勇者と邂逅
ストックしたため中 カキカキ……✍︎(-ω-`*)
・・・ブランク・ホワイト・・・
「魔王に見逃された。僕が弱いばかりに相手にもしてもらえなかった」
「「「…」」」
勇者パーティ一行は悔しさを噛み締めていた。
盾使いのバミアン、剣使いのアトリエ、銀魔法使いのマリエル・シルバーの4人パーティである。
銀魔法使いは回復系の癒しを与える魔法の色になっている。
「とりあえず報告にいくか」
「のこのこ帰ってきたとなると文句を言われるのではないでしょうか」
マリエルは自分の家からも非難されると感じているので、行きたくない気持ちを抑えず話していた。
「魔王は倒すにしても、今のままでは到底かなわないだろうし、当面はレベルアップに専念するべきと思っている」
「その通りですが、お偉いさまたちはお許し頂けるのでしょうか」
「なんとかお願いしてみるしかない」
・・・20年後・・・
勇者一行はなんとかレベルアップする時間や資金を、色々条件や文句を付けられながらも得ることができていた。
これまで何度も魔王に挑戦しているが、どこで鍛えるよりも魔王と戦った方が一番レベルアップしていることに気づいていた。
「魔王を倒すために、魔王に鍛えられている感じがして複雑な気持ちが拭えない」
「魔王も悔しいことに楽しんでいるみたいで、まだ私たちを殺すつもりはないようですね」
「強くなっていることの証明やこの環境を長続きさせるために、なんか色々頂いているので、正直助かっている部分はありますね」
「いつまでも甘えていられない。少し情は出てきてしまったが、本来は魔王の討伐が僕たちの使命。いつまでもこの環境が続くとも限らないから、早めに決着をつけよう!」
・・・ブラック・ガルディオン・・・
勇者が初めて俺を倒すために来て早30年。
勇者のレベルアップが遅いと感じていた俺は戦いながら成長させる方向にシフトしていた。
国が支援もしやすいように、前魔王が蓄えていた武器や魔導書、貴重素材など強くなっていくほどいいものを渡して、ここへ来るために十分な準備をできるように計らっていた。
「ブランクはそこそこ強くなってきたが、まだまだ弱いな。白魔法の使い手がいないから魔法の指導が異なっていて国では脳筋するしかないんだろうな。俺が白魔法を開発しても唯一相反しているからか、なかなか納得するものが作れない。情報はあげているから強くはなっているがハマってない感がやはりあるな」
ブラックは初めて前魔王が集めていた物を調べてみることにした。
宝物庫には無数のガラクタに見えるものが存在した。
そこにはブラックが暇つぶしに作っていた魔剣や魔道具が大量に転がっており、人間界では国宝級のアイテムがごろごろしている場所であった。
「白魔法に関連するものがあればよいがな。ここをきちんと調べようにも煩雑にものが置かれていて、気にしていなかったな」
魔法を唱えるとみるみる整頓がされていき、貴重品博物館のような状態に一瞬でなっていた。
広さは端から端まで歩いて20秒ほどになっていて、作り捨てていた魔剣類も整理されていた。
「ん?なぜこれだけ魔法に干渉されず、床に転がっているんだ」
綺麗になっていた宝物庫に唯一魔法の干渉を受けず転がりっぱなしの木箱と錆びた剣が落ちていた。
「俺の魔法の干渉を受けないとはこれは期待ができるな」
木箱に触れようとすると、最強の魔王であっても感じる強い波動がでていた。
「俺だけが感じるこの波動。これがあったから今まで見ようともしていなかったと考えると納得がいく」
この木箱と剣にはブラックに迫る強さがあり、白魔法使いでも純白の色を持つもののみが扱えるものであった。
「勇者は純白気質があるから、これは使える可能性がある。次回はこれを渡して見ようかの」
ブラックは直接触れない上、他の魔族にここの存在、場所を公にしたくないので他の者にも任せられないでいた。
「今度こそお前を倒して平和を取り戻す!」
「相変わらず元気がいいな」
「悔しいがお前のおかげで僕は強くなっていることを実感している。それもここまでだ!今回はなんとしてもお前を倒す!」
「いつもと違って今回は本気か。ここ数十年はお前らもレベルアップができるいい相手と思っていただろうに」
「もう必要ない!新しく使えるようになった侵食級魔法がお前を倒すきっかけになる!」
「そうか。かかってるがよい」
「ホーリーエリアチェイン!モノリバーサル!」
ホーリーエリアチェインは濃色級で対象を一定のエリアにデバフ付きで閉じ込める魔法であり、モノリバーサルは白魔法の極致である対黒魔法特効魔法である。白魔法の効果が通常より効き易くなり黒を塗り替えていく効果がある。
「これは。よくぞここまで達したものよ。まだ侵食級が完全ではないもののなかなかに強力な魔法であるな。この程度ではまだ俺に刃は届かないぞ」
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