徒たちで賑わう広々としたホールと、食欲をそそる匂いが一気に押し寄せてきた。




