12.はぁ、今日という日が、私はもう忘れられないわね。ある意味でっ!
「やぁ、っとでてきたわね。」
「あー、マジで、マジで最悪なんだけど、私、もうお嫁にいけないじゃない。」
声音とは裏腹に、どこか静かな怒りを抱えたすみなの声が響く。
『お前、なんで俺が自分で戦わなかったか?理解できてるか?』
「う、うわぁ、グーシャの声か聞こえくるんだけど...やだ、もう変な幻聴までも...」
『幻聴じゃねぇよっ!!クソッなんで、俺は、赤ちゃんなんかと....』
「それは、こっちの話だわっ!!」
『はぁ、もういい。過去の話だ....俺が、一人で戦ったら、お前を守りきれる自信がない。あのキノコの件は、運良く上手くいったが、今度はそうとも言いきれないだろ。』
「それに、ブルーとあの男の子が、殺られるかもわかったもんじゃない。
あのおかまが、ショタコンだからまだいいけど...二人がかりで、助けた方が、早い。そうでしょ...」
『そういうことだ。』
木々がなぎ倒され、湖が良く見え、目の前に二十三〜二十七mを誇ろうかという巨大イカが私たちを悠然と見すえている。
まだ、口に違和感があるすみなは、小さな右腕で強く口を拭う。
「うぇ...なんか、野生のキノコみたいなのが口の中を充満してるんだけど....取れそうにないわぁ」
ふと、地面に落ちている木の枝を、見つけた。
「ふぅ....無いよりは、あった方がマシかな..」
自分の身の丈より、少し尖った木の枝。
ふっと、少しだけ脱力感を覚えると、木の枝が徐々に伸びていき、鋭く細長い刃物のようなものへと変換していく。
元の世界の刀を彷彿とさせるその木は、自分こそが、あいつを屠ると言わんばかりの存在感を放っている。
片腕だけ...されど、その存在感が私に勇気をくれる。
「ふふ、私ゼロ歳なのだけど...」
体に青い液体が、こびり付いている。
元の世界でこんな赤ちゃんいただろうか...
「いや、いねぇわぁ....」
「ふんっ...二人だけ...一人は、赤ちゃん、もう1人は、おっさんねぇ....」
「あぁん?なにが言いてぇえ...」
となりで、イカとグーシャが話しをしている。
私、男ばかりに囲まれてるわね。見ようによっては、逆ハー...ないわね。
「おっさんなんて、私の趣味じゃないわよっ!!あたし、この世の中におっさんほど、醜いものはないと思うわぁ...この男の子たち見てみなぁ?可愛いでしょお?」
赤い顔は、茹で上がったイカ...のような...いや、うそ、真っ白だわ。気のせい気のせい。
「知らねぇよ。」
「ふんっ、あんたには、わかんないでしょぉおおねぇ!!」
いきおいよく、ブルンッと振るわされるイカの足...
しなやかに、それでいて、要らぬ水を弾け飛ばしながらグーシャに迫りくる。
「さてと...赤ちゃんだからって、油断してるようだけど、一泡ふかせてやりますかぁ」
自然の力とでもいうのだろうか、今まで感覚でやっていたことが、グーシャの力から、感じ取れる。
そもそも、赤ちゃん0歳は四つん這いで歩くことすらままならないものだ。
それが、生まれて一日でできるようになっているということからも、おかしいということがわかるだろう。
そして、今は二足歩行で立っている。
グーシャを横目に見ると、素早くイカのムチのような腕を飛んでかわし、でんぐり返しの要領で、転がるそして、キリッとイカを見つめる。
その一幕が、この戦いの合図となった。
ノーリー((キノコの粘液って、まだ取れてなかったんすね。液体だけスライムみたいとか思うっすよ。
グーシャ((それはなぁ....地味に煩わしいんだよなぁ...
ノーリー((青い粘液でベトベトの赤ちゃんとオジサンのキ....
すみな((そ、そんなことより、あの木の枝少年が持ってたやつなのよっ!!
少年((世代を超えて、新たな人のもとへ...俺の枝は、未来永劫無敵だぜっ!!
すみな、グーシャ、ノーリー((そんなに頼りになるものでもないと思う...
少年((辛辣っ!?!




