孤島と友情
時々書いているとオマージュを入れたくなるので、遊んでいるんだなと思ってもらえれば… Ҩ...✍︎
「さて、そろそろお前たちが住むところの説明でもしてやろう」
「いよいよだね!」
「魔王にここまで施されていることが、今までの価値観が何の役にも立たないことが先ほどの戦いを含めヨーーくわかります。それに王国は魔王を倒せと昔にほっぽり出されましたが、例外な魔王でなければ即死でしたね」
「切り替えを無理矢理にでもした私たちはとても強かになれるよ。勇者様快適に過ごせるようにどんどんお願いしましょう!」
「少しは遠慮してほしいし、できる限りのことは自分たちでなんとかするつもりだよ。甘えてはいけないからね」
「ははは!女というものはここまで強かになるものなんだな。ある程度は何とかなるようにしておるから安心せい。子供が20人以上になると、色々と手狭になったり困ることが増えるだろうがな(白弟子よ、惚気て雑魚が粒子になってしまっては困るからな。うまく自重しろよ)」
「覚悟を決めたものは強くなるものよ。それに守るべきものが増えるからね(魔王、僕はこの白級にとても魅力を感じているんだ!惚気だけに時間を使うわけにはいかないから安心して欲しい)」
魔王と勇者は既に気があった親友のようなやり取りもしていた。
これは先ほど最上級魔法でぶつかりあったことで更にお互いを尊重しあったからである。
ブラックが用意した家はかなり広めに作られており、孤島の端に位置していた。
勇者が全力で魔法を使ってもよい結界を施したスペースや仲間たちが趣味で何かできるようにと広めの敷地を用意していた。
この趣味は魔王が一人で過ごしていたからこそ、没頭できるものがなければツライと思ったからでかなり配慮していたのであった。
・・・・・
現在家を引き渡してから数十年が経っていた。
勇者の白魔法は魔王の想像を超えるスピードで伸びていたが、同時に勇者は70歳になったおり身体のピークを終えようとしていた。
また現在は9人の息子、息女に囲まれており、側から見れば順風満帆と言った状況であった。その中でも白魔法を引き継いだのは3人だけとなっており、勇者のポテンシャルを超えることはなかった。
魔法のエキスパートになるには生まれた時に色の加護を得ていることが重要になってくるが、3人は持つ事なく生まれており、逆に高い知性を有していた。
そしていよいよ時期がきたと思った魔王は王国の簒奪について話しをするのであった。
魔王がこだわる理由としてはどこに転生しても治安がよく争いが蔓延るところへ生まれる可能性をなるべく下げるために動いているのであった。
「白弟子よ、そろそろ肉体的にもピークを迎えているだろ。そろそろ動くとしよう」
「うん。そうだね。今の王国はひどい有様だったよ。黒師匠のように寿命を伸ばす方法は見つけられたけど、残りの生命力からしてもやはりそこまで僕の魔法じゃ伸ばせなかったからね」
現在の王国は前皇太子が皇位継承を行い王として君臨していた。勇者一行を毛嫌いしていた人である。
傍若無人の政策などで国民が疲弊しており、国力としてはかなり落ちていた。好き勝手するための政策でまさに乗っ取るには良さすぎる下地ができていた。
「白に黒の加護をつけるとどうなるか非常に見てみたい気もするが今更心配しても仕方ないか。俺は自分のことのように心配になっているんだよ」
「いつまでも頼っていられないからね。しっかりするから安心して転生して欲しい」
「そろそろ仲間、いや妻たちに話しをしないといけないだろ。病んでこい」
「はは。気が重いけどこれは僕もみんなのためにする必要があると今は強く思っているからね。行ってくるよ」
魔王と勇者、いやブラックとブランクは既に親友とも呼べる存在になっていた。
お互いに認めあい師匠と弟子と呼び合っているほどには。
男の友情なのか色同士の相性なのか、高レベルな存在になることで感じる疎外感からなのか、住んでいる島が閉鎖的だからか、要因を上げるときりがないくらいであった。
・・・
「黒師匠、なんとか納得してもらってきた…」
「1週間で済んだら早い方ではないか」
「反発が強くてね。やはり安定したところで、子供達に囲まれながら天寿を全うしたいと思う気持ちはわかるが、成人した子供達の力を借りることで、隙が無くなるのであればやはり来てもらうしかないからね」
「俺は行けないからね。頼んだよ」
「そろそろ本格的に準備と子供達に作戦と教育をしてくる」
「灰弟子がこれからこれからずっといることも言っておけよ」
ここで本格的に準備をしていた。
ブランクの準備は主に簒奪後の政治についてであり、混乱なく認知してもらう方法であったり、行うべき政策を用意しておき、資金の調達方法などに考えをめぐらせ、役割分担をしていた。
もはや武力で負けるはずがないので、そこに割く時間など配置を考えるだけの一瞬になっていた。
またブラックも灰弟子のバルディルをと呼び出しており転生の準備をしていた。勇者が師匠にしていることを知り、どうしても自分も見て欲しいと頼まれ灰弟子になっていた。
おおよそ話しはできているので最終調整であったり、転生魔法を使うための調整がメインになっていた。
そして灰弟子からの猛烈なお願いで自分の墓を自分で作ることもしていた。
毎日祈りを捧げるものが欲しいと言われ、ここには知らぬものは来ないと思い、馬鹿でかくて黒に相応しい墓を興が乗ったので作ってしまったのであった。
ブラックも情がでてとても可愛らしいと思うブランクの子供達がどうしても困ってしまった時に何かしてやりたいとも考えるようになっていた。
色無3人に加護をあげようとしたが、ブランクに止められた時は「魔法以外の天明がこの子達にはある」といって必要ないと言われ落ち込んでいることもあった。
もはや魔王の威厳はどこか昔に置いてきているブラックであった。
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