学長と定義
学園長に呼ばれているアーテルは学園長室に向かっていた。
こんこん
「アーテルか?良いぞ、入ってまいれ」
「失礼します」
「まぁ席について茶でも飲もう」
「どういったご用件ですか」
「焦るでない、じじいの話しを少しは聞いておけ」
「は、はぁ」
「先ほどはなかなか見事な結界だったのぉ。わしが中の状況を見ることが叶わんかった」
「いきなり暴れてすいません」
「別に良いんじゃ。あれは殺し合いとかにならないと思ってたからのぉ」
「以後気をつけます」
「アーテルよ、わしはな、空間魔法の一族として生まれての、兄弟の中でも一番優秀であった。学園に権力、派閥、危険、管理などでこの魔法は重宝しておる。アーテルはホワイト家でどう魔法を教わってきた?」
「ホワイト家は現在誠に残念なことに充実した教育はありませんでした」
「ふむ。では独学ということかね?」
「話せない内容になるので触れるだけお話ししますと、家宝はすでに俺が受け継いでいます」
「なるほど、それが現在の魔法レベルを納得してくれということか」
「…」
「…この国の建国者はブランク・エクリュオン・ホワイト様と言ってな、現在はブランク・エクリュオンと知られておる。建国者であり勇者であった方の直系に当たるのがお主の家だ」
「…(何が言いたいんだ?)」
「わしはホワイト家が没落することで国が倒れるのでは無いかと心配していてな。あの建国者の家名が残らなくなった時に厄災がくるとわしの家では言い伝えられておる。だから今回その名を返上していけるものがおり、わしはなんでも力になってやろうと、お主の味方だと伝えたかった」
「そ、そうでしたか。ありがとうございます。何かあれば頼らせていただきます」
「うむ。この話しを早くしたくて呼び出してしまって悪いな。もう戻って良いぞ」
「はい。ありがとうございます。では失礼します」
「おっと最後に一言、外に出る際はここを経由して行っても構わんぞ。そして他にバレるでないぞ」
「!?」
「ほっほっほー、流石に顔にでておるぞ。まさかバレているとは思ってなかったといったところかのぉ。安心せい。根掘り葉掘り詮索する真似はせん。だから早めに話しておきたかったのだ」
「…流石学園長ですね。精進します。では失礼します」
きぃぃ、かちゃん
「(え、ワープ使ってたことバレてるんか!やはりこの学園では学園長の手の上ということか。まぁ許してくれてるみたいやし、特に問題にもならなそうだから、気にしないで良いか。たまにあそこで話しくらいしても良いかな。ホワイト家のことちゃんと知ってそうな人だったし)」
「あ!アーテルおかえり!何か言われた?」
「特に何もなかったよ。一番成績優秀だったからちょっと話したみたいなところだよ」
「そうなんだ!」
「アーテルはこれからどうするの?」
「とりあえず1Qの間は必須が無いところは適当に授業受けてみるよ」
「授業受けるんだ?意外だね!アーテルならもっと剣と魔法を鍛えると思っていたから!」
「まぁ今は十分だからここでできることをしておくさ」
1年生の1Qは主に基礎の授業が多く、アーテルは戦闘系以外の授業にはちょこちょこでていた。
またこれからのQごとの試験は実技のみとなっており、授業を必須で取る必要があるものだけ座学のテストも行うことになっている。
クラスの者との接触も最初のインパクトで関わることがほとんどなかった。
1Qの試験が終わると実践があったり、チームでの模擬戦があったりするので、これから関わることになるのであった。
クラスごとに自由な時間が異なるので、基本的に現在のクラス同士でチームを組むことがほとんどであり、メンバーの変更は一度申請すると学園の許可制になる。
例年では貴族家と魔法家が揉めるのだが今年は特殊な揉め方であった。
5年生までになると、ほとんどこのわだかまりが消えるが、今年の1年生は波乱がありそうだと学園長は感じていた。
・・・
1Qの期間が終了し、最初のクオーター試験の日がやってきた。
ここで最初のクラスの昇降格が発生するが、基本的には濃と侵、薄と色がメインとなっている。理由としては初期値の差を1Qで覆すことは非常に難しく、基本的には2Q以降に実践や学年別闘技大会、学園闘技大会と実力がついたり上がったり、相対評価できる場面がたくさん来るからである。
そして今回の試験は入学時に行った最初の2項目である、人形でのダメージ測定となる。
学園もここの評価をあまり重要視しておらず、やはり相手がいてからこその評価が重要となっている。
試験の結果、大きな変動なく推移しており、概ね入学時と同様だったが、侵クラスから最初のぐちぐち言っていた貴族家の一人が濃クラスのカラーとチェンジすることになっていた。学園長である担任は苦笑しかしなそうだと、侵クラスの人たちは思うのであった。
偉そうにしていた人が落ちた時の末路は悲惨になりがちだが、果たしてこの名もない貴族は名を与えられる活躍ができるだろうか。落とされるかV字に戻るかは展開次第である。
さてここでこの世界の1年の数え方だが、24時間/日×7日/週×4週/月×13月/年 で1年となっている。月の数え方はストーリー有りきで存在するが必要になったら都度説明する。
クオーターは3ヶ月×4Q+1ヶ月となっており、この+1ヶ月は【黒月】と呼ばれており、多くの人が一年で最も不吉なことが起こる月として、主に商売をしている人たちは休息することが多い。また魔物を狩っている者たちも一番慎重になる月でもある。学園もこの黒月の間は授業などはなく、自主性に任せている。
そのためテストが終わって1日休みがあった後、そのまま2Q目に突入する形になっている。
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