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解放と氷場

年末年始は毎日出すぞー!


「ここで決める」


マードックは床に剣の刺し跡をつけながら高速で移動しており、レイに迫っていた。


「氷の上を動けても地の利は僕にあるから落ち着いて対処するぞ」


マードックは不利な立場にありながらもレイに剣を届けており、レイは自身に迫る剣は自身の武器である短剣で何とか応じていた。明らかに剣の利はマードックにあり、少しづつ対応が間に合わず傷跡を増やす状態になっていた。

その間レイはタイミングも計りながら、アイスニードルで攻撃を仕掛けており、うまく死角に来てたであろう攻撃を逸らしながら対応していた。やはり無詠唱のため予備動作やフィールドに張られた氷で攻撃の予兆が無い分マードックも傷を負う展開にはなっていた。


「そよ風は吹き続けろ、ウィンド」

「寒さで攻めてきたか」


レイはアーテルとの訓練で基礎魔法系は習得できており、やはり薄クラスを無詠唱でできるようになった影響が大きい。レイは今回風を起こしその辺に散らばってるアイスニードルの破片を含めて風を起こすことで視界を少し悪くしたり、低体温による動きの制限を起こす方向で攻めていた。


「ん?」


マードックは少し違和感を持っていた。風が吹き始めてしばらく経つと自身の思う通りに剣を捌けていないことや狙っているところに攻撃ができていなかったりしていた。

それまでは攻撃を通せることがあり、攻め手には欠けるがバランスが崩れた方が劣勢になると言った感覚はあったが、現在自分のバランスが崩れているかもと思い始めていた。


「風と共に破片を散らしての嫌がらせ、吹き続ける風は体温をどんどん下げる。このままではジリ貧か」


レイは相変わらずアイスニードルでの迎撃を徹底しており、他の情報を与えていなかった。


「全開でやるか」


オーバーリミットの最終手段として濃クラスまでは時間制限付きで1ランク上の強化ができるようになっている。

今回マードックはその手段を使うことでステージ7まで自身をかち上げることにしていた。当然時間が切れた後はペナルティのようなものがあり、しばらく再使用不可、かつ魔力欠乏症のような状態もしばらく続くことになる。侵クラス以上の強化は文字通り次元が上がり、特に脳の強化が変わってくる。今まで生きてきて串刺しになりながらも目に負えないスピードで動くといったことは経験することがないので、そこの対応を含めて脳の強化要素が上がってくる。脳の状態もそもそも慣れていないと扱えない。また自然回復力も上がるので傷の癒えも早くなっている。


「当てにくいなら全体を攻撃して逃げ道をなくす!お前はずっとそこからほとんど動いて無いはずだ!ここから半分を隈なく斬り刻む!」


レイはアイスニードルで応対していたので、実際あまり戦闘開始から移動していない。そしてマードックは剣をブーメランのように投げて全体を攻撃する算段であった。投げられている剣もブンブン音を出しながら爆速で手から離れた後すぐに戻ってきている。もし投げた直後に制限時間がきて手元に剣が戻ってきた場合、その勢いだけでマードックはダウンするくらいには威力がある。


「おらおらおらおらっ!」


マードックはかなりの手数で剣を投げていたが、手応えはあまり感じていなかった。


「君は周りが見えていなかったみたいだね。これで終わりだよ」


マードックは剣先が自身の体を通って目の前に見えていた。


「ぐふっ、いつのまに背後に回っていたんだ!」

「時間制限使うとか言い出したくらいからかな」

「どういうからくりで...」

「それは次に影響するから言えないね」


実際レイはスピードにそこまでついていけてる訳ではなかったので、攻めあぐねている状態であった。そこでジリ貧を脱するために仕掛けてきたタイミングで、氷の自像を作り出し、悪い環境に紛れて裏に回っており、あくまでそこにいるかのように振る舞っていた。自分の魔法なので視界を確保することは容易であったのだ。そして散らしてるように見えた破片も自身の隠れる場所となりそこでマードックの出方を伺っていたのである。最後は氷の上を滑って相手のところまで向かいその勢いで刺した形になる。氷の上を滑る魔法、、、アイススケート...


『勝者レイ!』


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