よばれたのは
「 おれがたすけたニヘエさんが、そんなことしちゃだめだ! 」
ユズスケが泣きそうなこえでさけんだ。
「 眉毛をもってきたのンはおまえじゃ!よおくみておけ! さあ、この眉毛の主は『ジョウカイ』じゃ!はよオこい『ジョウカイ』! わしが頭から喰うてやる!」
《ニヘエ》にこたえるように、『ひとのかたち』の頭から足の先までまきついた蛇がいっきにもえあがると、中にあった『ひとのかたち』がそこへあらわれた。
「 んう ―― うん? ・・・おまえがジョウカイか?」
ニヘエはあらわれた者から発せられる気配にとまどった。
この気配は、人ではない。
そこにあらわれた『ひとのかたち』の者は、きたない着物を着た大きな男だった。
がりがりと首元をかくと、すわりこんで泣き顔をあげている子ダヌキをながめ、「・・・おい、てめえが、泣かしたか?」と低い声できいた。
「 あん? ああ、そいつがわしの手伝いをしてくれてな。おまえの眉毛をとどけてくれたんじゃ 」
「ご、ごめん おれ、たすけたくって、」
鼻水と涙のあいだからおえつといっしょにもらすそれに、おおきく鼻息をもらした男はかがんで子ダヌキの頭をなでた。
「 よおやった。 ほんとうはな、ジョウカイにまかせて、ほめさせようとおもうたが、 ―― このおれの眉を『呪い』でつかおうとするやつがおるとはな」
たちあがった男が、太い髪がからまっておおう頭を、がりがりとかきながらふりかえる。
濃い髪がわかれてどいたその額には、人にはない角があった。




