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白級と黒級

・・・ブランク・ホワイト・・・

「魔王!今日こそ倒してやる!といつも言っていたので言っただけだが、前回の回答をさせてもらう」

「どんな答えを出したのだ?」

「ここに住ませてくれ。これが僕の答えだ。頼む」

「そうか。そう決断したんだな。やはり王国の状況は良くないか」

「色々とアイテムや素材、それに魔王自身の素材を分けてもらっていて今日まで耐え抜くことができた」

「俺としては最高のおもちゃが壊れないようにしていただけだがな」


魔王としての威厳を保ちながら照れ隠しをする、可愛い魔王を見れる貴重な機会がきていた。

勇者は目配せで簒奪の話しなどはやめて欲しいと伝えていたが、魔王もそれを汲み取り話題に出さなかった。魔王はおそらく話しができる状態ではなかったことを察してくれていたのだ。

魔王と勇者は今までお互い以外に同等の者や打算なく付き合ってきた者がおらず、長年戦いあってきた二人は気が合っていた。まるでどこかの海の王とどこかの拳骨爺のような関係に…


また勇者の仲間はあの話し合いの後、再度集まりしっかり今後について話していた。

これからのことを皆んなで納得できるよう建前を用意したり、今まで魔王討伐という名の大きな枷のせいであまりできていなかった娯楽などそれぞれ楽しんでいた。吹っ切れた勇者一行はかなりはっちゃけていて、勇者以外の仲間は今日全く戦うつもりで来ていなかった。

それは枷がはずれた2人の野獣とシルバー家の関係を断ち切り、自分の居場所が確立できた1人の魔法使いが勇者と深いまぐ愛ができるようになったことで魔王に感謝している節もあったからである。

このまま()()遅れ、老衰するまで搾取されるか殺されるかの未来しか見えていなかった3人に見えた、理想の未来が魔王によって開かれ、女としての生をまっとうできることの幸せで頭がいっぱいになっていた。

そこに簒奪と魔王の転生の話をぶっこむことで不安にさせたり、またパニックを起こさせないように落ち着くまでは話せないと感じ、これは子供がある程度成長してから話すことにしようと決めたのであった。


「ふむ。仲間たちは今日戦う気が全くないようだが」

「いつもの間隔よりここへ来ることが遅くなったことで理由はわかっているだろ?」

「ははは!お前のせいで押さえ込んでいたものが爆発したのだ。力は貯めるだけ解放した時の威力が高いことは、世界が誕生した時から決まっている真理よ」

「身にしみて感じているよ。魔王!僕は戦うよ!あの日もらった力をぶつけてみたい!」

「お前が戦わないと言っていたら追い返していたところだぞ。それにあの力が見れることは非常に楽しみだな!」

「魔王は僕と戦うために今回の提案をしてくれていたから、その恩はしっかり返すよ!」

「欲に負けていなくて俺は安心したよ。それに勇者よ弟子感が板についてきたなぁ?ブラック師匠と読んでみるか?」

「なっ!?くっ…これからは倒すべき相手では無くなるし、僕はこれからも魔王を超えるために魔王の教えをもらったり戦いをすることになるし、今後魔王の擁護下で過ごすことになるし…」

「…何をブツブツと。間に受けているのか」

「心の切り替えができたら呼び方を変えることにする…」

「…そうか。なら今後は白弟子と呼ぶか。今度腹心の灰弟子との戦いもみて見たくなってきた」

「白弟子!?変な呼び方するなぁ」

「まぁとりあえず一戦やるぞ、雑魚白弟子。新しい力を見せてみろ!満足したら雑魚は抜いてやる」

「雑魚が増えてる!?魔王から見たら雑魚だけど、僕が雑魚なら他の人は粒子になるよ」

「一振りで消えるから粒子でも間違いではないぞ」

「…」

「強すぎるがゆえにほとんどの者の強さは比較などできないのだよ。侵食級が使えるから俺は偉い、強いと言っている奴らに、黒級まで到達したお前ならわかると思うが、使えても使えなくても同じだろと思うことと一緒だ」

「あぁ、言いたいことが分かってしまうのが悔しい。やはり白級は一線を越えている強さだな!」

「モノトーン系の魔法は色付きよりも強い傾向があるから、特に俺らは白と黒でしか計り合えないものだ」


すでにお互いを敵ではなく友?ではないが勇者からは恩人、魔王からは手元におもちゃがきたと言った感覚のため、ほんわかする雰囲気が漂っており、勇者の仲間からは薄い目を向けられていた。

二人の戦いは黒級魔法と白級魔法のぶつかり合いになり、世界各地で地震が起きる状態となっていた。

戦闘後改めて結界を貼り直す魔王の口角は上がりっぱなしであった。

また今回魔王は初めて勇者との戦いで黒級魔法を使用しており、練度の差で隙を与えない結果になっていたが、最上級の天敵魔法はやはり強力で興味深いと感じている魔王であった。


一通り最上級魔法のやり合いをした二人はそろそろ切り上げようとしていた。


「やはり練度が足りないな。それを極めるには、やはり寿命が足りん。人間はなぜそんなにも早く逝くのだ」


人間の寿命は100歳まで生きれば長生きしていたと評価され、寿命は80前後であった。

だがこの時代は争いが絶えていなかったこともあり、寿命を迎えるのがかなり少なかったので正しい評価が広まるまでに数十年かかることになる。

ちなみに魔族は種族にもよるが短いもので200〜300年ほどの寿命になっており、500年が平均になっている。

ブラックに関してはほぼ不死状態なので寿命はなく、腹心であるバルディルも加護を得たことで寿命の概念がほぼなくなっていた。


「僕は聖属性の影響で150歳くらいまで生きられると思うよ。今回の白級を使えることができるようになったから寿命は普通の人の倍くらいになったと思う」


聖属性はご都合主義が強い魔法である。


「さて、そろそろお前たちが住むところの説明でもしてやろう」

ご指摘などございましたらありがたく頂戴いたします。

評価やコメントいただけたら励みになります。

……✍︎(-ω-`*)

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