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ヨツ沼のニヘエのはなし  作者: ぽすしち


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漁師のまねごと




     ぼっ っぢゃ  っぢゅぶぶぶ



 網はひらくこともなく、ただのかたまりのまま、おおきな水しぶきをたて沈んでいった。




 しずんでゆくあいまにうまくひらくかもしれないとおもいながらあみにつながったなわを引く。



 網はなげいれたときのままかたまりでひきあがった。



 


   漁師のまねごとなンぞ、そんなかんたんにできるわけもねえ




 それはこの網をかついだときから思ってはいた。




   『 網はまあ、ひらかんじゃろが、魚はかってにはいってきよる 』



  

      そんなことあるわけねえや



 おもいながらも、沼をにらみ、「 ―― おれは、《ニヘエ》だ」名を言ってから、おなじように網をなげた。





     ぼっ ぢゃ っつぢゅぶぶぶぶ




 さっきとおなじようにおきな音をたてて網はしずみ、ころあいをみて、《ニヘエ》はなわをたぐりよせた。



「  お  」



 あみが、ひどく重い。



 さては沼底の石でもひろったかとおもいながらさらに引く。



 ぐいぐいとよせ、網がみえてきたところで、ひらいたはずもないあみにとらわれ、もがきあばれる魚の気配がした。



「 とれたんか・・・」



 たぐりよせる網が重いのは当然だった。


 沼の淵にまでよせた網の中には、たくさんの魚がはいっている。


 ひきあげた網の中には十を超すほどの、いろんな魚がはいっていた。




 ところが、網からビク籠へとそれを移そうとしたとたん、まるでそれらの魚にヒモでもついていたように、魚がつぎつぎとすべるように沼へともどってゆく。



「あ!まちやがれ!」


 《ニヘエ》があわてて腕でかこい、どうにか三匹は残った。


「ちくしょう、みてろ」


 二度目に網をなげいれるときは、はじめから「おれは《ニヘエ》じゃ」とおおごえでいってからなげいれた。






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