表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の少女は三人の男に愛される  作者: 有氏ゆず
第一話 少女は学園へ入学する
11/71

1-10




「ミカゲさん……」


人の剥き出しの悪意に初めて直面し、まふゆの菫色の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちる。

しかし、彼女はただ守られているだけの存在ではなかった。


(うちも、戦わな……!ミカゲさんを、一人にはさせへん……!)


純粋な善意と、彼を助けたいという一心。

まふゆは震える手で印を結び、桜色の唇から澄んだ声で呪文を紡ぎ始める。


「万象に宿りし白き息吹よ、彼の者の四肢に力を、その魂に闘志を……!」


それは、対象の身体能力を一時的に飛躍させる支援系の白魔術。彼女の魔力に呼応し、淡く、清らかな光がその手に集束していく。


その光景を見た瞬間、ミカゲの表情が初めて凍りついた。




「──やめろ、まふゆ!」


今まで聞いたことのない、焦燥と苦痛に満ちた叫び。

彼は弾かれたように振り返り、まふゆの手を止めようと手を伸ばす。


その純粋な治癒と支援の光は、影に生きる彼にとって、触れれば身を焼く猛毒に他ならないのだ。


その滑稽で、悲劇的なすれ違いを見て、エドウィンは腹を抱えて大笑いした。




「ハッ、ハハハハハ!傑作だ!なんて素晴らしい無知!なんて純粋な愚かしさだ!」


甲高い笑い声が霊廟に響き渡る。


「まふゆ君、君は知らないのかい!?影人にとって、君たちエルフの白魔術は『毒』なんだよ!君は彼を助けるどころか、内側から焼き殺そうとしているんだ!」


その残酷な真実に、まふゆの思考は完全に停止する。

手に集まった優しい光が、今は禍々しい呪いのように見えた。


ミカゲの悲痛な顔と、エドウィンの嘲笑。

すべてが、悪夢のようだった。


「あ、あかん!止まって!止まって!!!!」


まふゆの悲痛な叫びが霊廟に響き渡る。

自分の善意が、ミカゲを殺す刃に変わってしまった。その恐ろしい事実に、彼女の心は張り裂けそうだった。


パニックに陥り、魔力の制御が効かなくなる。手に集まった純粋な光は、暴走寸前のエネルギーとなって激しく明滅し始める……!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ