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ヨツ沼のニヘエのはなし  作者: ぽすしち


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べつの《ニヘエ》



   お れ は、あんなところへは、はいらんぞ



 きづけばおのれを『わし』とよび、魚をとるいがいのことは考えられなくなっている。

 おのれがどんどんと《ニヘエ》になっているのを感じるが、山狩りにもあわずにここまでうまく逃げおおせてきたおのれが、こんなところで呪われておわろうなどとは、ゆるせない。



 はらがたってくやしくてしかたがないその念が、積もりに積もり、《ニヘエ》は最早もはや、べつの『のろい』となり、そのままヨツ沼へとどまった。



 小屋の土間とヨツ沼のひとつをつなげ、ときおりとおる旅人をその沼の端へおびきよせてとって喰った。

 

 そのうちもっと念がたまって『力』もたまり、沼から川をさかのぼって、川端にある村をおそい、橋をわたる者を喰っていたら、あるとき《ニヘエ》をとじこめるために大勢の坊主が《ヨツ沼》へやってきて、土間とつながる沼は埋められ、小屋にいた《ニヘエ》はつかまって網にとらわれ、やしろにとじこめられてしまった。



 さすがにもう、ひとをとって喰うことはできなくなったが、それでも《ニヘエ》は消えずにのこった。



 坊主たちが《ニヘエ》を閉じ込めた後に、もう安心して魚がとれると《ヨツ沼》にやってきた漁師たちがあったが、『おいてけエ』とおどかしてやれば、すぐにいなくなった。

 退治にきた坊主どもに念仏をぶつけられ、社にとじこめられて、たしかに『力』は弱まっていたが、閉じ込められたことにさらに腹が立ち、ここで終わるものかとまたうらみが積もり、『力』ものこった。


 あとすこし、なにかの『力』を得られたら、ここを抜け出すこともできるだろう。




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