太くて長い眉の毛
九、
「 っひ、 」
いきなりつきだされた顔に、ユズスケ声をあげてしまった。
きょうはもう月あかりもそれほどないのに、ニヘエの白く丸い顔がよくみえる。
「 とってきたか? はようだせ はようみせろや 」
社のなかからのびた丸太のようなそれについた気味のわるい顔が、気味のわるいわらいをのせて、ぐにゃりぐにゃりとユズスケをかこうようにさらにのびてゆく。
ユズスケは、懐にだいじにしまってきた眉毛をはさんだ紙をさしだした。
「 おお!太くて長い眉の毛だわ 」
ニヘエは紙にのった眉毛をしげしげとみていたが、顔をよせてからあわてたようとおのいた。
「 ―― こりゃあ、まあだ『力』のないわしにはつかめんのオ。 おい、子ダヌキ、その眉毛をつまんでわしのからだのよこにおけ 」
いいながらニヘエの首は、すう、っと社のなかへもどってゆく。
眉をつまみあげたユズスケは、足がふるえないよう力をいれて、社のなかにふみこんだ。
人ではありえないかたちになったニヘエのからだへ近づくと、すぐ横の莚の上に、そっと眉毛をおく。眉毛は莚のあみ目に紛れてしまいそうだった。
目をとめてくださるかた、おつきあいくださっている方、ありがとうございます!
あと少しです。。。




