表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の少女は三人の男に愛される  作者: 有氏ゆず
第二話 少女は初めてのパーティを組む
17/71

2-1




翌朝。

学園の鐘が、新しい一日の始まりを告げている。

まふゆは自室のクローゼットの前で、少しだけ考え込むような表情を浮かべていた。


「この学校、制服無いんよね……」


ぽつりと呟く。

彼女の故郷である桜の国では、定められた美しい和装の制服があった。しかし、この王立特異能力者統合学園では、制服の着用義務はない。


それは、多様な種族が集うがゆえの配慮。それぞれの種族が持つ力を最大限に引き出す、あるいは逆に抑制するための衣服は、一様ではないからだ。




結局、まふゆはいつも通りの、清らかでどこか浮世離れした白いドレスのような装束に袖を通す。アルビノエルフである彼女の力を最も自然に引き出してくれる、馴染んだ衣服だ。


鏡に映る自分の姿を見る。白い髪、緋色の瞳、雪のような肌。そして、昨日エドウィンに「果実」と暗喩された、ドレスの上からでもわかる豊かな胸の膨らみ。


そのことを思い出し、彼女は無意識に胸元を腕で隠した。昨日の恐怖が、まだ心の奥に澱のように溜まっている。




(……ミカゲさん、もう学校に、来てるやろか)


ふと、彼のことを思う。

感情の読めない、黒装束の影人。しかし、昨夜、自分を守るために見せた絶対的な強さと、不器用な優しさ。


彼に会いたいような、でもどんな顔をして会えばいいのかわからないような、複雑な気持ちが胸の中で渦巻いていた。


まふゆは深呼吸を一つして、心を落ち着ける。

「よし」と小さく気合を入れると、彼女は部屋の扉を開け、教室へと向かった。


廊下は、昨日と同じように様々な種族の生徒たちで賑わっている。しかし、今日のまふゆには、その光景が昨日とは少し違って見えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ