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山神転生  作者: RERITO
第一章、どうやら転生をしたみたい
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5.ああんあお..うえいえあえあい...(こんなの...受け入れられるわけがない!!)

「はいよ。こんなもんでどうだ?」


「お、これはなかなか生きがいいっすね。」


「おぉ、これはなかなか」



二人のおっさんが、感嘆の声を漏らす。

子鹿と大鹿が、ドンッ!!と目の前に置かれたのだ。





ワイワイしてる3人に、もちろん私はドン引き...だってそうでしょ?地球の日常でこんなもの見たことないよ。少なくとも死んでる鹿なんてさぁ...



「ば、ばぶぅ...」



これに、私は慣れないといけないのか..、この野生身万歳のこの中で...



「どうした。赤ん坊には、ちと、刺激が強すぎたか?」


「ば....」



バカッそんなんじゃ、ねぇし.ただ、大きくてすごい獲物の黒い瞳がこっちを向いてるのがいたたまれなくて....



「じゃ、調理と、乳絞ったあと...みんなでご飯な!!」


「ば、ばぶ...」



う、凄い様だけど...私は、手を加えないんだよね。ならいいんだよ。





私は、狩られた鹿を見る...ふむふむ、こいつの乳を...



「ば...!?!ぶぅ?」



そして、私は大きなミスに気づいた。


こいつらは、男だから乳を絞ったことがない。そしたら、この鹿から乳取るのって無理じゃない!?!え?死んでるんだよ?いけるの?いけちゃうの?



「よっしゃ、じゃあ、やるかー....」



いや、やるかぁ...じゃなくて、適用とかも考えて?普通は、適用できないんだよ?待って待って...私、人の乳がいい!!人の乳をよこせ!!



「ばぶぁ!!」


「へぶぅ!!な、なにしやがる。このガキ!!」



そして、私はこのおじさんにアッパーを仕掛けた。


いや、ガキとかの年齢じゃないだろ。赤ちゃんぞ!!!もっと丁寧に扱え!!やばい。頭が焦りでバグってきている。



「ひ、ひとぉ...いとぉのちちがいい.」



そして、初めて言葉を発した。

私の初めての言葉は、人の乳がいい。だった。





ちなみに、歯は根性で生やした。

いきなりにょきっ!!って生えて、2人と1匹は動揺を隠せないでいた。



                ∞


「はぁ、しょうがないから、どっかの村からお裾分けしてもらうしかないか...」


「あ、いあい...」



今私の口は、無理やり生やした歯のせいで血でボタボタと垂れている。

どういう原理で歯が生えたのか...もしかしたら、魔法を私が使ったのかもしれない。


どんな魔法?w成長を促す魔法かな...わからない。でも、生えた。それだけで、十分だ。



「あれ?みんなどうしたの?大体この時間ってご飯食べてる時間じゃん。僕もご飯食べにきたよ。」


「いやぁ...そのなぁ...」



と、ことの経緯を話す。狼が鹿を狩ってきて、食べ物の話になって...おっちゃんが、アッパーかけられて...歯が生えたこと...と、話を終えると...



「あははは!!なにそれぇw歯がいきなり生えてきくるなんて聞いたことないよwこれは、傑作だ。後世に名が残るよ。」



うるせぇやい。別に生やしたくて生やしたんだよ。なにが悪い。


だから、ドワーフの顎がパンパンに腫れてるんだね。理解理解



「はぁ、しょうがないなぁ、久々に笑ったから、僕が直してあげるよ。《私は青の精霊 青くて輝く光の施しを神様ここに分けてください》」


「あー、顎がぁ」


「あぁ、あぁぁ...」(歯がぁぁ)



しんみりとした感じで、私たちは喜ぶ。喜んでると言ったら喜んでるんだ。

 

「ところで、どうしやす?ご飯....」


「人の乳がいいって言ってもなぁ....お前を外に出すわけには行かないし...」


「ふむぅ...やはり、我ということになるか...」



若干諦めた感じである。

赤ん坊の私が言っても、お前にくれてやる乳はねぇっね跳ね返されるだけだからな。


第一...歯が生えたら痛いのよ。とか言われそう...あ、分けてもらうんだから、別に関係ないのか。 



「よし、では、行ってくる。」



そうして、狼が乳を分けてもらいに行ってる間に、私たちは、料理をすることになった。




               ∞


「お母さん...ひもじぃよぉ...」


「今年も、がんばって育てるのよ。そしたら、いい生活ができるわ。この麦を、作りましょう。お兄ちゃんだったら、頑張って」


ここは、とある寒村の小さな家族だ。


「うぅ....お父さんは?お父さんは?」



 ....お父さんは、魔物退治に行ったわ。大型の魔獣は.私たちで誰かに頼らず戦わなければいけないのよ。


....うん。なんて言えないしなぁ...



「お父さんは、どっかでがんばってるのよ。」


「うぇええ...もう、疲れたぁ....」



この子も、育てないといけないし...



「はぁ...私一人じゃ、厳しいかしら...」



おぎゃおぎゃあ



「はい。よちよち...大丈夫ですよぉ」



あー、赤ちゃんと、この子の面倒...私には、重すぎるわ。肩凝ってきたし、大変...





「おいおい。大丈夫か?サエラ」



はぁ...また、来やがったよ。無駄に働かないくせに、どうして都合のいい時だけ助けにくるんだか...



「あー、大丈夫大丈夫。」


「そうかい?俺には、そうは見えないけどな...」


うるせぇっての、なんで私があんたの助けなんて求めると思ってるんだか...


「俺に手伝わせてくれ。あんな男より、俺の方ができるからよ」


「あー、いいよ。大丈夫もう、手は間に合ってるよ。」


「いいから、手伝わせろって...なぁ?w」



そういうと、前に立ちはだかって、くわを取ろうととしてくる。

こいつ..舐めてるね。私が女だからって


こんな忙しい時期に、重ねてくるなんて...うざいにもほどがあるんだっていうの。



「あんたが、手伝わなくても私たちはやってけるっていうんだ。だから、そこどきなよ。」


「うるせぇ、女は言うこと黙って、男の背中におぶさってればいいんだよ。」



本性...表したわね!!この腐れ外道が!!


赤ちゃんに刺激が起きないように、私は思いっきり脛にドカッ!!とにぶい蹴りを叩き込む。

 


「お、おい...脛はないだろう...脛は...」


「ふん...お前には、これがお似合いだよ。」



いってぇ...と、男が若干涙目で抗議してくる。

この女のどこに疲れが残ってるのか...

いや、そうとうに眠いのだろう。わずかに開いた目は、確かに睨んでいるように見える。



「わかったら、ささっと、家に帰んな。」


「こ、このアマがぁ!!」



といいつつ、クワを奪いとろうとする。意地でも、助けようとしてるみたいだ。


あー、もう、ほんとに諦めの悪い男だね。そんなんだから、モテないんだよ。



(酷い話である。)



しかし、困ったねぇ。こいつをどうするもこうするも、できないし...





と、ワオオオオン!!と、高い遠吠えが、野をかける。

疾風の如き狼が、目の前を通りすぎた...



「は?」 「え?」



と、思ったら、ギギッと、急停止をし...こちらへと、のそのそ歩いてくる。



「女...助けが必要と見たが...」


「あ、あぁ」


「ふむ、こう言う輩は、大体面倒だというのが、世の常だ。よい、今は」


「お、おい!!なに勝手に決めつけてやがっ...」


《風の精よ。そなたを、身元へ返しておくれ》



男の周りに一陣の風が吹き、空へと浮かび上がる。


おいおい。冗談だろ。助けてあげようとしてただけなのに、あんまりだぁああ


と言う声が、遠く村の奥に飛ばされて言った。



(なぜだろう。心が痛む。)



「あ、ありがとうね。魔法...なのかい?それは」


「あぁ、魔法だ。精霊に思念を飛ばして、作用する。ただの魔法だ。」


「す、すげぇ...かっこいいよ。この狼!!!」



目をキラキラと輝かせながら、見つめるボーイ

そして、まんざらでもなさそうに、ふんすっ、と鼻息をつく。



「して、女....我は今、人の乳を分けてもらいたくてな...」


「あ、あんた...そういう趣味でも...」


「やめろw違う。とある赤ん坊を、拾ったので、育てるにしても...な」


「すげぇ...すげぇや...この狼!!人に乳せがんでやがる。」


「人聞きの悪いことを言うんじゃ無い!!ボーイ!!」



ふーん、と、うろんげに、狼を眺める。

ボーイ...ならぬ、息子のテンションは、ぶち上がっていて...今までの疲れはどこへやら



「分けてあげるのは、別にいいだけどさ...ちょっとばかし、この畑を耕すの手伝ってもらってもいいかい?」



大狼を相手にして、こういう根性もしかしたら強者かもしれない。

かくゆう、狼も満更ではなさそうに、その程度ならと手伝おうとするが、



「ふむ、すまぬが、ちと、時間が惜しくてな。《風の精よ。この畑を耕したまえ...》」


「.....」



一瞬のことだった...あんなに頑張っても少ししかできなかった畑を物の数秒で作り上げてしまった。



「う、嘘でしょ...こんなこと...私たちの.苦労...」


「う、うむ...なんだ。一応、このあたりの畑は耕してもらったのだが....」


「あ、あたり!?」



驚きである。

まさか今の一言で、ここの村の畑を全て耕したとでもいうのか!!

今の!?!一瞬で!?!



「ちょ、ちょいと待ってくれ...」



頭痛が痛いとでもいうように、頭を抱える。

うん...なにが起こってるのかわからないや...






数分後



「あ、すまない。元に戻した方がよかっ...「と、とんでもないことしでかしたね!!あんた、ほれ持って帰んな。赤ん坊の元へ」



宙を舞うように、ミルクの瓶が狼に向かう。

それを器用に、歯で掴むと...助かる。と一言と共に疾風を纏って村を去った。



「す、すげぇや!!お母さん!俺...あいつを飼い慣らすよ。」



大志を抱いた若者は、興奮さめやらずという感じで.はしゃぐ...

あ、あぁ...そうだね。と、一言つぶやかざるをえなかった。



「きっと、あの山の神様の遣いだったんだね。」



遠く緑が盛る山を見つめる。


山神様...どうか私たちを見つめていてください。



        




             ∞


大狼が帰ってきた。

なにか、不服そうな顔をしている。いや、表情をしている。と思った方がいいかもしれない。


まぁ、得たいの知らないもの飲まされるよりは、こうしてちゃんとした種族のものを飲んだ方が美味しいに決まってる!!



「あぁ、おういうおいおあうあ...」



(訳 まぁそういう時もあるさ)ドンッと狼の肩を叩く。

なにか恨みがましい目をしている。構うものか!!


私は、今日一日のこのミルクに乾杯をするよ。



歯は、生えたけど、上手くはまだしゃべれない。仕方のないことだと思う。




どうしてこうなった...そして、回を重ねる事に長くなっていく。お、抑えねば...

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