魔法と評価
ルビ振ること毎回忘れてしまう…
「それでは魔法の試験開始!」
アーテルは刀を使った時はやりすぎたと感じたが、致命傷は他にも2人いて一人目立ちすることは避けられて一安心していた。しかし致命傷を与えることは今の年齢では珍しいことで、戦いがすぐそばにないと、こうも良い意味で平和ボケするんだと感じていた。
依然魔物の危険などは存在するが、政治の色に強まった貴族たちやカラーたちは魔法を後回しにしていたことが理由であった。
それぞれまた同じ要領で試験を進めて行っていた。
アーテルは人形の評価が先ほどとは違いレパートリーがかなりあり面白いと見ていて思っていた。
考えて見れば元々魔法用に作られているので、物理より魔法の方がレパートリーがあって当然かと一人で納得しているのであった。
それに魔法の詠唱をしているのにこの程度の力になっていることについても悲しくなっていた。詠唱は元々イメージをはっきりさせるために使われていたものであり、初心者が魔法の訓練を行う時に詠唱を行い、イメージの固定と感覚を掴むための手段であり、戦いの中で詠唱をしていると、その詠唱の時間がそもそもないかつ、どんな魔法を使うか大体バレてしまうのでナンセンスにもほどがあった。
それに詠唱は自分で決めることがほとんどでイメージ固定のためにアドバイスをもらうことはあったが、基本自分が考えたポエムのような文になるので、普通は皆んなの前で披露できるものではなかった。昔は何かの罰ゲームの一環で自分の詠唱を一つ公開するというものがあったくらいなのだ。
アーテルは流石に詠唱して魔法を使うと人形を破壊しかねないし、黒歴史を公開するつもりもないので、無詠唱で破壊するよりましと思い込み試験に挑むことを決めるのであった。
【火による全身火傷。肺火傷による呼吸損傷。手当次第で戦線復帰可能。】
【雷による感電。一時行動麻痺。損傷無し。】
【水濡れによる全身感電。色級ポーションで回復可能。】
【風魔法による外傷。薄色ポーションもしくは回復不要。】
この人形の評価は原因と結果を教えてくれるので非常に便利である。
自身のレベルをしっかり知ることができ、また実践が少ない学園では指標になる評価が得られるので、成長意欲も確保できる優れたものであった。
ちなみにポーションのランクは魔法と同じランクで管理されていて、ランクによって色が薄くなっていく。濃い青から薄い水色にかけて効果が上がっていく。
薄い方の効果が高くなる理由は自色を主張しておらず、どんな人でもすぐに順応して効果を与えられるからである。
濃いポーションは人によって味が変わることもあり、基本まずい。そして効果も薄いが、貴重な回復資源として重宝されている。
最上級のポーションは透明で光っているから液体がそこにあることに気付けるレベルになっている。
ちなみにアーテルが雷魔法で少し力を出した時の推定評価だが、
【即死。雷による全細胞感電。原因:心停止、全細胞の電気信号部位が損傷。】
このレベルの評価は難なく獲得できるが、見せるわけにはいかないので力を出すのではなく、いかに上手く手加減できるかを考えていた。
本気を出してしまうと人形が跡形もなく壊れてしまうので、面倒は起こさまいと頑張って手加減をするアーテルであった。
「レイです!氷魔法を使います!」
『よし、やれ。』
「凍てつく氷を顕現せよ!アイスロック!」
【半身凍傷。腹部損傷。損傷部色級ポーションで回復可能。凍傷による行動制限有。】
『…お前、剣も魔法もなかなかできるが魔法はやはりダメージが足りないな。よし、下がれ。次』
「ありがとうございます!」
短い詠唱で効果的なダメージを与えていることに評価があり、試験官からも褒められていた。
アーテルは氷魔法の真髄は損傷ではなく凍傷の方ということを身をもって理解しているが、本質を理解している人が果たして今どれだけいて、それを教えられる人がいるのか、もったいないと感じていた。
レイの現状は高い評価であり、上位クラスに振り分けられる可能性が非常に高い。
ここではポテンシャルではなく実力で判断されるため、今回の試験で上位クラスに振り分けられなくても、それぞれのあったクラスで訓練ができ、実力がつけばキリの良い時期に上位クラスへの編入が可能になっている。逆に日が経つに連れて最初の実力こそあるものの全体的なレベルが上がったことで付いていけなくなったものは容赦無く下位クラスへ編入となり、特権も剥奪される。そのため上位クラスの者はクラスが最上位に行かなくとも維持するだけの力をつけるために努力をする。また下位に転落した者は再度やり直して、上位に戻る者と、腐ってそこに元下位クラスの者からバカにされて落ちぶれていくものは半々といった状況になっている。
「アーテルです」
『よし。やれ!少し楽しみではある』
「(濃レベルなら問題ないと思いたい!)ホーリーレインアロー!」
【致命傷。聖の力で種族によっては即死。全身損傷。場所によっては致命傷。回復可能かは当たりどころによる。】
『すごいな!このレベルは久しく見なかった!よし、下がれ!』
「(よし!上手く手加減できた)」
「ホワイト家ってこんなに強い魔法使えんたんだ」
「没落寸前みたいだし、あの子が最後の希望なんじゃない?」
「無詠唱であのクラスってやばくない!?」
「あまり表に出てこなかったのは力を隠すためだったののか…?」
「もうすぐ無くなるカラーがでしゃばりやがって」
「アーテルね。チェックしとこ!」
周りの評価は多種多様で魔法のレベルは手加減したが高い方であった。
それにホワイト家の現状は皆よく知っているみたいだが、アーテルのことはそこまで知らない人が多かった。
「これで魔法試験を終了する!次は知力テストを行い、休憩後模擬戦を行う!各自自分の番号の教室に行き着席しておくように!」
ちなみにこの年で濃色魔法を使ったのはアーテルのみであった。
そして番号が振られている教室に向かい、一番後ろの端の席に座るのであった。
「準備はできたかの?テストを開始する。答案用紙を配る!」
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